提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


再生農地で特産品を作る!(熊本県天草市)

2009年12月04日

 熊本県下で最も耕作放棄地率の高い天草地方で、クボタeプロジェクトによる再生作業と特産品作りがスタートした。

 天草市金焼地区にある水田(湿田)に客土したままの状態で、耕作されていなかった60a(30a×2)の再生作業を、中九州クボタのスタッフが中心となり実施した。

 圃場管理と運営はNPO法人「グリーンライフあまくさ」が担っており、過去にナタネなどを栽培してみたものの、地表面排水の不備で満足な収量を得るにいたっていない。


 11月9日、中九州クボタから3台のトラクター(うちパワクロ2台)、小型ユンボ、草刈カルモ、管理機、アタッチメント(フレールモア、溝掘機、パワーディスク、バーチカルハロー)を持ち込み、再生作業を開始した。

 まず、圃場内はトラクター装着のフレールモアで、畦畔はカルモでそれぞれ除草した。次に、山土を客土した圃場には石が混ざり、通常のロータリー耕では支障が大きいため、パワーディスクで反転耕を行った。


  
左 :フレールモアによる除草作業 / 右 :溝掘機による圃場周囲作溝作業


  
パワーディスクによる反転耕


 その後、パワクロに装着したバーチカルハローで均平し、さらに、パワーディスク耕とバーチカルハロー作業を繰り返し、作土深と透水性、均平化確保を図った。また、パワクロにつけた溝掘機で、圃場周囲の排水対策も行った。
 客土時に作業道となった圃場の一部には、大きな石が埋まっていたため、ユンボで除去。丸一日の作業で見違えるような圃場に再生された。


  
パワクロ装着バーチカルハローによる均平耕


  
左 :ユンボで石の除去 / 右 :石ころは皆で圃場外へ持ち出し


  
左 :折からの降雨下であったが小型管理機で排水溝と畦立作業
右 :荒地が見事に畑地に蘇り麦を播く準備も完了


 今後は、NPO法人「グリーンライフあまくさ」が中心となり、再生された圃場に小麦を作付けし、手作りのパン原料として利用する予定である。

 当法人が受け皿となった「就農支援事業」で全国から募集した受講者15名が、麦の播種にチャレンジする。パンに適した「ミナミノコムギ」播種後、中耕・培土作業はクボタの小型管理機で、収穫は同コンバインで行われる。


 小麦収穫後は、クボタの機械化一貫作業体系の下、「エゴマ」を栽培、セル成型苗に育苗された「エゴマ」を野菜移植機で定植、小型管理機で中耕・培土、普通型コンバインで収穫する予定だ。

 「エゴマ」は近年の健康・安心・本物を求める消費者志向の高まりの中、地域資源活用や伝統食材として、各地域で静かながら確実な動きがみられており、地域の特産品に、という期待が高い。グリーンライフあまくさでは、汎用性の高い「エゴマ」に注目し、抽出油のみならず、葉の活用も検討している。


 耕作放棄地の再生利用からスタートしたクボタeプロジェクトが、遊休農地の再生と利活用のきっかけづくり、新たな地域資源(食材)の開発と産地づくり、地域活性化の起爆剤となり、また「夢農業」の階(きざはし)となるよう、NPO法人グリーンライフあまくさや地域の熱い期待を感じた。(みんなの農業広場事務局)