提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


畜産

豚にお米を与えると肉が軟らかくなり、商品価値が上がると聞きましたが、本当でしょうか。

 豚の飼料に玄米を利用することは、余剰米の有効活用のために重要な課題です。そのため、以前から給与試験がおこなわれています。ここでは、玄米給与と豚脂肪の関係について紹介します。

豚の脂肪の硬さや軟らかさは、主に含まれる脂肪酸によります。一般にはパルミチン酸などの飽和脂肪酸やオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸が多いほど硬くなり、リノール酸などの多価不飽和脂肪酸が多いほど軟らかくなると言われています。

 トウモモロコシの一部を玄米に置き換えて給与すると、豚の脂肪中のリノール酸の割合が低くなり、オレイン酸の割合が高くなるという報告が多く見られます。玄米の配合割合を15%にして60日間給与した場合、あるいは30%に配合割合を高めて45日間給与した場合に、いずれもオレイン酸が上昇し、リノール酸が低下しましたが、肉質への影響ははっきりしませんでした。

 給与試験の中には、脂肪の融点には影響がなかったという報告もありますが、これは配合割合などによると思われ、一般的には、「玄米給与によって脂肪は硬くなる傾向がある」と言えます。

 玄米には10%程度の糠が含まれています。糠を除いた白米には、リノール酸が少なくオレイン酸が多く含まれている(すなわち、脂肪を硬くする)のに対して、糠には逆にリノール酸が多く含まれています。玄米全体としてみると、構成割合の多い白米の影響が大きく出ることになります。

 なお、ご質問の、米を与えると肉そのものが軟らかくなるかについては明らかではありません。