提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


青虫の足あと【56】

2012年03月01日

愛情は野菜をおいしくする

                                    山田早織


今はいろいろな野菜をおいしいと思いますが、子どもの頃は、嫌いな野菜がいっぱいありました。
ピーマン、にんじん、グリンピース、玉ねぎ、ごぼう・・・一つ一つが個性的な味。その味をおいしいって感じるには、ある程度の年齢が必要なのですね。
ちなみにうちの夫は、今でも子どもの舌と同じようで、野菜が好きではありません。
放っておくと、きっと肉や魚しか食べないでしょうね。

結婚してから野菜を強制的に摂っているせいか、数年たった今では、みんなに「やせた!」「顔色が健康的になった」といわれています。どんだけひどかったんだ・・・
子どもが産まれて離乳食、幼児食と変わっていく過程で、やっぱり野菜をたくさん食べてもらいたいので、毎日の食事にいろいろな野菜を使いました。


現在2歳8カ月の息子。
離乳食を始めた当時から、変わらず愛し続けているもの、それは「じゃがいも」「里芋」「さつまいも」の三大いもコンビ!! 
にんじんは、しゃべり始めたら嫌いになったようで、それまでは好んで食べていたのに、突然「にんじんがあるからぁ~、食べない」と言い、嫌うようになりました。


私のハンバーグやレンコンのはさみ揚げなどには、いろいろな野菜が入っています。
すってみたり、みじん切りにしたり、いろいろな形で。
でも、何かの本に「子どもが知らないうちに食べているのは、全く意味がない。にんじんはにんじん、ピーマンはピーマンと、きちんとわかった上で食べさせよう」とあり、うーむ、そうなのか、確かに、これはこの野菜というのが、いつまでもわからないのは、よくないな。でも、実物を見たら食べないんだよな~。結局、料理に入れてしまうものとは別に、にんじん、ピーマン、その他の野菜も、わかる状態にして一緒にお皿に乗せることに。いわゆる付けあわせとして。

あまり食べてはくれませんが、お味噌汁を作りながら野菜を茹で、根気よく続けていこうと思っていた、そんな矢先。


私たちにとってのばぁば、つまり子どもにとっての「おおばぁば」の家に遊びに行きました。おおばぁばは90歳を超えていますが、家の前でちょっとした畑と田んぼをやっています。
「大根がたくさん植わっているから採っていっていいよ」の言葉に甘えて、大根をたくさんもらってきました。子どもは大根を運ぶのを手伝い、「おおばぁばの大根だね~」と言う目の前で大根の皮をむき、切り、にんじんと一緒に、うどんの具にしました。すると。

いつもは大根を食べないのに、「大根たべる~!!にんじんも食べる~!!」と、ぱくぱく食べるのです!! これには驚きました。
大根を切っているときに「食べたい」と言うので、一切れ、生でかじらせました。
「今はちょっとからいけど、おうどんと一緒に煮たらおいしくなるよ~!!」の魔法がまんまと効いたようで、「おおばぁばの大根、おいしい! 大根、食べられた」と、本人の自信にもつながったようでした。


おおばぁばの大根を自分で運び、料理するということが、「食べてみる」という気持ちにつながったのは言うまでもなく、そこに「大好きなおおばぁばの・・・」という最高のスパイスが効いたのですね。
おおばぁばには、これからも、ひ孫のために、いろいろな野菜を作ってもらわなきゃ!!
愛情は野菜をおいしくする何よりの肥料で、最高のスパイスになりますね。

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。