提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


パパイアの産地化を目指して栽培に取り組む

2009年05月20日

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池宮博美さん(宮崎県清武町)


 東国原知事の強力なトップセールスで脚光を浴びたのはマンゴーだが、宮崎県では、次なるマンゴーを目指して、パパイアの産地作りが進められている。
 宮崎県清武町のパパイア栽培は平成15年度に始まった。現在10名の農家が、235aの面積を作付けしている。年間の販売額は約5300万円で、毎年増加している。


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 :パパイア /  :中部農林振興局の緒方さん(左)と池宮さん(右)


パパイアの樹形に驚き 
 清武町木原で、キュウリ、ゴーヤ、パパイアのハウス栽培をする池宮博美さん(63)は、パパイアの周年栽培をはじめて3年が経つ。池宮さん夫婦と息子夫婦の4名と、パート2名(臨時雇用)の労働力で、施設面積60aのうち、20a(硬質フィルムハウス一棟)でパパイアを、40aでキュウリとゴーヤを栽培している。

 ハウスに入って驚いたのは、パパイアの木の様子だ。10a当たり約135本ものパパイアの木が、蜷局(とぐろ)をまいた大蛇よろしく、横たわっている。


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ハウス内のようす


 清武町のパパイアは、沖縄の事例を参考にしながら、地域で改良を重ねた技術で栽培されている。「ハウスの高さや作業のしやすさを考慮した結果、このようなスタイルになった」という。


天敵の導入で農薬散布が不要に
 「パパイア栽培は、作業が楽です」とメリットを語ってくれた、池宮さん。それもそのはず、農薬散布をしていないのだ。パパイアの重要病害虫であるハダニ防除は、天敵におまかせとのこと。

 池宮さんが天敵のカブリダニを放飼したのは、昨年11月。それ以来、半年以上、害虫防除作業をしていないというから、驚きだ。ハウス内に敷設された稲ワラや籾殻のおかげで、カブリダニがしっかりと定着している。
 天敵利用は、清武町のパパイア農家に普及しており、地域の農林振興局とJA、町が一体となって、導入を図ってきたという。 


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根本には稲ワラや籾殻が敷かれている


 目下の栽培上の課題は、暑さ対策だ。高温は、奇形果やヤケ果の原因となってしまう。そこで、池宮さんのハウスには、細霧冷房、遮光ネット、循環扇が導入されていた。夏の気温が確実に上がっている昨今、これらの資材は必須になっているようだ。


パパイアのブランド化、産地化に向けて
 パパイアは、植え付けしてから4~5年で植え替えの時期になるという。いつ植え替えをすればよいのか。今年で栽培3年目の池宮さんは、生育状況を見ながら、今後の植え替えタイミングを窺っている。また、「規模拡大は今のところ考えていない」というものの、比較的労力をかけずに栽培できることから、他の作物に比べると栽培面積を広げやすいのも事実だ。


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葉も花も実も生育は旺盛


 贈答用フルーツとして大都市に出荷されているパパイアだが、野菜としても、健康食品としても、注目を集めている。産地として規模をどう拡大していくかとともに、ブランド化をどう進めていくかにも、注目していきたい。(草間直人 2009年4月23日取材 取材協力:宮崎県中部農林振興局)