提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


ヒゲおやじが語る天敵の話【18】

2012年02月01日

登場! スワルスキープラス

     山中 聡


 いよいよ、パックに入った袋状の天敵カブリダニ製剤が登場しました。
 前回ご紹介したように、小袋に入れたカブリダニを吊り下げて、放飼を行える製品で、昨年11月30日に新規農薬登録が取得されたものです。製品名は、「スワルスキープラス」。1月中旬から流通が始まりました。

 現時点では、登録内容は表の作物、病害虫に限られます。花き類・観葉植物・アザミウマ類へは今後、適用拡大をめざします。

 スワルスキープラスの設置が有効な作物は、果樹類や代替餌となる花粉が少ない作物など。これまでボトル製剤をコーヒーフィルター等に入れ替えて、ひと手間かけて放飼していたものが主な対象となりそうです。


  
左 :かんきつ / 右 :マンゴー


  
左 :きゅうり / 右 :メロン


 直射日光を避けるために葉の陰に吊り下げると、スワルスキーの除放性(※)がより高くなり、効果が続きやすくなります。また、パックが大量の水に濡れた場合に紙製のフック部分が破れる恐れがあるので、ホチキス等で補強しておくとよいでしょう。

 ボトル製剤の葉上放飼と比較すると、放飼直後の立ち上がりは遅くなります。スワルスキーカブリダニがパックの小さな穴から、少しずつ外部へとはい出るため、早めの放飼を心がける必要があります。早めに効果がほしいならば、スワルスキープラスとボトル製剤の葉上放飼を併用するとよいでしょう。

 ミヤコカブリダニの入ったパック製剤も、今後登録取得をめざします。天敵を利用したIPMプログラムがより省力化されるよう、期待が集まります。


表 登録内容(適用害虫及び使用方法)


(※)除放性 :成分の放出を制御して遅くすることによって、有効成分の濃度を長期間一定に保つ作用

やまなか さとし

東京生まれ、横浜育ち。農学博士。
農薬メーカー研究所にて各種生物農薬の研究開発に従事。
現在、アリスタライフサイエンス(株) IPM推進本部 開発部長