提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


調理飯や玄米食に向く小さくて丸いお米「つぶゆき」

2011年09月02日

●育成の背景

 お米は、その消費量が年々低下している一方で、全国各地でおいしいご当地品種がたくさん誕生して、好みに合わせて選んで買う時代になってきました。また、米食の形態も変化し、普通の白飯のほかおにぎり、炊き込みご飯、寿司といった定番のものから、ピラフやパエリア、リゾットのような洋風ごはんなど、様々な調理法で食べられるようになってきています。そこで、このような様々な用途にあった品種を育成するため、青森県でも1990年から、これまでにない形質や用途を持った品種育成を始めました。

●育成の経過

「つぶゆき」の玄米
「つぶゆき」の玄米

 1992年に、青森県農業試験場(現・地方独立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所)において、外国米の極小粒性を導入した「H91-33/コシヒカリ」のF1に、短強稈で良質・良食味の「青系114号」を交配した系統の中から、極小粒で強稈、いもち病抵抗性や耐冷性に優れ、品質が良いことに着眼して、2000年に「青系147号」を選抜しました。本系統について、小さいお米という個性的な特徴を活かした利用法なども検討し、2003年4月に、「津軽の冬に降る細かい'つぶ雪'」をイメージして「つぶゆき」と命名し、品種登録を行いました。本品種は、全国に先駆けた極小粒米品種の第1号であり、青森県の認定品種の指定も受けました。
 

●品種特性

 「つぶゆき」は、青森県では中生に属するうるち種で、玄米は一般品種に比較して、粒の長さが3割、幅が1割ほど短く、千粒重が6割程度の、丸い形をした小さなお米です(表1、写真左)。粒が小さくて穂の軸が太いため、穂が稔っても垂れにくく、小麦のような特徴的な稲の姿をしています(写真右)


表1 玄米の形状


  
 :玄米形状の比較 /  :「つぶゆき」の草姿


 収量は10a当たり400kg程度で、青森県の一般品種の6割程度にとどまりますが、耐冷性が「やや強」で、いもち病抵抗性が「極強」と優れた特性があります(表2)


表2 収量調査結果
表2 収量調査結果


●利用方法

 精米は通常の精米機を使用できます。普通に炊飯すると、粘りが少なく硬めで、パラパラした独特の食感があるため、最近欧米で注目されているライスサラダ(写真左)のほか、ピラフやチャーハンなどにすると、おいしく食べられます。また、粒が小さいので、玄米は火が通りやすく食べやすいため、玄米を混ぜたご飯(写真右)やお粥にも適しています。さらに、お米1粒当たりの胚芽の割合が一般品種より高いことや、同じ容量では 一般品種の玄米に比べ「つぶゆき」の方が粒数が多いことから、「つぶゆき」の玄米を混ぜて食べた場合、玄米のビタミン類やGABA(γ-アミノ酪酸 :血圧降下作用、リラックス効果など)を含めた栄養成分が多く摂取でき、手軽な健康食としての利用が期待できます。


  
(利用例)  :ライスサラダ /  :玄米混ぜご飯


●栽培・入手に関して

 「つぶゆき」は、発芽玄米として青森県内で販売されています。青森県産業技術センターPR館アレッラ(A'lerra)では、(株)フラワーヒルズの「発芽玄米つぶゆき」(150g入、300円)を、平成24年3月25日まで店頭販売していますので、ご利用ください。

 ○青森県産業技術センターPR館アレッラ(A'lerra)
 月曜定休日、青森市新町1丁目11-17
 TEL 017-773-1347、FAX 017-773-1348


 なお、種子の申込みは青森県内の生産者に限定していますので、現在は県外で作付けすることはできません。


執筆者
地方独立行政法人 青森県産業技術センター
農林総合研究所 水稲品種開発部
小林 渡