提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


農薬ナビ

2007年04月12日

はじめに

 「農薬適正使用ナビゲーションシステム(農薬ナビ)」は、パソコンや携帯電話で、農薬適正使用の事前判定や農薬使用履歴記帳が簡単にできるシステムです。現在、システムの改良のため、公開実証実験を行っています。

 農薬ナビを用いると農薬使用計画(防除暦)が、農薬使用基準を満たしているか否かの判定ができます。また、防除作業時には、各種の農薬適正使用判定ができ、問題がなければそのまま履歴記帳が自動的に行えます。


パソコンによる農薬使用計画の作成と事前判定

図1 農薬ナビ判定サーバの利用イメージ 

 農薬ナビの利用者は、まず、防除暦などを参考にしながら、システムを利用して農薬使用計画を作成します。農薬使用計画は、適用作物(適用作物コード)や収穫予想日に加えて、作業予定日、農薬名(農薬登録番号)、適用病害虫名(適用病害虫コード)、希釈倍数等の適用条件を具体的に記載したものです。システムの「判定ボタン」を押すと、インターネット経由で、農薬ナビ判定サーバへ農薬使用計画が送信されます。農薬ナビ判定サーバでは判定処理が行われ、判定結果が自動的にパソコンに表示されます(図1)。

 農薬の適用条件のうち、現在のシステムでは、適用作物、適用病害虫雑草、本剤使用回数、有効成分の総使用回数、使用時期(収穫前日数のみ)、希釈倍数、使用量について判定を行っています。どの項目で不適切な農薬使用になるのか、その理由が表示されるように判定方式を考案しています。
 農薬ナビ判定サーバは、現在、公開実証実験を実施しており、以下のURLで利用できます。
農薬ナビ判定サーバURL: http://nouyaku-navi.info/


携帯電話による事前判定と履歴記帳

図2 携帯電話による事前判定と履歴記帳


 農薬ナビ判定サーバは携帯電話から利用することもでき、圃場における農薬適正使用判定や履歴記帳にも活用できます。カメラ付き携帯電話で、農薬容器に付いているバーコードを読み取り、農薬登録情報の取得や判定を行うこともできます(図2)。
 使用農薬を選択すると「今日までの判定」と「明日以降の判定」の二種類の判定結果が表示されます。前者は、判定日までの農薬使用履歴と今回の農薬を対象に判定を行います。後者では、明日以降の農薬使用計画を含む全ての計画・履歴を対象に判定を行います。「明日以降の判定」は、使用回数上限の農薬について今回の農薬使用を優先すべきか、防除暦で予定されている将来の農薬使用を優先すべきかなどの意思決定の支援に有効です。
 携帯電話から利用する場合には、適用作物、本剤使用回数、有効成分回数、収穫日前日数などが判定項目となり、これらの条件を満たさない場合には、赤信号記号で警告が表示されます。また、基準回数に達し、次回使用ができない場合には黄色信号記号で注意を促します。


システムの実用化と普及


農林水産省「平成一八年度ユビキタス食の安全・安心システム開発事業」の一環として、システムの実用化および普及が行われています。このシステムでは、地域、生産者、契約栽培等の多様な基準に対応できるように機能を強化しています。また、カメラ・バーコードリーダ・GPS付きの携帯電話を用いることで、いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように使用したかの農薬使用履歴・5W1H情報を、正確かつ省力的に記録することができます。詳しくは農薬ナビ研究会URL:http://nouyaku-navi.org/ をご参照ください。
(なんせき・てるあき (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 生産支援システム研究チーム長/現・九州大学大学院農学研究院教授)
(月刊「日本の農業」2007年2月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載)

図1 農薬ナビ判定サーバの利用イメージ
図2 携帯電話による事前判定と履歴記帳
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