普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2014年9月

北海道
田所由理恵

営農指導員研修開催中

2014.09.30

 北海道では、「地域における営農指導機能を強化するため、農業協同組合や地域農業技術センターなどの職員に対する農業技術や経営管理に関する研修等に対して支援する」(「協同農業普及事業の実施に関する方針」より抜粋)の方針により、各農業改良普及センターにおいて地域の農協職員等を対象に営農指導員研修を実施しています。


 当普及センター管内は、広域農協(新函館農業協同組合:本店は北斗市)と地域農協が混在する地域事情もあり、渡島農業改良普及センターと合同で年4回のカリキュラムで研修を行っています。
 今年度も半年が経過し、わが檜山農業改良普及センターが担当する、前半2回の研修が終了しました。


 6月末の第1回目には開校式に続いて座学で「JA営農指導事業について」、「土壌肥料の基礎」、「土壌診断・施肥設計」の3テーマについての研修を実施。JA北海道中央会、ホクレン、普及センターの職員がそれぞれ講師を務め、研修が行われました。
 受講生である、若手JA職員(5名)は、改めて学ぶ農業の基本に少しとまどいながらも、興味深そうに耳を傾けていました。


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左 :実際の肥料袋を見ながら、記載されている内容を確認
右 :普及センター土壌診断室で、pH・ECについてと測定方法等を学ぶ


 2回目の研修は現場で作物を見ながらの研修を実施しました。
 講義の後会場をほ場に移し、水稲と畑作物の栽培管理と生育状況についての研修を行いました。


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左 :稲の状況を確認しながら、水稲の生育と今後の管理について学ぶ
右 :大豆の根張り状況と病害虫の発生を確認


 残りの2回は渡島農業改良普及センターに会場を移し、園芸作物や生産原価などについて学んだ後、10月末には閉校式を迎える予定です。


 農業者に最も近い位置にある農協等の職員が全4回の研修を通して知識と技術を向上し、普及等の関係機関と連携し、地域の営農指導機能が強化されることが期待されています。

田所由理恵

平成24年から檜山農業改良普及センター所属。25年度に高付加価値に係わる仕事に変わりました。北海道に新幹線が来るのも間近!北海道の入り口で地域農畜産物の付加価値向上に邁進します。

大分県
塩崎洋一

畜産経営者養成研修所

2014.09.26

 大分県には、畜産研修センターという、畜産経営者養成の専門研修施設があります。これは、県の試験研究施設の中に併設されており、研修生は1年間、この施設に宿泊して、研究員の指導の下で研修を積みます。

 そして、1年間の研修を終えると、自家経営を継承したり自営開始であったり、あるいは、畜産経営の企業に就職したりと、巣立っていきます。研修生は、新規学卒が多くはありますが、中には実家を継ぐのに勉強をしなくてはいけないと、畑違いの会社を辞めて入所する方もいます。


 そうした研修生のみなさん、今年は4名ですが、来春からの進路を進む中で、いろいろと現場の普及員と関わることもあるだろうとのことから、すべての出先の畜産普及員との交流研修を行った次第です。
 自己紹介に始まり、自分はどのような経営をしたい、そのためには県内のどこでやるのが良いのかなど、現実味のある意見が飛び交いました。


 また、普及員からは、ほんとにやるならこうだ、現実は厳しい、だったらこうした方が良い、ここに気をつけろ、など、親身になっての歯に衣着せぬ率直な意見が出されました。


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正面の4人が今年の研修生。まずは、県内6カ所の普及活動のようすや畜産の特色などについて説明がされました


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続いて、自分の目指す将来像を実現するため、個別にいろいろな普及員と談話しました。中には超個性的な普及員もいました

塩崎洋一

大分県南部振興局で経営全般と肉用牛の普及活動を展開中です。大分県臼杵市生まれ、九州東海大学卒。昭和63年に畜産普及員で採用されました。実家は平成6年まで肥育農家でした。

富山県
柳瀬美智代

黒根腐病とアサガオとイヌホオズキと・・・

2014.09.22

 今日は、大豆の黒根腐病の薬剤防除試験の調査をしました。
 黒根腐病は、大豆にとってガンのような病気で、これという特効薬がありません。この病気に侵されたほ場はしばらく大豆を作付しないようにしましょうと、農家に指導しています。


 A薬剤を1回散布、2回散布してどのくらいの効果が出るのか? 試験場と一緒に調査しました。
1株ずつ、葉と茎を見ながら、病気数をチェック


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調査


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病斑の確認
典型的な病斑だけではないのです。この病班も黒根腐病ですよね。確認しながら調査を進めました。


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薬害もあり
大豆の丈が短く、莢の着莢位置が低くなっています。薬剤は効果だけでなく薬害も要注意です。


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アサガオの郡生


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土手沿いに群生するアサガオ
アサガオの種は用水、川を流れて土手ぞいにはびこってくるのだと思います。ススキがアサガオにからまれて、かわいそうでした。


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イヌホオズキはどこにでも生える
ハウス内でポット稲を栽培しています。除草剤も散布して、更地にしてあったのに、大きなイヌホオズキがいつのまにか・・・。どこにでも生えてくるすさまじい生命力にびっくりです。


 大豆の天敵、黒根腐病とアサガオとイヌホオズキ・・・。受難の時代です。
 かつては大豆の単収全国1位を誇った富山県。どうすれば、天敵から大豆を守れるのか、生産拡大できるのか、悩ましい問題です。

柳瀬美智代

富山県高岡農林振興センターで、地域担当しています。地域担当の役割は主穀作(水稲、大麦、大豆)の技術改善や集落営農等の組織化など、地域全体のコーディネートです。

大分県
塩崎洋一

簿記実務研修会で早めの申告作業開始を啓発

2014.09.16

 「雪山の寒苦鳥」という仏教説話があります。雪山とはヒマラヤみたいな山ですが、夏の暑い時期には努力せず巣を作らず、冬の寒さに凍える鳥の話です。
 アリとキリギリスの話のようなものですが、夏に遊びほうけるキリギリスの姿を、コツコツと働くアリと比較して...のものとは違います。鳥がひとりで寒さに震える、それを結局は繰り返す、というもの。


 お察しのとおり、毎年、節分の頃から、遅い人はひな祭りのころから、バタバタとし始めます。確かに普段からおつきあいのある農家さんですから、「手伝ってください」と言われたら無視はできません。が、やはり、数件の農家さんから問い合わせが重なり、時としてこれに振り回されて、他の普及活動が停滞することもあります。毎年こうした場面が繰り返されるのです。


 そこで、今年は、せめて数カ月前から声かけをして、早めの作業開始を啓発しようとなりました。各部門ごとに声かけして、参加できる方だけでも進めていきましょう、ということです。会場は、いつもは事務所ですが、ある部門では現地の集会所で行う、ある部門は複数の場所で行うなど、集まりやすくする工夫もしています。
 また、大分県では広域普及員が配置されていますが、経営部門に関しても広域さんがいますので、この日は手伝っていただきました。


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経営広域のプチ講義です。「あなただけに、特別なお話・・・」みたいな雰囲気です


 多くの参加には至りませんが、その実は、こうした研修会を通じて、本当にやる気のある農家さんを1人でも引っぱり上げるのです。いわゆる手あげ方式の一環です。そして、さまざまなやりとりを重ねていき、普及活動の重点的な顧客育成を進めていくのです。

塩崎洋一

大分県南部振興局で経営全般と肉用牛の普及活動を展開中です。大分県臼杵市生まれ、九州東海大学卒。昭和63年に畜産普及員で採用されました。実家は平成6年まで肥育農家でした。

blog_hukyu_kasahara_f.jpg 青森県
笠原 均

夏のレタスは、夜明けにて(連載第2回)

2014.09. 8

【前回までのあらすじ】 ▼前回ブログはこちら


 「どうしても、夏場のレタス収穫を写真に収めたい!」

 そう思った普及指導員の私は、有限会社サニタスガーデンの代表、山田広治さんの協力を得て、青森県八甲田山の標高750mにある開拓地、沖揚平地区のレタス収穫風景の撮影にこぎつけました。山田さんと、約束した時間は、なんと夜明け前の午前4時。
 暗闇の中、なんとかレタス畑にたどり着いたものの・・・


【夏でも高原は寒い
 夏でも標高750mのレタス畑は、肌寒いです。普段着の上にジャンパーをはおってきて正解でした。
 重いカメラと三脚をかつぎながら、私は、良い撮影ポイントを探そうと畝間を歩きまわり、腰を落としては、ベストアングルを探します。畑に入ってまだ5分も経っていないのに、すでにズボンはぬれて、まるで水たまりにしゃがみ込んだようで、とても冷たいです。
 生産者のみなさんが、星が降るような晴天に、雨合羽を着ているのがよーくわかります。

 
 さて、気を取り直し、まずは風景を一枚。
私を案内してくれた山田さんのトラクターです。


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朝焼けをバックに、サニタスガーデンのトラクター。でかい!


 続いて、ヘッドライトの光を頼りに収穫するサニタスガーデンのみなさん。
 私の知っている昼間の畑は、誰も居ない静かな畑ですが、収穫作業中は、こんな感じ。10人近くの方が作業してました。


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【来てみて感じたこと】
 レタスの収穫作業って、かなり体系化されているんですね。とても効率的に作業が進んで見えます。


 まず、収穫を担当する人達が、レタス畝に向かって横数列に並ぶと、まっすぐ畝間に入っていき、スカスカとレタスを地面から切り離しています。
 その後ろには、レタス箱を準備する人、箱詰めする人、芯が渇かないように霧吹きで水をかける人が控えていて、次々と出荷用のダンボールが畑を埋めていきます。その光景は、まるで工場の生産ラインのようにも見えますし、一つの大きな生き物が、レタス畑の上で食事をしているようにも見えました。


 途中、レタスを生まれたての赤子のように抱き上げるシーンが見られました。
「おっ! これぞ、シャッターチャンス!」
とばかりに、その人に近づくと、
「あ! ダメダメ! 私、化粧してないの~。」
とのこと。あぁ、女性でしたか! それではということで、シルエットで撮影しました。


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 さぁ、夜明けです。
八甲田山から、朝日が差し込んできました。気がつけば、出荷を待つ、たくさんのレタスの箱が、畑の此処(ここ)彼処(かしこ)に見られます。


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【幸せを感じる瞬間】
 最初に書いてますが、私は大の野菜好き・・・特にレタスが好きです。もちろんレストランや自宅で食べるレタスもおいしいのですが、やっぱり、鮮度に一番をつけるなら、収穫直後のものに軍配が上がるでしょう!


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 外葉は、まだ葉露でびっしょり。外葉を外せば、滴(しずく)がキラキラと宝石のように飛び散ります。さらに、レタスを一口サイズにちぎってかめば、バリッ、シャキッと音がした後、さわやかなレタスの香りと、ほのかな苦みが口の中に広がります。

 世の中には、お金を出せば手に入る、たくさんの「贅沢」がありますが、夏の夜明けに畑で食べるレタスの味は、まさに格別! 贅沢そのものでした。


 ささやかな贅沢を楽しませてくれたサニタスガーデンのみなさまに感謝を込めて、ブログにて、報告させていただきました。

「ごちそうさまでした。」m(_"_)m

笠原 均

青森県の普及指導員です。桜で有名な弘前城のある中南地域に、4年前から勤務しています。もともと埼玉の出身ですが、20年ほど前、青森の人と風土に惚れ込んで、ここに住み着いてしまいました。ちなみに担当しているのは、青森の花きの振興と、担い手農家の支援です。

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