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徳島県
吉原 均

吉原 均

徳島県鳴門藍住農業支援センターの吉原均です。野菜担当で「らっきょう」、「いちご」を担当しています。また、我が管内で多く栽培されている徳島の象徴的作物「藍」に関しても様々な活動をしています。

いちご炭疽病対策その後

2010.03. 9

 今回は、イチゴの炭疽病対策についての話題です。以前も書きましたが、徳島では「親株の簡易検定」という手法を使って、早期に、この病気にかかったイチゴを排除する取り組みを行っています。

 数年前に猛威を振るった「炭疽病(たんそびょう)」ですが、最近はちょっと落ち着いてきています。当センター担当者の山本さんと私は、「これが簡易検定の効果なのか~!」「カビまみれで頑張った甲斐があった~」と喜んでいたのですが、実はハッキリと分からないので、ちょっとがっかり。近年は台風も来ていないし、雨も少ない、炭疽病まん延の条件がそろっていないだけ、という説もある一方、生産者からは「絶対に効果はある! 今後もお願いします。」という、号泣モノのお言葉も。どのみち、この病気に強い新品種が育成されるまでは、簡易検定や株元灌水で対抗するしかないようなので、カビ臭い葉っぱとの格闘は、まだまだ続きそうです。

 今は簡易検定のシーズンに突入中。今日も山本さんとともに、ばっちりマスクして、のぞんでいます。検定の効果でも天候のおかげでも、どっちでもいいから、今年も炭疽病があまり発生しませんように!


  
左 :炭疽病が発症したイチゴ。枯れます・・・。
右 :私たちが格闘しているカビカビの葉っぱです。お見せするのがためらわれるので、ちょっとボカシときます(逆効果?) 


  
左 :「炭疽病バスターズ(もちろん自称)」のメンバー、山本さん。検体が山積みです~♪
右 :同メンバーの私。カビ対策には気を遣ってます。ちなみにこのチーム、メンバーは2人だけです。がんばります! 

輝け!女性グループ

2010.02.19

 今回は、先日行われた、女性グループの交流会についての話題です。
 「輝く女性グループ活動事例交流会」と題されたこの会は、管内の各女性グループが取り組んでいる食育や特産品加工、産直などの活動を発表し、情報交換を行うことを目的に開催されました。私も裏方として参加しました。


 まず3つのグループから事例発表がありました。その後、徳島の食材にこだわるお弁当屋さん「デイズ・キッチン」を経営している森永才知さんの講演「これからの食と野菜の関係」があり、「皆さんが一生懸命つくった食材を、精一杯愛情込めて料理します!」と、力強いメッセージをいただきました。


  
 
左 :事例発表。みなさん上手にお話しされます。日頃の活動がよく分かりました
右 :デイズ・キッチン代表の森永才知先生。地域食材へのこだわりと、愛情が伝わる講演内容でした


  
左 :飯泉知事登場!モテモテです
右 :熱心に試食&意見交換される知事。おいしそーに召し上がりますネ


 最後に「わたしの商品自慢合戦」と題した、特産物加工品の試食会が行われました。
 ここで会場にスペシャルゲスト、飯泉知事が登場! 各グループが自慢の加工品をアピールした後、いよいよ試食タ~イム。知事を囲んで終始、和やかムードで進行しました。飯泉知事はテーブルを回りながら、精力的に試食。みなさんと一緒に、熱心に意見交換&体重増加に勤しんでおられました。

 いつも思いますが、イベント系の仕事は楽しいですね。終わった後には何とも言えない充実感があります。

“ウェル○め”よりもっと南で

2010.02. 4

 昨年1回目のネタが「藍」で、最後のネタも「藍」だったので、今年一回目もやっぱり「藍」でいきます!←開き直り


 さて、今回は当センターの管轄を飛び出して、海陽町(かいようちょう)へ出張してのお仕事です。海陽町は、某連続ドラマの舞台、美波町(みなみちょう)よりずっと南、徳島県の一番南の町です。そこで藍に関する講演をして欲しいという依頼を受けたのです。

 そもそも藍は、歴史的に見ても、県北の吉野川流域が産業の中心で、それは現在でも変わっていません。海陽町には特に藍との関わりはなかったと思うのですが・・・。なぜ私が呼ばれたのでしょうか?
 実は現在、地元の繊維関係メーカー、農業者などが連携して、藍を使った農商工連携の取り組みを模索しているからなのです。構想には、地元産の鶏糞堆肥を活用することも組み込まれていて、地域資源の利活用といったテーマにも沿った形となっています。実現すれば、新しい形の藍産業が展開されることになるでしょう。


 当日は、地元商工会館で、15人程を相手に1時間半ほどしゃべり続けましたが、最後まで熱心に聞き入っていただき、たいへん話しがいがありました。いつも思うのですが、藍の話って、農業関係者よりも商工関係者の方が熱心なんですよね~。
右 :講演の様子。声が枯れました


 さて、講演の後は、鶏糞堆肥の製造工場へ見学に行きました。
 まず始めに、原材料(鶏糞です)が積み上げてある倉庫に案内されました。倉庫の大扉が開けられると、見学者が一斉に涙を流します。鶏糞の山に大感激! ・・・ではなくて、あまりのアンモニア臭で、涙が止まらないのです。押し寄せる気体の圧力を、生まれて初めて体感! 写真を撮る余裕すらありませんでした・・・。
 その後は製造ラインにそって見せていただきましたが、完成品はそれほど臭いもなく、いい感じの堆肥になっていました。これで藍を栽培するとどうなるのか? この春から試作予定だそうです。

 海陽町における藍に関する取り組みが実現できるように、今後も微力ながら、協力させていただきたいです。


  
左 :堆肥製造ラインを見学しました。防護服ばっちりでしたが、やっぱり臭いが服に染みました・・・
右 :鶏糞堆肥完成品。臭いはかなりマイルドになっています。しかし原料段階の臭いのすごさと言ったら、もう! ・・・あの時流した涙は忘れません!

本年最後のブログです

2009.12.24

 今年1回目のネタが「藍」だったので、最後もやっぱり「藍」で締めたいと思います!
私のブログは、これで13回のうち5回が藍ネタなのですが、お許しを・・・。


 さて、先日藍師の新居 修氏宅で「すくも」の切り返し作業を見学しました。
 「切り返し」とは、発酵中の葉藍に水と酸素を供給し、微生物の活動を助けるための作業です。この日切り返したのは10月末に発酵開始したもの。完成まで約120日程度はかかるので、まだ道なかばといったところです。


  
左 :力を合わせて切り返します。伝統文化に魅せられる若者がいるのはとても頼もしいことですね
右 :内部は70℃近い温度になっているそうです。独特の香りが素敵・・・ゴホッ!


 積み上げた葉藍を崩すと、発酵熱で生じた水蒸気が立ちこめます。それと同時に、アンモニア臭まじりの独特の臭気が・・・。はっきり言ってクサイ! そばにいるだけで体に臭いがしみつきます。
 崩した葉藍に新居氏が水を打ち、みんなでダマになった部分をほぐしながら、再び積み上げてゆきます。完成まで何度もこの作業が続けられ、葉藍はやがてジャパンブルーを生み出す「すくも」となるのです。


  
左 :発酵の状態に応じて水を打ちます。ここは藍師さんの独壇場。長い経験が物をいいます。いい写真が撮れました
右 :Szia! 彼女はハンガリーからの留学生です。祖国の天然藍染め(インド藍)は博物館でしか行われていないそうで、日本の藍染め文化は世界的に見ても素晴らしい! とのこと。うれしいです


  
左 :ダマになった部分をていねいにほぐし、きれいに積み上げます
右 :最後はムシロをかけて保温。神様へのお供えも忘れません。これぞ日本の心。良い物を作りたいという、職人の願いが込められているようです


 この日は和歌山県から弟子入りしているという若者や、徳島在住の若き染織家、そしてハンガリーからはるばる徳島まで、藍染めを研究に来ている女性が作業に加わっていました。
 伝統工芸の世界に惹かれる若者が増えているとはよく聞きますが、実際に目の当たりにするとすごくうれしく、頼もしく感じました。しかも国際的! さすがはジャパンブルー、と言ったところでしょうか。作業で汗を流す彼らのためにも、藍の生産安定に貢献できる仕事をせねばと、決意を新たにしました。

 それでは皆様良いお年を。Viszontlátásra!


学会で発表することもあるんです

2009.12. 2

 今回は、普及指導員も学会発表する事がある、というお話しです。まぁ、発表と言っても研究発表ではなく、「普及の現場から」と題した講演だったのですが。


 去る11月26日に徳島県立農業研究所で行われた、日本作物学会四国支部・日本育種学会四国談話会共催公開シンポジウムで、約60人を前に「阿波藍の現状と課題~ジャパンブルーの復活を目指して~」と題した講演を行いました。
 徳島と言えばやっぱり「藍」? という話かどうかよく知りませんが、県外の研究者に、藍の事を知ってもらうよい機会と思い、引き受けた次第です。


発表のタイトル。こういうデザインを考えるのが大好きです  発表中。スーツなんぞ久しぶりに着ました。シャツはもちろん藍染め。自分で育てた藍で「すくも」をって染めました。質疑でもシャツについて尋ねられたりして、けっこうウケました。作戦成功! 
左 :発表のタイトル。こういうデザインを考えるのが大好きです
右 :発表中。スーツなんぞ久しぶりに着ました。シャツはもちろん藍染め。自分で育てた藍で「すくも」を作って染めました。質疑でもシャツについて尋ねられたりして、けっこうウケました。作戦成功! 


発表中。かなりの高視聴率だったと思います。何だかプレゼンが上手になったように感じました!   Japan Blue Revolution と題した私の主張。水面下でゆっくりと進行中です・・・ 
左 :発表中。かなりの高視聴率だったと思います。何だかプレゼンが上手になったように感じました!
右 :Japan Blue Revolution と題した私の主張。水面下でゆっくりと進行中です・・・


 講演では、阿波藍の現状や現在の取り組みを中心に、将来像についても私見を交えてお話ししました。発表後の質疑では、大学生から励ましの言葉や、他県の研究者や大学教授から「藍についての理解が深まった。」とうれしい言葉をいただきました。ちょっと緊張しましたが、大変有意義な一日となりました。

 以下は講演の締めくくりでお話しした内容です。藍に対する私の想いが、みなさまに伝われば幸いです。

 ◆◆

 『藍を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化し、藍と言えば「すくも・藍染め・徳島の特産物」という認識は過去のものになりつつあると感じています。現に、新用途利用分野では、他県の方がはるかに進んでいるのが実態です。
 徳島の貴重な資源である阿波藍、それが本当に過去の遺物とならないよう、いま打てる手は打っておくべき、というのが私の考えです。

 明治20年頃のインド藍輸入、明治36年のインディゴピュア輸入で衰退した阿波藍に、三度存亡の危機が訪れています。関係する人々が協力してこの危機を乗り越えることは、阿波藍のみならず「多くの日本文化を守ることに繋がる」と信じています。そのためには、新たな需要を創出し、同時に原料生産基盤を強化してゆくことが、絶対不可欠なのです。

 さまざまな取り組みを通して、日本人にとって藍を再び身近なものとできるなら、そこから新たなジャパンブルーの歴史が始まるかも知れません。その時、阿波藍が中心的存在でいられる事を、切に願います』 

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