提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


栗を中心とした観光果樹園で次代につなげる「攻めの経営」を実践

2015年04月09日

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河村修治さん(兵庫県丹波市 石戸観光農園代表)


 丹波市柏原町にある石戸観光農園は総面積2.6haの果樹直売農園だ。クリ90a、ブドウ90a(改植中)、リンゴ30本、カキ・ギンナンの果樹園を経営する、河村修治さん。先代である父の始めた観光栗園を退職後に本格的に継ぐつもりで会社員として過ごしていた平成2年、父が病に倒れ、急きょ継ぐことになったとき、42歳だった。「これほど奥が深いとは思わなかった」と言いながら、25年かけて規模を広げ、単収を上げてきた確かな技術を持つ。河村さんは県農業経営士であり、丹波市栗振興会の会長も務めている。


 兵庫県は全国有数のクリ産地として知られている。中でも旧丹波国は「銀寄」発祥の地でもある歴史ある産地だ。河村さんが作るクリの品種は、大半が「銀寄」と「筑波」で、新品種の「ぽろたん」はまだ木が若い。「ぽろたんは去年(平成25年)は形が悪く、病気にもかかったけれど、今年はつやが出て、味ものってきました」と笑う。


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 :河村さんの栗畑。低樹高に仕立てられている
 :河村さん(中)と丹波農業改良普及センターの小多普及主査(右)と黒田職員(左)


 河村さんは収穫後のクリを氷温で保存し、追熟する。3~4週間で糖度が3~4倍に上がる氷温貯蔵法で、出荷まで5度で保存することで品質を保つ(上げる)。その後、圧力釜を使い、高圧・120度で10~15分ゆでる。


201503_kawamura_210_2.jpg 丹波栗は単価が高く、JA出荷、個人出荷を問わず生栗の出荷がほとんどである中、ゆでたクリを出荷することで、地元の菓子店に販路を開いた。地元の実需者からは、菓子店だけでなく、飲食関係からも引き合いがあり、喫茶の軽食メニューに使われているという。生栗も含め、高い単価で売ってきた河村さんだが、「地元、地域での需要を増やし、生産者と実需者が連携していければ」と話す。その一方、「生産は、品質は言うまでもなく、量を増やし強化していきたい」と語る。
左 :河村さんの栗。手前から「ぽろたん」「筑波」「銀寄」


 クリの収穫は例年、「筑波」が9月20日過ぎから10月中旬まで。「銀寄」が5日くらい遅れて始まる。一日の収穫量は、ピーク時には200kgになることもある。ふだんは家族で作業するが、最盛期にはこの道30年のベテランパートさんにも加わってもらう。


 河村さんは、今64歳。今考えるのは(心境は)、「あきらめ」「守る」「攻める」の3つだという。「クリはあと10a増やして1haにするかどうか、思案中です。いかに良いものをたくさん作っていくか」「ブドウはちょうど改植しています。次の世代にどうつないでいくかを考えています」。「あきらめ」にはほど遠く、「攻め」ている河村さんの経営の発展を祈りたい。(水越園子 平成26年10月23日取材 協力:兵庫県丹波県民局丹波農業改良普及センター)


石戸観光農園 ホームページ
兵庫県丹波市柏原町石戸54
TEL:0795-77-0181  FAX:0795-77-0181