提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


「藤山梨」を復活! 藤山をフルーツ狩りの里に(福岡県久留米市)

2010年01月13日

 福岡県久留米市藤山町は、古くから梨が栽培されてきたところである。「藤山梨」の名で明治時代初期から全国に出荷され、大正時代には、中国へも輸出されていた。しかし近年、後継者不足と梨の価格低迷によって作り手が減少し、耕作放棄地が増えている。


  
再生前の放棄地のようす


 そこで、藤山町のなし生産農家を中心に「藤山農地再生援農隊」を結成し、農地再生とともに、「藤山梨」を地元でPRする活動をはじめた。2008年には、藤山の美しい景観を市民に知ってもらうため、なしの花見会及び収穫祭「ほとめきのお花実会」(※1)を開催。好評につき、昨2009年にも花見会と収穫祭を開き、約1900人が来場した。


 今年は藤山梨栽培100周年記念イベントが計画されているが、会場(梨園)に隣接した農地及びその周辺には、耕作放棄の状態になっているところがある。そこで、クボタeプロジェクトで、梨園と周辺の耕作放棄地の解消をはかることになった。(※2)


 耕作放棄地再生の経過は、以下のとおり。
 8月 1日 古木の伐採と抜根(久留米市の農業サポーター)
 8月11日 バーチカルハローで整地作業(クボタeプロジェクト)
10月31日 堆肥散布(地元)
11月 6日 大きな石を除きつつ、パワクロによる耕うん・整地作業(クボタeプロジェクト)


  
左 :古木の伐採、抜根の後に、建機で土の反転を行った
右 :バーチカルハローによる整地作業


  
バーチカルハローによる整地作業


  
ロータリによる耕うん、整地作業


  
景観作物が植え付けられた


 今回復元された放棄地には、桃といちじくの木が植えられた。
もともと藤山地区の果樹は「藤山梨」のみであるが、将来的にはいろいろな果樹を植え、通年で花見会や収穫祭を行うことで久留米市民憩いの場にしようという構想がある。おれが「フルーツ狩りの里」で、四季折々にイベントを行って、地域の良さを見直そうというものだ。合わせて、周辺の幹線道路沿いの耕作放棄地も再生し、景観作物を植えて、訪れる市民の目を楽しませようという計画もある。


 今後は、藤山農地再生援農隊が中心となり、久留米市農業振興協議会遊休農地対策プロジェクトとともに、耕作放棄地再生と、再生地を活用したイベント等によって地域の活性化をはかっていく。(みんなの農業広場事務局)


※1 「ほとめき」は、久留米の方言で「おもてなし」の意。
※2 藤山地区の梨園「藤山梨団地」では、高齢化等で手入れが困難となって耕作放棄地になるところだった梨園に、「農業サポーター」と呼ばれる久留米市の農業ボランティアが入り、代わりに栽培を行うという実績がある。地域を自分たちで守るという動きが始まっている。