提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


青虫の足あと【89】

2014年12月09日

懐かしの「おじゃみ」

                                    山田早織


裁縫が大の苦手な私。
実家の母が得意なのをいいことに、子どものゼッケン付けなどは基本的に母にアウトソーシング(というと聞こえはいいが、つまりはやらないだけ)。

ちょっとしたボタン付けや名前を縫うことくらいはできるけど・・・
家庭科の先生には「作業は速いけど雑」と言われ、着付けの先生には若干あきれられた私。


そんな私が、障害者施設の作業訓練として、裁縫をすることに・・・。
人に教えるためには、まず自分ができないといけない。
ということで、母にダメ出しをされながら、お手玉を作ってみた。
ちなみに「おじゃみ」って、日本のあちこちで使われているお手玉の方言らしいですね。


yamada_90_0.jpg浜松地域で作られている、遠州綿紬のハギレを使い、お手玉をチクチク縫っていく。
一個目はかなり混乱の末に完成。そして、あまりにも縫い目が千鳥足すぎて自分でショックを受ける。


・・・ぼ、ぼろぼろだぁ。


二個目は少しずつコツをつかみ、仕組みを理解する。
少しはマシになってきた気がする。
三個目はだいぶ速く作れるようになってきた。


子どもがお手玉で遊びたいと待っている。


お手玉の中身は・・・家にあった小豆を入れてみた。

そういえば子どもの頃に、よくじゅずをとってきて母がお手玉を作ってくれた。
じゅずの真ん中の茎みたいなヤツを一生懸命抜いたっけなぁ。
今でもじゅずって生えているのかなぁ・・・
昔の記憶を頼りに、じゅずを探してみる。


やっぱり以前のようには見つからなかったけれど、お手玉をいくつか作る分くらいはとれた!!


yamada_90_1.jpg家で干して、ひまを見つけては茎みたいなやつを抜いてみたり。
手間はかかるけど、母が私たちのためにやってくれたこととまったく同じ手間、時間を子どもにかけられる幸せも感じた。


そう、昔ながらのことは、手間だって昔とまったく変わらない。
なんだか昔の母とつながった気がした。
子どもを持つというのは、そういうことなのかな。


そして、昔と同じものを採れる田舎の環境にも感謝した。
この環境がなくなってしまったら、こういう手間をかけることもできなくなってしまうから。
(その後は少し裁縫にめざめ、あずま袋も作ってみた。いつまで続くかな)

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。