提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


サラたまちゃんが行く - 甘い! おいしい! 環境に優しい! 大産地ひしめくタマネギ市場に挑戦!-

2007年10月10日

 熊本県水俣市袋地区。県の最南端に位置し、お隣鹿児島県出水市と接している。10月1日というのに秋は名ばかり、気温約30度で日射しが強い。

 ここに、北海道、佐賀県等の名だたる大タマネギ産地に比して、生産量は少ないながら、味で一歩抜きんでた、キラッと光る個性派タマネギ「サラたまちゃん」の産地がある。


 田畑和雄さん(54)は、苗床の水やりの作業中。9月半ばから、もう2週間雨が降らず、連日水やりに手をとられているという。品質の良いサラたまちゃんを育てるために、水やり、そして苗の出来は重要だ。


20071001saratama_1.jpg 


 28年間、JAの営農指導員と二足のわらじをはいていたが、47歳だった6年前に専業農家に。サラたまちゃん4ha、米4ha、デコポン等柑橘50aをつくる。また、部会員約140名をひきいる、JAあしきたサラたまちゃん部会長をつとめる田畑さんだ。

 サラたまちゃん産地の規模は、60ha。例年、出荷量は3000t前後と国内タマネギ総生産量の0.3%にすぎない。

 この地域では麦や大豆の代わりに、米の裏作として作られ始めた。産地の歴史は40年になる。生産者は高齢化している反面、除草剤不使用が売りなので、除草は手作業という厳しさで、生産面積は横ばいだ。


20071001saratama_2.jpg  20071001saratama_4.jpg
 :播種直後の苗床は、発芽まで黒寒冷紗で保護
 :播種後10日の苗、元気に育っています


 「水俣」の名前が、市場や消費者にはプラスに働かない中、早くから環境に優しい作り方をアピール。減化学肥料、除草剤不使用を前面に出し、国内他産地の端境期にあたる3~6月を狙って出荷する。


 一番の売りは、「そのまま食べても甘い。苦み辛みが少ない」「水にさらさずそのまま食べられる」ところだ。日本テレビどっちの料理ショーの特選素材として取り上げられたこともある。


 田畑さんは行動派である。

 他産地に先駆けて、サラたまちゃんの試食販売を始めた。市場や店頭での販売を積極的におこなう。毎年ライバル北海道での試食販売と視察も欠かさない。


saratama_s.jpg一歩も何歩も踏み出したことで、
 「タマネギひとつでいろいろな展開ができることを知りました。血液さらさら、で健康ブームにも乗った格好だけれど、タマネギがこれだけ売れる! と実感できて面白くて、作るだけでない、プラスアルファの楽しさにのめり込みました」


 サラたまちゃんの命名は平成10年。商標登録して翌11年から、サラたまちゃんブランドで販売を開始した。ネーミングが成功し、いっきに知名度があがった。

 サラたまペースト、サラたまちゃんドレッシングなどの加工品が次々に生まれ、人気が高い。

 
地域では11回をかぞえるサラたまちゃん祭り、タマネギ後の圃場に鋤きこむためのヒマワリを「サラたまちゃんヒマワリ」と名付けて人気沸騰! など斬新なアイデアが、地域を活気づける。

(※画像をクリックすると大きく表示されます)

 「タマネギ命」の田畑さんの畑から、タマネギ栽培ブログをお届けします。
近日公開開始です、お楽しみに!(水越園子 2007年10月1日取材)