提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


耕作不能の強湿田を農地に! パート3(静岡県焼津市)

2012年12月17日

 静岡県の耕作放棄地面積は、都道府県別でワースト9位の12,494ha(平成22年)、浜名湖の面積の2倍に相当する。県では平成25年までに、2,000haを解消する目標を立てている。
 焼津市藤守地区では、藤守地区耕作放棄地解消基盤整備事業推進協議会(会長:八木榮志氏)の依頼により昨年、クボタeプロジェクトを活用して、4.4haのうち2.1haの耕作放棄地の再生が行われた。このたび、12月4日から6日にかけて、残る2.3haの再生作業が行われた。


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耕作不能の強湿田を農地に!パート2


  
排水が悪い水田の放棄地で、ヨシが繁茂


草刈作業
 今回の圃場もヨシが繁茂する強湿田の中での作業。セミクローラ型トラクタが土に沈み込み、作業が中断。もう一台のトラクタに引き上げてもらうなど、なかなか思うように進まない状況だ。前回同様に不法投棄物も多く見られ、地元の協議会構成員、市、県関係者による収集、仕分け作業が行われた。前回作業時には、家電や古タイヤなどを含む5tもの投棄物を回収したという。耕作放棄地は、不法投棄の温床となっている。


  
  
トラクタが隠れるほどに伸びたヨシが茂る湿田での困難な作業


  
不法投棄物の仕分け。寒風の中、ひとつひとつ確認しながらの作業


  
再生作業に関する看板が設置される


実演研修会
 12月5日午後には実演研修会が開催され、県、市町村の耕作放棄地対策関係者、農業団体、地元農家など約50名が参加し、再生作業を見守った。


  
左 :藤守地区耕作放棄地解消基盤整備事業推進協議会 八木会長
右 :(株)関東甲信クボタ 神田部長


  
左 :研修会に集まった参加者  / 右 :作業機の説明を受ける

 
  
左 :湿田での作業  / 右 :作業を見守る参加者


「今回の農地は、126筆に30人の地権者がおり、再生に当たっては、一人一人訪ねて作業の了承を得た。みな、気持ちよく了承してくれた。ようやく農地として元の姿に戻してもらった。ここからがスタートだ」(藤守地区耕作放棄地解消基盤整備事業推進協議会 八木会長)

「今回初めて現地を訪れたが、思っていたよりも広い面積と、強湿田の状況での大変な作業となった。クボタeプロジェクトの活動の中の大きな柱が、この耕作放棄地の再生作業。農業の活性化に少しでも役立てればと考えている」(関東甲信クボタ 神田氏)


「今回の圃場は行政、地権者、協議会、クボタの連携で作業を行っている。今年が2年目で、来年には農地が完成し、一部で作付けを開始する。草の根活動が大きく実を結び、美田に生まれ変わる結果になれば喜ばしい」(静岡県農林業局技監 橋爪氏)


 静岡県農業振興課課長補佐の太田氏からは静岡県の耕作放棄地再生の取組状況説明、また、焼津市農政課農業振興担当の増田氏からは藤守地区の取組の紹介があった。


 昨年再生された農地では、現在客土作業が行われている。この後、排水対策などの基盤整備(国および県の耕作放棄地対策事業による)を経て、来年には待望の作付けがおこなわれる。地力を見ながら2、3年ほど飼料用米や加工用米をつくり、その後、食用米や酒米に切り替えていく計画である。今回の農地再生が起爆剤となって、県内の放棄地の解消が加速されることを期待したい。(みんなの農業広場事務局)


  
昨年再生された農地の客土作業