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blog_hukyu_kasahara_f.jpg青森県
笠原 均

北国でも暑さ対策してるのです(その2)

2014.06.12

前回までのあらすじ】
 年々、厳しさを増す夏。
 地面に井戸水を流して、暑さで夏場に咲きにくくなくなったアルストロメリアをガンガン咲かせようと奮闘する普及指導員の私。


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咲き誇るアルストロメリア


 井戸水という豊富な冷却媒体と、既存の配管、最安値の散水ホースを組み合わせて、「これは、絶対に普及する!」と、息巻いて農家さんに提案すると、予想外に険しい顔をされるのです。


 「普及員さん、そりゃあ、まねや~(ダメだよ)。」


 えっ!いったい何がいけないの?
Σ(゚д゚;) ヌオォ!? 
            

                              
【本題】
 「笠原さん(私のことです)・・・ビニールホースまねや(※)
まねや=津軽弁で「ダメだよ」


 そういって見せてくれたのは、昨年購入し、屋外で使用していたという散水ホースです。ホースが劣化し、ガチガチになってます。
 その農家さんが言うには、「3年というアルストロメリアの植え替えサイクルだと、散水ホースが地面の中で持たないよ」ということです。

 では、ということで、劣化しにくい高価なホースや上水道用管を使うとなると、75坪ハウスに敷設した場合でも、ゆうに10万円を越えてしまいます。試験的に入れるには、あまりに高額です。これでは誰も試してくれません。


 「やっぱり厳しいかな~」と、私は青空を仰ぎました。


kasahara_5_2.jpg
仰いだ青空のイメージ


 が、まだ、普及指導員の神様(そういうのは、いるのでしょうか?)は見捨てていませんでした。


 ある日、ある農家さんとお話をしていると、     
「前に山形(県)さ、視察に行ったばって(行ったのだけど)、なんか畝さ、オレンジの管使ってたばって、なんだべ?」と聞かれました。


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 「なに? 畝にオレンジ色の管!」


 さっそく調べてみると、山形県は非常に安価な冷却システムの普及が進んでいて、それを紹介するホームページを見てみると、なんと本当にオレンジ色の管を使っているじゃないですか!


 この管を調べてみると、なんと電気のケーブルを包むCD管という管です。
 電気コーナーに並んだパーツに水を通すなんて夢にも思いませんでした。これは、水を流すのに機能は十分な上、放熱性が高く、しかも単価が散水ホースの半分以下。


 「これは、いける!」


 そこで、このシステムの研究論文の筆頭となっていた山形県の職員にさっそく連絡をしてみると、とても親切な方でした。農業の国際化が進む現代、県を越えて普及指導員は技術を交流し、みんなで一丸となって日本農業を支える時代なんだなと、改めて考えさせられました。ご指導くださった山形県の職員の方、ありがとうございました。


 そんなこんなでさまざまな紆余曲折がありましたが、既存の井戸水ポンプを使ってアルストロメリアのほ場を冷やす準備はできました。山形県の実例や、私が独自に井戸水冷却の効果を計測したデータをもとに、JAの花き部会長にこの話してみると、さっそく試してもらえることになりました。


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これが敷設したCD管


 これで今年(当時平成24年)の夏には、アルストロメリアにとって最適な状態に地温を保ち、花芽が地面からピョコピョコ顔を出して、この夏は大儲けができるはずです。案の定、7月に入っても地温は最高でも20℃を切っており、ネブタの準備で汗だくで和紙を貼る津軽衆を尻目に、アルストロメリアの花芽は、ピョコピョコと地面から顔を出しています。うまく行くときは、本当にトントン拍子で行くモノです。


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左 :ピョコピョコと芽を出し・・・ / 右 :ちゃんと蕾が入っています!


 しかしこのあと、青森県のアルストロメリア生産者と普及指導員の私は、ビニールハウスの中で、


「トンでもない光景」


 に出くわすのです。


 と、いうことで、次回に続く・・・・


【お断り】
 このブログは、ノンフィクションですが、普及指導員である私の私見に基づいて書かれています。また、一部、イメージ映像を取り入れておりますのでご注意ください。


笠原 均

青森県の普及指導員です。桜で有名な弘前城のある中南地域に、4年前から勤務しています。もともと埼玉の出身ですが、20年ほど前、青森の人と風土に惚れ込んで、ここに住み着いてしまいました。ちなみに担当しているのは、青森の花きの振興と、担い手農家の支援です。

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