提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


マコモタケ(マコモ)

2008年10月07日

マコモの特徴

「由来と特徴」 
マコモ ●「マコモ」は、日本をはじめ中国の東部から東南アジアに広く分布しているイネ科の多年草で、沼や川に群生するヨシやガマと同じ抽水植物※1です。 
●古くから日本に自生しているものは、食用には適しません。
●食用の栽培種として、中国などから導入し改良された系統が栽培されています。
●この系統は、茎の中の花芽に黒穂菌が寄生し、根元の部分が筍状に肥大して、「マコモタケ」になります。
写真 :マコモ

※1 抽水植物:根が水底の土中にあり、茎や葉が水面から植えに伸びている水生植物

「利用法」 
●「マコモタケ」の食感は、タケノコに似たふくらみを持ち、乳白色の茎は柔らかく、その淡白な味はどんな料理にも合います。
●主として中華食材として利用されてきましたが、現在では和食やイタリアン、フランス料理などの食材としても利用されています。

苗の入手方法

●初めてマコモを導入する場合には、栽培地から前年収穫株を譲り受けます。または、種苗店で入手することもできます。

栽培

「圃場の準備」 
定植前 ●栽培圃場は、基本的には水稲と同様に耕起、施肥、代掻きを行います。
●できれば水管理が容易にできる圃場が望ましく、秋(収穫期)まで水が確保できる圃場ならば最適です。
●栽培種のマコモは、比較的暖かい地域の植物です。水温が低い用水の場合には、回し水をするなどして、できるだけ適水温(生育期15℃以上、分けつ期20℃以上)を保つようにします。
●水稲と同様に施肥を行います。
●マコモは多肥に強く、分けつ数の確保が収量アップにつながることから、事前に堆肥を投入するなどして地力を高めるようにします。
写真 :定植前

「苗の準備」 
●苗は、親株(前年の収穫株が萌芽したもの)を鎌などで縦に分割(分割し難い場合は芽を潰さないように鎌で割る)する方法と、昨年の株元から伸びたわき芽を一旦掘取り、仮植して育苗する、2通りのやり方があります。
●伸びた葉は、定植後の蒸散を押さえるため、30cm程度にカットします。
●苗の必要量は、10a当たり700~1000株程度です。

「定植」 
マコモ植えの様子 ●定植時期は、4月下旬から5月下旬(水がない場合は導水後できるだけ速やかに)の範囲で2回程度に分けて行い、収穫期間を延ばすように工夫します。
●株間は100cm、条間(畝間)は150cmとします。
●古芽付きの萌芽茎2~3本を1苗として、倒状しないよう10cm程度の深さに植えます。
●あまりに栽植密度を上げると、収穫時の作業性が悪くなります。
写真 :マコモ植えの様子

「定植後の管理」 
●苗が活着するまで(数日程度)は浅水とし、その後は深水管理に努めます。
●深水状態を保つことは、雑草を抑えることにつながります。
●除草のための登録農薬はありません。 
●水稲と同じように、米糠や大豆かすを利用した除草方法も有効です。 
●マコモの植え付け3日後ぐらいに、圃場全面に100kg/10aの米糠、または大豆かすを2割混ぜたものを散布すると、初期の雑草が抑えられます。ただし、砂質土壌では効果が劣る場合があります。

活着後生育期 
写真 左:活着後 / 右:生育期(必要に応じて除草作業を行う)
 
「防除」 
●病気の発生は少なく、主にニカメイガの防除が主体となります。
●5月下旬~6月上旬に、必要に応じてパダン粒剤4を株元に散布します。使用時期が限られる(収穫前75日)ので注意します。
●散布量は10a当たり4kg、散布後は浅水で4~5日は溜めるのが望ましく、また、使用にあたっては魚毒性に注意します。

 

  「収穫」 
●収穫時期は、暖地では早生系で9月上旬からはじまり、中山間地域での中生系の遅い作型でも11月下旬までとなります。
●水を早く切ると、収穫時期をやや早めることができますが、収穫期間が短くなります。
●収穫時期まで水を張った状態でかまいませんが、作業性を考えて、落水するのが一般的です。
●圃場が乾き過ぎると品質が低下するので、必要に応じて走り水をします。
●茎の株元が太り、収穫適期になったものから、順次収穫します。
●収穫は2~3日ごとにおこないます。
●収穫が遅れると、外皮が緑化し、黒穂菌が茸の内部を斑点状に黒色変化させ、商品価値を下げるので、注意します。
収穫適期のマコモ 
写真 :収穫適期のマコモ
 
「調製」 
●外葉を剥がし、中心部の白い部分が見えるようにします。
●ニカメイチュウの食害に注意します。ニカメイチュウは根本から侵入します。
●長さ20cm程度に切りそろえます。
●外葉を1枚つけた状態で調製する場合もあります。
●数量がまとまらない場合には、冷蔵庫で保管します。根側を上にしたほうが鮮度を保ちやすいようです。
収穫したマコモ マコモの直売
写真 左:収穫したマコモ / 右 :マコモの直売

マコモの栽培歴
 
 

執筆者 
西嶋政和
三重県中央農業改良普及センター

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