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赤色の大粒ブドウ新品種‘ルビーロマン’

2008年02月12日

 石川県におけるブドウ栽培は、‘デラウェア’等の小粒品種の占める割合が73%と高い一方、‘巨峰’等の大粒種の占める割合が少なく、農家からは、多様な消費者ニーズに対応し、有利販売が可能となる本県オリジナル大粒品種の育成が強く求められていました。

 そこで、石川県砂丘地農業試験場では、平成6年から、品質が良く、着色が容易な赤色ブドウの育成に取り組みました。

【写真1】ルビーロマンの収穫時の果房  【写真1】収穫時の果房 
 
      
育成経過

 平成7年春、‘藤稔’という黒色の大粒ブドウから採取した400の種を播きましたが、得られた個体の中で赤い実を付けたのは、わずか4本でした。

 この中から、味、色、房や粒の大きさ等の調査を繰り返し、普及の可能性が高いと認められた1本が名称公募により‘ルビーロマン’と命名、平成19年3月に新しく品種登録されました。


品種特性

(1)育成地における雨よけ施設栽培での収穫時期は、8月下旬から9月中旬で、果実は鮮やかな赤色、夏期の高温条件下でも容易に色がつきやすい(写真1)。

(2)果実品質は、高糖度(約20%)ですが、口いっぱいに広がるさわやかな甘味であり、果汁が豊富です。また、皮がむきやすく食べやすいのが特徴です。

(3)粒の重さは20g以上で‘巨峰’の2倍近くとなり、国内品種トップレベルの大きさです(写真2)。

(4)栽培上、高温に弱い、過度に大粒化しようとすると裂果が発生しやすい等の問題点があります。

【写真2】‘巨峰’等と果粒の比較 【写真2】‘巨峰’等と果粒の比較


普及拡大を図るための苗木生産

 ‘ルビーロマン’は、当面は県内での普及を図ることとしています。そのため、当農試で苗木を生産して農家へ配布する方法をとっています。大量・効率的に苗木生産を図るため接ぎ木マシーン(写真3・4)を導入し、平成18年に1,000本、平成19年には約700本の苗木を配布し普及拡大を図っています。現在の普及面積は約9haで、平成22年普及目標面積を30haとしています。

Ω型の接ぎ木機械   大量苗木の育成

【写真3】Ω型の接ぎ木機械      【写真4】大量苗木の育成


今後の取り組み

 これまで、果粒の揃いを良くする技術、生理障害防止法等に取り組んできましたが、平成20年度からは、消費者の種なし嗜好に対応した無核化技術、大房栽培技術、収穫期の前進化技術、新規栽培者への普及を図るための水稲育苗ハウスを活用した簡易栽培技術の確立等に取り組むこととしています。

農家・消費者等との試食会 【写真5】農家・消費者等との試食会


執筆者
石川県農業総合研究センター砂丘地農業試験場
嶋 雅康


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