提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


消費者ニーズに応える「体験農園」「直売」とともに、伝統野菜栽培にも取り組む

2007年11月05日

河合徳秋さん(北海道石狩市・河合農園)


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 北海道石狩市厚田区別狩で、水稲4.5ha、メロン1ha、野菜(トマト、スイカ、トウモロコシ、カボチャ等)1.5haを経営する、河合徳秋さん(39)。妻朝恵さん、父英治さん、母美枝さん、中3から3歳までのお子さん5人の大家族だ。河合さんは北海道農業士でもある。
 
 石狩市厚田区(旧厚田村)は日本海沿岸に位置し、北海道内では早くに開拓された地域だ。長くニシンの漁場として、また、林業で栄えた。河合農園のある地域は積雪が多く、冬場は農業をするのがむつかしい。


kawai_image5.jpg 河合農園の目玉は、施設メロンのオーナー制体験農園だ。4月末の定植に始まって摘芯、7月末の収穫まで、年4回の作業を実際に農園に通っておこなう。

 参加者は札幌の住民が中心だ。自分の手で育てたメロンには愛着ひとしお、味も格別で、最初の年の参加者は30組だったが、8年目になる今年は、口コミで70組の親子が集まった。

 また、札幌市内で直売もおこなっている。親戚の車庫を借りて、週3日(水、土、日)、鉢花、米、野菜を運んで売るが、たいへん好評だという。インターネットでの農産物の販売も順調だ。
右 :体験等来場者のための、憩いのスペース


 河合さんは、昨年(2006年)から北海道の伝統野菜「札幌大球」を作り始めた。

 明治時代の開拓期に外国から導入された野菜の代表格である札幌大球は、北海道内で盛んに作られてきた。今でも冬場の保存食、漬物用として重宝されており、11月初めには、スーパーマーケットの店頭に並び、季節を告げる。


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 :収穫はすべて手作業 /  :一玉ずつ丁寧に受け渡す


 ただ、直径45センチ、高さ35センチ、重さ10~15キロにもなる大きさ故、栽培面積は減っている。

 厚田でも面積、作り手が減る中、「伝統野菜を残していきたい」と思う河合さんは、周囲のすすめもあり、2年目の今年は2aに2000株を植え付け育てた。栽植密度は、100センチ×100センチになる。


 5月下旬~末に育苗ハウスに播種した苗を、1カ月後に畑に定植。4カ月かけて、大きく育てる。「大きくするには技術がいります。葉物なので、害虫の駆除には苦労します」と河合さん。

 札幌大球は大きいばかりか、しっかりと固そうにみえるが、「中は柔らかいんです。寒くなると甘みをましておいしくなりますよ」という。

 今年は夏の暑さの影響で、干ばつに遭った。収穫前の10月になって天気が安定せず、あられの害もあり、札幌大球の出来はあまり芳しくない。


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 :搬出を待つ山積みされた札幌大球 /  :札幌大球を持つ河合さん


 収穫の真っ最中、圃場を訪ねた。大きすぎる故に、全て手作業で行わざるを得ない。重労働だ。圃場で収穫したものをトラクターで運び出し、トラックに手積みする。1回の運搬は200個が限度だという。


 これからも、「今まで通り野菜と米を作り、直売を主流にやっていくつもりです。平地ではないので、面積を今以上に増やすのはむつかしいでしょう。ただ、地域の後継者が農家20戸中5戸にしかいないので、いずれは農地を引き受けることになるかもしれません」


 河合さんの地域への思い、農業への思いをたくさん感じつつ、紅葉美しい森に囲まれた河合農園を後にした。(水越園子 2007年10月23日取材 協力:北海道石狩支庁石狩農業改良普及センター石狩北部支所、(社)北海道農業改良普及協会)


▼河合農園 ホームページ


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