提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


青虫の足あと【87】

2014年10月02日

ごはんのチカラを感じるとき

                                    山田早織


私の働く施設(精神障害者の福祉施設)では、就労訓練の一つとして、食事作りの作業があります。職員1~2名と訓練をしている利用者さんとで、毎日お昼に約70名分、夕食に約25名分を作っています。
メニューは日替わりで、定食の日もあれば、麺類の日もあります。

設備は家庭のキッチン程度なので、苦労していますが、それなりに工夫をしています。


yamada_88_2.jpg育児休暇が明けてから、私は作業訓練をする部署に異動になり、おもに、この食事作りの作業をやっています。食事を作ることは嫌いではないし、むしろ「食」について考えたり工夫をしたりできるので毎日楽しくやっています。


ただ、大人数の調理というものに不慣れな上、一番の問題は・・・
「顆粒だし」です。


わが家では、だしをとっているので、煮物にしてもお味噌汁にしても、だしの量というものをそれほど意識したことがないのです。自然な味と香りなので、入れすぎたところでさほど問題にならないというか・・・。でも、顆粒だしは違います。入れすぎると一気に味が濃くなり、しょっぱさもアップ。いくら薄めに作っても、なんか違和感があり、喉が渇く感じが続きます。


それになかなか慣れず、お味噌汁の味が決まりません。
味が濃いのか薄いのかわからなくなってしまったのです。
みんなに聞いても、好みもあり、ちょうどいいという人もいれば、濃いという人もいるといった具合。


そんな時の救世主は、やっぱり「野菜」!!
具が多ければ、だしは少しですむし、みんなおいしいと言ってくれるお味噌汁に大変身!

野菜の自然な甘味やおいしさが、ほっこりした気持ちにさせてくれます。


yamada_88_1.jpg幸い、うちの施設では畑もやっていて、ファーマーズマーケットで販売もしています。
そこで売れないような、不格好や不揃いだったりする野菜を食事作りにも使っているので、お味噌汁にはもってこいです。

具だくさんのお味噌汁はおいしいですね。
具が少ないと、なんだか寂しい気持ちになります。


食事を提供していると、みんな食事を楽しみにしてくれているんだということが強く感じられて、とてうれしいです。
毎日の「いただきます」「ごちそうさま、おいしかったよ」の言葉が当たり前になってしまわないように、いろいろ工夫しながら、これからも毎日おいしい食事を作れたら・・・と思います。


食事は本当に大切な時間です。
心をこめて作ったものを、みんなに食べてもらいたい、そう思います。


めざせ! 食堂のお母ちゃん!! (おばちゃんと呼ばないで)
(割烹着を着て食事を作っていると、みんな喜びます。そういう気持ちもごちそう)

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。