提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


中山間地の棚田を再生し、特産品づくりで地域活性化をめざす(新潟県上越市)

2012年08月10日

 新潟県上越市牧区宇津俣地区は、上越市の中心から車で1時間あまりの中山間地にある。かつて100ha規模の棚田で稲作が行われていたが、耕作放棄が進み、棚田の半分以上が手つかずになってきた。故郷の荒れ様に心を痛めた人たちが、上越市牧区宇津俣地区棚田再生協議会(以下、協議会)を結成。クボタeプロジェクトの力を借りて農地を再生し、特産品づくりで地域を元気にしたいと、地域活性化のため、取り組みを始めた。


  
左 :全景
右 :作業前の様子(みんな集合!)


 平成24年8月6日、10時からの支援作業開始式に、関係者約50名が現地に集合した。
 はじめに棚田再生協議会の佐藤健一代表((農)雪太郎の郷(※1)代表理事)が、「減反をきっかけに耕作放棄地が増え、せめて優良農地とその周辺を活用したいと思っていたところ、クボタeプロジェクトによる協力に恵まれ、大変に感謝している。もともと用水が豊かなところであり、まずは特産の雪太郎ダイコンと、土地に合う作物を作っていきたい。自然の豊かさを観光にもつなげて、地域の元気を取り戻していければと思っている」とあいさつ。協議会の活動を支援する地域の組織(※2)からは、上越市の川上農林水産部長、県上越農業普及指導センターの瀬高所長、JAえちご上越の飯田営農部長がそれぞれ、クボタeプロジェクトの支援への感謝と地域再生への期待を述べた。

※1 (農)雪太郎の郷が核となり、地域活性化に努めている
※2 上越市、上越市農業委員会、新潟県東農林事務所、牧区農業振興公社、(株)新潟クボタ、クボタアグリサービス(株)新潟事務所


  
左 :あいさつする佐藤健一代表
右 :上越市の川上農林水産部長


  
左 :県上越農業普及指導センターの瀬高所長
右 :JAえちご上越の飯田営農部長


 支援するクボタeプロジェクトを代表して、(株)新潟クボタの小林常務があいさつを行い、作業手順と作業機械の紹介の後、再生作業が始められた。


  
左 :(株)新潟クボタの小林常務
右 :作業手順と作業機械の紹介


 はじめに、モアを付けたパワクロで、ヨシを刈っていく(立木や切株の撤去には、地元の吉田重機(株)が協力)。人の背丈を超える草むらが倒され、あっという間に元の圃場が姿を現した。続いてスタブルカルチで荒起こしした後、バーチカルハローで耕耘整地が行われ、農地が再生された。段々畑ゆえ法面が多く、各種の草刈機が力を発揮した。


  
モアによるヨシ刈り


  
左 :立木の撤去
右 :スタブルカルチで荒起こし


  
バーチカルハローで耕耘整地


  
法面の草刈り


 早々と再生された畑で、早速種まきが行われた。肥料散布のあと、ソバとナタネの種を混ぜて背負い動噴で散播。


  
左 :ソバとナタネの種
右 :協議会会長自らが種まき


  
左 :7月に(農)雪太郎の郷が雇用したばかりの新規就農者が施肥作業
右 :播種後に鎮圧。10月下旬にソバを収穫し、来年春の雪融け後はナタネの花が咲くという


  
再生前(左)と再生途中(右)のようす


  
左 :作業に感心する人々
右 :再生後の農地


 再生される農地では雪太郎ダイコンを作るほか、1年目はソバを栽培する。2年目以降は土の状態をみながら、ウド、ワラビ、ウルイ等の山菜を作る計画だ。雪太郎ダイコンは地区の特産品で、今までにダイコンジャムやダイコン餃子などの加工品が生み出され、評判を呼んでいる。これに続く加工品、特産品を作っていきたい、と佐藤協議会長。
 クボタeプロジェクトでは25年度までの2年間に2.5haを再生し、地域の活性化をお手伝いしていく。(みんなの農業広場事務局)