提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


畜産

稲発酵粗飼料(WCS)を肉牛に与えると、「肉の退色が改善される」と聞きましたが、本当ですか。

ビタミンEには、「脂質の酸化や肉色の退色を抑える」効果が認められています。一方、稲発酵粗飼料は、ビタミンEを70~80mg/kgと、比較的豊富に含んでいるといわれています。

 実際に稲発酵粗飼料を給与された牛は、血液中や肝臓中のビタミンE含量が高いという結果がでています。

 東北農業研究センターの篠田氏(現在、北海道農業研究センター)は、稲発酵粗飼料を与えると肉中のビタミンE濃度が高くなることを、初めて明らかにしました。
 黒毛和種去勢牛の肥育後期に、8~9カ月間稲発酵粗飼料を給与すると肝臓中および牛肉(半腱様

筋)中のビタミンE(最もその効果が大きい、α-トコフェノールとして)値が高くなりました(表参照)。その際の稲発酵粗飼料の給与量は、原物で1日当たり約7kgでした。

 「脂質の酸化を抑える」効果については、稲発酵粗飼料を給与した牛肉の13日目の脂質の酸化を示すTBARS値(脂質酸化値)が明らかに小さくなりました(図参照)。

 肉色の退色や脂質の酸化を抑える効果が明らかになるのは、1kgの肉で約3.5mg以上、半腱様筋では3.6mg以上とされています。そのために必要な稲発酵粗飼料の量はなど、給与量との関係は今後の検討課題です。

 なお、稲発酵粗飼料に含まれるビタミンEは、1)イネの熟期が進むにつれて少しずつ低下しますが、それでも稲わらの11~19倍の含量があること、2)予乾による低下は少なく、サイレージ保存中も低下はしますが、高い含量を維持する、ことが明らかになりました。