提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


ドローンを使った防除作業がゆとりを生んだ

2016年10月03日

201609_yokogao_yamagata74.jpg
落合正男さん、正人さん(山形県尾花沢市)


 ドローンは、「無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機」で、いろいろな分野での利用が期待されており、農業では、目の届きにくいところの撮影や防除作業などが想定されている。

 山形県尾花沢市の落合正人さん(28)は、水田15ha、エン麦3ha、スイカ40a、タラノメとソバ各1haを両親と家族3人で経営している。今話題のドローン(丸山製作所製)を今年初めて水田の防除に使い、経営に生かしている。


動噴による水田防除とスイカの収穫が重なるのを何とかしたい
201609_yokogao_yamagata08.jpg 40aのスイカを作る落合さん方では、水稲防除(2回目)の時期がスイカの収穫と重なるため、毎年、時間と労力の配分に苦労してきた。この期間は水稲の出穂期で、いもち病やニカメイチュウ等を防除する重要な時期にあたる。
 地域には未整備の圃場が多く、ラジコンヘリでの防除作業を委託しても受託してもらえない。そのため、家族3人がかりで動噴による防除を実施してきた。圃場によっては、動噴のホースを150mも引っ張らなければならない。

 とくに、スイカの出荷時期である8月4日頃からお盆過ぎまでは、毎日、早朝5時から8時ころまでに、2トントラック1台分と軽トラック1台分にもなるスイカを収穫する。その後に水稲の防除を実施するのは、体力的にも時間的にも、厳しいものがある。

 ドローンを使っての防除作業は、正人さんと父の正男さん(62)の2人で充分。1回の飛行時間は7~8分(バッテリーの持続時間等を考慮した場合)で、約1haの防除が可能(※)という。まだ慣れていないので、無理せずに70~80aの防除にとどめている。朝夕合わせて、1日約2~3ha、計15haを6~8日間で実施した。
 ドローンの操縦については、3日間の講習(学科10時間、実技10時間)を受けて免許を取得した。
メーカーの説明による


201609_yokogao_yamagata65.jpg  201609_yokogao_yamagata05.jpg


使ってみてどうだったか。ドローンの長所と短所
 ドローンを使ってみてどうだったかを尋ねると、
・操縦ラジコンヘリに比べて非常に楽である
・散布高度・速度、飛行範囲等は1回設定すれば後は必要ない
・発着・着陸の場所を選ばない
・二人作業でOK

と長所があがったが、一方、
・バッテリーの持続時間が短く、補助バッテリーが必要
・農薬の積載が最大5Lしかないので、交換が頻繁
が問題、とのこと。


201609_yokogao_yamagata17.jpg  201609_yokogao_yamagata42.jpg


 バッテリーは1回の充電で約10分しかもたない。落合さんは充電器と予備バッテリーを4組(1回に2本使用)計8本用意している。充電には約1時間かかるとのこと。


ドローン導入で規模拡大に挑戦したい
 何より一番喜んでいるのは母の弘子さんだ。動噴のホースの引き手は、もっぱら弘子さん。ホース引きは重労働であるばかりでなく、防除機のエンジン音等により大声を出さなければならない。今年からはその必要もなくなった。精神的にも解放されたという。

 正人さんは、「時間的にも体力的にも楽になった。管理作業に余裕ができたので、来年は栽培面積を増やしたいと思っている」「今年はドローンによる病害虫防除の許可が下りるのが遅かったので、あわただしい作業となったが、来年からはもう少し余裕を持って実施するつもり」と話してくれた。(みんなの農業広場事務局)