提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


廃ブドウ園の再生で地域活性化をはかる(山形県川西町)

2009年11月27日

山形県東置賜郡川西町の雁鏡ぶどう団地は、昭和47年に山林を開墾、48年から約10haでぶどう生産を開始した。近年、高齢化・後継者不足などから廃園する組合員が増え、現在は残った6戸でぶどう生産を行うほか、耕作放棄された園地の一部を活用して“たらの芽”栽培を行い、栽培キット「たら坊くん」の宅配や、直売所で果実・野菜などの販売などを行っている。

たらの木は、4~5年ごとに新たな農地に改植・更新する必要があるため、今回、クボタeプロジェクトの支援を得て廃ぶどう園を再生し、たらの木の更新の他、花、そばなどを栽培して地域の活性化に役立てることとした。


  
左 :再生前:約10年放棄された傾斜地の廃ぶどう園。ぶどうの木の根の他、ススキやセイタカアワダチソウが繁茂している
右 :草の中に、ぶどう棚用の地中でコンクリートブロックに固定されたアンカーボルトが。その他様々な障害物が無数に散乱


  
左 :放置された太く長いワイヤー
右 :障害物の除去方法につき事前に地元関係者と入念な話合い


耕作放棄地再生の取り組み経過

21年10月27~31日 
地元関係機関・農園組合員・建設業者とクボタの共同作業で、ぶどう棚の残渣物(アンカーボルト、ワイヤー、各種針金類、支柱用パイプ類、礎石ブロック、廃プラスチックフィルムなど)の除去、ぶどうの根・雑木の抜根・処理、雑草の刈取りなど


21年11月3日 
雑草の剥ぎ取り(スタブルカルチ耕)


21年11月4日 
農園組合員・建設業者とクボタの共同作業による、雑草や障害物の除去、耕起(プラウ耕)
午後には山形県主催の耕作放棄地再生作業見学会が開催され、県及び周辺市町村の関係者、農業委員、地元農家など約20名が参加

  
左 :10月27日から障害物除去作業を開始。共同作業参加者が顔合わせ
右 :深い草の中からアンカーボルトを探し、目印の竹を挿していく。地元農家が位置を推定


  
左 :歩行型草刈機で建機作業用の道付けを試みるが、すぐに針金が巻き付いて、度々作業が中断
右 :針金の除去作業と平行してサイドカッターで雑草を高刈り。しばしば隠れた針金が刃に巻き付き、難渋


  
左 :11月4日、障害物除去を完了し、耕起作業を実施。急傾斜のため、上方から下へと一方向の耕起作業
右 :11月4日午後、耕作放棄地再生作業見学会。大型機械の力に驚きの声 


  
左 :大型機械によるプラウ耕 / 右 :廃ぶどう園が農地に蘇った 


地域の関係者からは、

「今回初めて再生の実作業を見せてもらった。大型機械でないと本格的な再生が難しいことがよく分かり、勉強になった。今後に活かしていきたい。」

「後継者不足や価格低迷で耕作放棄地が拡大し、どうにも手のつけようがない状態。自分たちの小型機械ではどうにもならないと半ばあきらめていた農家に光を当て、勇気を与える支援である。耕作放棄地の再生・利用に今後も取組む上で、よい勉強になった。」  

「遊休ぶどう園が病害虫の巣にならないよう始めた、たらの芽栽培が更新時期に来て困っていたところだった。再生の目途が立ってありがたい。大型機械の作業を初めて見たが、パワクロの威力には目を見張った。」

など、支援活動に対する感謝と、耕作放棄地再生作業での大型機械の重要性を認識したとの声が多く聞かれた。 


今年の支援は、プラウ耕まで。雑草の根を雪に晒して枯らし、来年5月に砕土・整地を行った上で雁鏡農園に引渡す予定。再生後の農地では、そばの栽培で雑草対策を行った後、たらの木、花木などの栽培が行われる予定だ。(みんなの農業広場事務局)