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田邉香織

田邉香織

埼玉県川越農林振興センター 技術普及担当の田邉です。埼玉県の中でも露地野菜、特に、にんじんやさといもなどの根菜類を担当しています。普及指導員仮免許中(今年受験)。チャームポイントは埼玉県農林部内で一番小さいことです。座右の銘は「見た目は小さくとも夢と心は大きく」。

にんじんのネキリムシ類対策(その2)

2017.08. 2

前回からのつづき)
【春夏にんじんに合った防除方法を目指して】

1.ネキリムシ類の生態に合った新たな防除方法の検討
 まずは、フェロモントラップを用いて成虫の飛来時期を調査し、その結果とアメダスなどのデータから幼虫の発生時期を予測して、被害を受ける前にベイト剤を用いて防除する方法を考えました。
 この防除方法を研修先の地域指導農家のほ場を実証ほにして試験したところ、ネキリムシ類被害は10%から0.7%に抑えることができました。
 「今年は穴が空いてるにんじんは全然ないね!」
 昨年、研修の時にネキリムシ類被害に悩んでいた地域指導農家の方から、うれしい言葉が聞けました。


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左 :フェロモントラップ / 右 :ベイト剤散布後の様子


2.防除方法の普及
 そもそも、なぜ春夏にんじんに合った防除方法が行われていなかったのか?
 その理由として、入間地域は昔から、秋冬にんじんの生産が盛んな地域だったために「春夏にんじんも秋冬にんじんと同じ防除方法で大丈夫」という考えが一般的だったことが考えられました。
 春夏と秋冬では、ネキリムシ類が畑で加害する時期が異なるため、秋冬にんじんと同じように播種時に薬剤散布する方法では防ぐことができていませんでした。


 そこで、この新しい防除方法について説明したチラシやポスターを作り、JAに協力してもらい掲示・配布しました。
 さらに地域の生産組織等の会議や総会で情報提供や、生産規模の大きな農家への巡回、防除講習会の実施など、一人でも多くの農家にこの防除方法を広めようと活動しました。

 とくに、にんじん部会員が多く参加した防除講習会では、
 「たしかに、この時期に農薬やったらうちはほとんど被害なかったよ」
 と、地域指導農家の方に実証ほの感想を言ってもらったところ「じゃあ間違いないな。うちでもちょっとやってみようか。」と納得の声も聞こえました。


 その結果、平成28年は7名がこの防除方法に取り組み、平成29年は農家同士での口コミなどの効果もあって、さらに多くの農家が取り組んでいます。
 今後は防除時期などの年次変動を調査し、より散布の時期が分かりやすく、実施しやすい防除方法に改良していくとともに、JAと協力してにんじんの防除暦の検討を行っていきたいと考えています。


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左 :作成したチラシ・ポスター / 右 :講習会の様子

にんじんのネキリムシ類対策(その1)

2017.07.27

 埼玉県川越農林振興センターの田邉です。担当する川越農林振興センターの管内は露地野菜生産が盛んな地域で、私は主に、にんじんやさといもなどの担当をしています。
 今年、普及担当3年目を迎え、来たる8月、普及指導員資格試験を受験する予定です(現在試験勉強中です(・₋・;))。
 業務報告書などを作成する中でこの3年間の活動を振り返ることになりましたので、今回はその内容を紹介します。


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春夏にんじん栽培の様子


【その犯人はネキリムシ類】
 「このにんじんの山、なんとかならないかなぁ...」
 6月、入間地域では春夏にんじん(冬まきトンネル促成栽培)の収穫が最盛期を迎えます。
 私が1年目の時、地域指導農家(指導農業士)のもとで、農作業や生活を学ぶ「農家研修」の一環として、にんじんの収穫・調製作業を手伝いに行った時のことです。にんじんの根上部(肩部)が食害され、無念にも出荷できなくなったにんじんの山が積み重なっていました。
 
 事務所に持ち帰って調べたところ、その犯人はネキリムシ類だと判明、普及課題として取り上げ、防除対策を検討することになりました(つづく)。


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左 :にんじんへの食害  / 右 :ネキリムシ類(カブラヤガ幼虫)


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