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大分県
塩崎洋一

塩崎洋一

大分県南部振興局で経営全般と肉用牛の普及活動を展開中です。大分県臼杵市生まれ、九州東海大学卒。昭和63年に畜産普及員で採用されました。実家は平成6年まで肥育農家でした。

飼養管理技術の見える化に向けて(その1)

2017.02. 9

 冬場になってからでしょうか、管内の去勢子牛の中に、尿石が見られるものが出てきました。
 子牛を高く売るためにはしっかりとエサを食わせなければなりませんが、濃厚飼料の量によって、また、そのエサの成分によって、症状に濃淡が出ます。あるいは、同じエサを同じ量だけ食べていても、尿石症状が出るものと出ないもの、さまざまです。


 もちろん、肉用牛農家で使われる子牛用の配合飼料は、材料の配合割合などの詳しい成分はなかなかわかりません。そこで、管内の農家さんの子牛の尿を調べて、このエサをこれだけやっていれば、アルカリ度合いやミネラル分などがどうなるかを見て、飼養管理指導に役立てよう。これなら農家さんの庭先ですぐに判断できるし、しかも牛の状況が「見える化できる」と、E普及員がやり始めました。


 そこで、私から「ならば、エサの中身が全部わかっているエクセレント(※)を使った牛を調べてみよう、何か基準になるかもしれない」と提案したところ、早速N牧場に向かうことになりました。とっても寒い日でした。
 N牧場とエクセレントというエサについては、「技術と普及」平成25年10月号に紹介しています(タイトル:「大分県和牛肥育産地再編に向けた普及活動」)。


「エクセレント」とは和牛肥育のエサで、従来、大分県内で肥育期間のステージで3種類の濃厚飼料を使用していたものを、一貫して1種類の濃厚飼料で管理する体系用に、普及を中心にした現場活動の中から作られたもの。


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なぜか雌牛から採取するのが得意なE普及員。平均10頭で8頭は採取してます


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尿検査紙をで調べるE普及員。左はN牧場担当、採用4年目のA普及員。何事も経験が大切です


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いくつもの成分を調べて、考察します。まだ、傾向で把握している段階です

OJTの方向性

2016.12.26

 普及指導員のスキルアップのために、普及活動でOJTを行うことは多いかと思います。
 そのOJTですが、例えば、野菜の担当者が野菜農家さんに出向いて、施肥管理や防除技術に関する普及活動を行う場合、農家さんと普及指導員の間には、野菜であったり農薬や肥料であったりと、具体的な材料が転がっていることが多いものです。

 私だけが思っていることかもしれませんが、生産技術に関しての普及指導活動では、例えば、何かの病気や土壌診断の結果で、この薬、この肥料、というように、ある程度の方向が見えることも多いでしょう。

 ところが、これが経営指導ではどうでしょうか。例えば、その農家さんの青色申告用紙が、肥料や農薬のような具体的な判断の材料になるかと言えば、少し違うように思うのです。


 経営でお悩みの農家さんが青色申告用紙を持ってきても、その青色申告の決算が、「もしかすると正確ではない」ために、「経営で悩んでいる」ことも多いのです。そういう場合は「決算書が正確でないかも」という前提から、「では、どこがおかしいのか」を、本人とやりとりして見抜かねばなりません。

 もちろん、「申告用紙、決算、正確ですか?」「どこを適当に合わせたりしましたか?」などが、すぐに聞ける間柄ならよいのですが、そうでない場合は、農家さんとのコミュニケーションで、解決の糸口、つまり、「この病気にはこの薬」に当たる部分を、こちらから探していかねばなりません。今日は、そのOJTをうまく進めるための研修会でした。


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左側、若手3人。1人は普及が初めての10年選手です


 自分の実際の事例を持ち寄って、それについて何をどうすれば良いか検討して、さらに現地でやってみる。そしてまた、数カ月後に集まって、先輩方のアドバイスなどをもらっていく。「経営の技術」というよりは「普及方法」と言えますね。

茶っぷりん

2016.12. 1

 管内に生産量は少ないですが、歴史ある「因尾(いんび)茶」があります。
 以下、ネットからの引用です、すいません。


 江戸時代の中期、毛利藩主(佐伯市)の殿様が、長崎県の出島に出向いた際、中国から入ってきた釜炒り製のお茶の話を聞き、種を買って帰った。因尾地域の気象・風土の条件が茶栽培の条件に合っていたことから、当時焼畑農業をしていた農民に植えさせたのが始まりといわれてます。

 因尾茶は、大分県の南部、佐伯市本匠の中でも奥深い因尾という地区で作られています。
 九州一の清流番匠川(ばんじょうがわ)の源流、佩盾山(はいたてさん)のふもと、標高100mから400mにある茶畑は、さながら秘境を思わせる美しさです。


 お茶の葉は紫外線に弱いため、夜に育つといわれています。夜に伸びた葉が朝方の霜で葉先が凍り、それに直射日光が当たると急激に解凍され、葉が黒くなる「霜焼け」という現象を起こしてしまいます。

 因尾地域では、地域のほぼ真ん中に番匠川が横たわっていて、朝霧が発生し、この霧が直接茶葉に日光が当たるのを防いでくれます。昔から、朝霧があるところはよいお茶ができる、といわれているのはこのためです。

 また、昼夜の寒暖の差が大きく、ゲンジボタルが生息するほど水がきれいという条件に恵まれた因尾茶は、葉の肉が厚く、ふくよかなお茶に仕上がるのです。


 で、そのお茶を使っているのが、これです。


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今年は早い訪れ・・・

2016.11.22

 寒波が忍び寄る今日この頃。
 寒さは嫌だけど、ともに訪れる渡り鳥。何となく風情があるかもしれませんが、畜産関係者は戦々恐々とするところがあります。

 先日テレビで、例年になく早い、との報道がありました。医療機関からの報告です。インフルエンザの患者さん。そうです。鳥インフルエンザの季節です。


 わが県でも防疫演習に励んでおりますが、今年の想定は連続発生でした。
 演習ではシナリオがあって順序よく進みますが、実際にはすべてが同時進行です。そこに事実確認の不徹底や情報の混乱などなど、何が起こるかわかりません。

 そうした事態を解消すべく、演習では「何を目的にやるか」をはっきりさせて取り組みます。が、多くの場合「報・連・相」に関することのようです。
(こうした仕事は、普及活動とは言えないかもですが、やっぱり農家さんのためです・・・・)


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左 :マスクをしたメンバーが、農場内に入って作業する役目です
右 :畜産関係者以外のみなさん、普段から各所属でも練習してます


3年かかった・・・

2016.11.17

 肉用牛繁殖農家さん、当然、長年にわたって牛を飼っているのですが、その感覚というか空気感というか、「親牛を飼っている」ことと「子牛を飼っている」ことが、ごちゃ混ぜになっていることが多いようです。


 生まれてから3カ月程まで、子牛の育成が重要なことはこれまでも紹介してきましたが、エサの内容であるとか温度環境などなどを主にやってきました。ところが、牛舎構造は、親牛を飼うことと子牛を飼うことがごちゃ混ぜのため、得てしてその構造が親牛に合わせていることが多いのです。

 そこで、以下の写真です。少々解りづらいですが、違いがあります。


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子牛の頭、上がりぎみでこの高さ(左)、下がりぎみでこの高さ(右)


 左の写真、子牛がエサを食べる時に、エサ箱の縁が喉につっかえてしまい、エサを気持ちよく食べることができません。水も同じです。

 この農家さんでは3~4年前から子牛の発育調査を行い、サプリを使ったりして、発育が改善されてきましたが、それでも個体差が出やすい状況でした。そこで、エサ箱の高さを下げて、子牛がエサを食べやすいようにしましょう、と言い続けてきたところです。

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