提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


青虫の足あと【49】

2011年08月10日

歯医者と食育

    山田早織


一歳半健診で、息子は「虫歯っぽい、歯が溶けかかっています」と言われました。
食生活、間食のとりかた、どんなものを食べているかなどを聞かれ、飲んでいた幼児用のりんごジュースをやめるように言われました。りんご以外入っていないものを、選んだつもりなのですが、表示にない糖たちが入っているらしい。


歯磨きをしても、「あんまり茶色っぽい汚れが落ちないなぁ」と気になって悩んでいたのは、汚れではなく、溶けかかった歯だったんです。嫌がる子どもを上から、はがいじめにして、毎晩大騒ぎで歯磨き。お互いにかなり大変な儀式だったのですが、それでも虫歯・・・ 虫歯っぽいと言われ、「あなたは母親失格です!」と言われたような、ショックを受けました。


一歳になるくらいまでは、自分が口をつけたものは与えない、スプーンもいちいち変えて別のものを、とかなり意識していたけど、だんだんズボラになったのがいけなかったのか。子守を頼んだ先でも、徹底してもらうことができなかった。なかなかやめられない授乳も、確実に原因だろう・・・と、どんどん自分がダメな母親だと思えていきました。


ある日歯磨きをしていたら、前歯が欠けていて、あわてて小児専門の歯医者さんへ。

やっぱり虫歯。進行止めの薬を塗ってもらいました。
「もともと歯の質が弱かったのかも。妊娠中、赤ちゃんの歯が作られるときに栄養がいかなかったのかもしれない」とも言われ、ますますショック。
妊婦のときは、出産4日前まで勤務していたし、バランスの良い食事をと思いつつもできなかったし、お腹の赤ちゃんを大切にという生活は全くしていなかった。もう、自分が情けないやら、子どもがかわいそうやらで、コソコソ泣きました。


その歯医者さんでは「母親学級」(一回のみ)があり、参加しました。
歯科衛生士さんから、虫歯のメカニズムについて、虫歯の原因と思われる事柄、ケース紹介などの話があり、とても勉強になりました。気は楽にはならないけど、自分ももう一度きちんと考えよう! と前向きな気持ちになれました。


そして先生のお話。どんなお話かな? と思ったら、なんと食育の話がメインでした。
「食事の支度のときは、子どもにその姿を見せる。こういう食材を、こんな風に調理することで、こんなにおいしいものになるんだと、親は子どもにきちんと見せてあげなさい。手伝いができる年齢の子とは、一緒に料理を作るようにしなさい」


飽食の世の中、お腹がすくという感覚と同時に、食べることができてしまう。だから何時になるまで我慢しなさいよ、というのも大切。
きちんとしたものを、きちんと食べることも、虫歯の予防につながるとは・・・!!ファーストフードややわらかい食べ物ばかり食べていると、あごは育たない。イコール歯並びがきちんとした子が減っていく。今は8割の子の歯並びが悪いそう。
歯医者さんで、食育の話を聞くとは思わず、とても興味深かった。


もちろん、今でも歯磨きは戦いだ。虫歯の治療もしてもらった。相変わらず母親失格な気持ちはぬぐえないけれども、食育で虫歯予防なら、明るくがんばれる気がする。
これからも、買物はなるべく一緒にいって、食事のしたくもちゃんと見せていこうと思う。そして子どもと一緒に、おいしいものをいっぱい食べるんだ!!
母も料理をがんばるから、子どもも歯磨き、がんばろうね!!

やまだ さおり

静岡県浜松市出身。フランス料理店に勤務後、23歳で起業した(有)しあわせ家族代表取締役、園芸福祉士。培養土、花苗・野菜苗の販売のほか、庭づくりや商店のディスプレー、野菜の宅配など、関心とニーズのある分野に事業とボランティアを展開中。