普及指導員が現場で活躍する日々をレポート
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◆2014年5月

blog_hukyu_kasahara_f.jpg 青森県
笠原 均

北国でも暑さ対策してるのです(その1)

2014.05.29

 全国の皆さん! 青森県の夏は涼しいと思っていませんか?


 夏の暑さで有名な埼玉県熊谷市近くで生まれ育った私は、初めて青森で過ごした夏の宵の口、電車の中で体をガタガタと震わせていました。
 あんまり寒いので駅員さんに「スミマセン! もう少しエアコン・・・弱くできませんか?」というと、ものすごく驚いた顔をしてました。なんと、この電車、エアコンが付いていなかったのです! 私もたまげました。


 時は流れ、私が青森に移り住んで四半世紀、地球温暖化は青森県も例外ではなく、夏は確実に暑くなり、私が担当している花農家さんと、本気で夏場の高温対策に乗り出さなくてはならなくなりました。


 要は、夏の暑さで地面から花芽を出さなくなったアルストロメリアという花に、地面からどうにか「顔」を出してもらい、「お金」になってもらう必要があるのです。


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左 :咲き誇るアルストロメリア / 右 :高温だと花芽が減って・・・


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葉っぱだけ(葉芽)になります


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なんか花が少ない・・・


 と、なると当然、地中冷却の定番、農業用チラー(電気の力で冷却する装置)が頭に浮かぶのですが、チラーの効果はとても高いもののお値段もそれなりに高いので、農家さんに、
「ちょっと、お試しに入れてみません?」
と勧めてみても、そう簡単には受け入れてくれそうにありません。


 そこで、目を付けたのが井戸水です。私が担当している地域は、地下水の水質が比較的よく、これまでも農業用水として使われてきました。夏の暑い中で井戸水の水温を測ってみても、12℃と、かなり冷たい。


 これは、

「いける!」

と、思い数名の農家さんに、
「畝の中さ、井戸水のしゃっこい水とば流して地温を下げたいんだばって、どうだべ?」
(注釈:畝の中に井戸水の冷たい水を流して地温を下げたいのだけど、いかがですか?)

と聞いてみると、みんなが揃って


「井戸水だば、ひと月ずっぱと(ずっと)使っても、(10aで)1万円もかからねーべさ」


という話になり、ポンプの能力と、代表的な農家さんの契約電気料で、電卓をはじいてみると、なかなか農家の皆さんに受け入れてもらえそうなお値段です。


 「よし、塩ビパイプの継ぎ手でポンプの吐水口を分岐して、ゲートバルブ(という蛇口)で、かん水用と冷却用に分ければいいんだ!」


kasahara_4_5.jpg  kasahara_4_6.jpg
農家さんが使っているポンプ(左)に・・・こんな分岐を付けてみる感じ(右)
 

 と、ポンプを分岐して、畝にパイプをつなぐまでのお値段を調べてみると、これまた、農家さんが受け入れてくれそうなお値段!


 ウキウキしながら、家庭用に使っている散水用合成ビニールホースのお値段を一般的なアルストロメリア農家の施設、75坪、3畝に2本ずつ入れることを想定して計算すると、またまた、「お手頃!」。
 農家さんが示していた75坪ハウスの予算範囲(3万円)にどうやら収まりそうです。
「これはいい!」と、さっそく、試験をしてくれそうな農家さんに話してみました。
 すると、


「普及員さん、そりゃあ、まねや~(ダメだよ)」
と、予想外にも険しい顔をされることになるのです。


えっ!いったい何がいけないの?Σ(゚д゚;) ヌオォ!?


ということで、次回に続きます。


【お断り】
 このブログは、ノンフィクションですが、普及指導員である私の私見に基づいて書かれています。
 技術導入に当たっては、各県の試験研究機関や普及指導機関が実施している内容に基づいて行われることをお勧めします。各県によって、気象条件、価格等、かなり変動があると思いますのでご注意を!

笠原 均

青森県の普及指導員です。桜で有名な弘前城のある中南地域に、4年前から勤務しています。もともと埼玉の出身ですが、20年ほど前、青森の人と風土に惚れ込んで、ここに住み着いてしまいました。ちなみに担当しているのは、青森の花きの振興と、担い手農家の支援です。

大分県
塩崎洋一

法人化研修会

2014.05.28

 農業経営を法人化する、というと個人経営がそのまま法人化するイメージがある一方、集落営農が法人化するという形があります。
 いずれにしても、法人化は経営展開のひとつの手法でしかないと思いますが、中には法人化がゴールになっているような空気感も見られます。

 行政の施策が背景にあると、どうしてもそのために進めるという空気感は否定できないことがありますが、きちんと営農のシステムができあがっていれば、何ら問題はないかと思います。
 また、法人化のメリット・デメリットはよく議論されますが、法人化しようとする経営体や集団において、要は何をもって経営の核とし、何によって経営のゴーイングコンサーンを確立していくか、この認識が構成員に共有されていれば、メリットもデメリットも柔軟に捉えることが可能であると考えられます。


 今回の研修会は集落営農の法人化がテーマでした。
 さまざまな集落の条件が異なる中、優良事例の報告の中から、自分たちの状況に対してしっかりと役立つものを吸い上げて、次の経営展開に進んで欲しいと思う次第です。


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いよいよ始まります。司会は普及の先輩が協力してくれました。超ベテランです


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薄暗いスライドショーでも、バシッと聞いています

塩崎洋一

大分県豊肥振興局で経営全般の普及活動を展開中です。大分県臼杵市生まれ、九州東海大学卒。昭和63年に畜産普及員で採用されました。実家は平成6年まで肥育農家でした。

富山県
柳瀬美智代

大豆、300kgどりプロジェクト

2014.05.26

 富山県では、5月下旬から大豆の播種作業が始まります。大豆は転作作物の基幹作物に位置づけられていますが、収量の伸び悩みで、栽培面積が減少傾向にあります。
 大豆がたくさんとれれば、農家の生産意欲も上がります。収量300kgどりをめざした取り組みの一つで、深層施肥作業を行いました。


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深層施肥の内容について、説明するクボタ担当者
深層施肥で、生育後期に窒素補給。粒重が大きくなり、しわ粒の防止につながります。


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複数の作業が一度にできる播種機
従来の施肥の前に、深層施肥の施肥管があります。これで深さ20cmに肥料を入れます。国の生研センターと新潟大学、メーカーの共同開発です。


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機械の調整
播種床をかまぼこ型にするための調整作業。深層施肥管を横にずらすことで、播種床が谷底状であったものを、かまぼこ型にしました。


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播種状況
調整後、播種床が半分だけ、かまぼこ状に改善されていました。


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休日にも関わらず、仕事に打ち込む
F課長です。今日は土曜日で休みにも関わらず、この実演会を見に来ました。自宅から遠いのですが・・・農業に対する熱い意欲を感じました。私も、勉強になりました。


 富山県でこの機械を使えるのは今日1日だけです。新しい技術を農家と私たちに見せてくださったクボタのみなさん、ありがとうございます。
 国と大学とメーカーと普及指導員と・・・連携した取り組みで大豆栽培を後押ししたいと感じました。

柳瀬美智代

富山県高岡農林振興センターで、地域担当しています。地域担当の役割は主穀作(水稲、大麦、大豆)の技術改善や集落営農等の組織化など、地域全体のコーディネートです。

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