<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0">
   <channel>
      <title>みんなの農業広場（コラム）</title>
      <link>http://www.jeinou.com/</link>
      <description></description>
      <language>ja</language>
      <copyright>Copyright 2010</copyright>
      <lastBuildDate>Tue, 09 Mar 2010 09:30:00 +0900</lastBuildDate>
      <generator>http://www.sixapart.com/movabletype/</generator>
      <docs>http://blogs.law.harvard.edu/tech/rss</docs>
            <item>
         <title>みどりの食べ歩き・出会い旅　【１４】</title>
         <description><![CDATA[<b>安納芋の聖地・種子島は日本のさつまいも発祥の地でもあった！</b>

　　　　　　　　　榊田　みどり


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image1.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image1.html','popup','width=800,height=536,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image1-thumb.jpg" width="180" height="120" alt=""  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　種子島といえば、鉄砲伝来の島、宇宙センターのある島。近年ではサーファーのメッカとしても知られる。さらにもうひとつ、最近、急速に知られるようになったのが、「安納芋発祥の地」という称号だ。


　不覚にも私は、昨年まで安納芋の人気に気づいていなかった。今年１月、種子島を訪れて初めて、人気急上昇のため生産が需要に追いつかないほどになり、今や本家の種子島だけでなく、鹿児島本土にまで栽培が広がっているという事実を知った。
　私が取材でお邪魔した農業法人でも、栽培を始め、今年は加工場も建設して、本格的な生産・販売に乗り出すと話していた。
「種子島にとって、１００年か２００年に一度あるかないかの、地域の宝だと思います」
と、社長のＳさんは話していた。島外に栽培が広がったとはいえ、土壌のちがいなのか、やはり種子島産の持つ本来の安納芋の風味は、島外ではなかなか出ないのだという。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image2.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image2.html','popup','width=800,height=536,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image2-thumb.jpg" width="180" height="120" alt=""  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>　生芋を見せてもらうと、こぶりで素朴なさつまいもにしか見えない。これが、じっくり時間をかけて加熱すると、芋が鮮やかな黄金色に変わり、皮からは、じんわりと芋の蜜が滲み出す。“蜜芋”と呼ばれるのは、このせいだ。
　実際、「これがさつまいも？」と驚くほど甘く濃密な味がする。水分が多いため、通常のさつまいものようなホクホク感もなく、どちらかというと、ペースト状のクリーミーな食感なのも不思議だ。焼いた後はそのまま冷やして、アイスクリーム感覚で食べてもおいしいのだそうだ。


　さつまいもという呼び名が定着しているように、さつまいも栽培は、薩摩藩から全国各地に広がったとされる。鹿児島県指宿市にある山川町には「さつまいも発祥の地」という記念碑も建っている。ところが、「種子島のほうが栽培が早い」とＳ社長は言う。島内の下石寺に「日本甘藷栽培初地之碑」も建てられている。

　島史によると、第十九代島主の種子島久基が、１６９８年、琉球王からさつまいもを手に入れ、家臣に栽培を命じたのが始まりという。薩摩藩より一足先に、種子島は種子島で、独自のさつまいも文化を築いていたわけだ。もっとも、薩摩藩も種子島も、どちらも琉球から伝播したのだから、日本発祥の地は、今となっては、沖縄といったほうが正しいのだろうが。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image3.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image3.html','popup','width=800,height=536,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/03/sakakida_14_image3-thumb.jpg" width="180" height="120" alt="" class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　安納芋も、種子島で長年栽培されてきた品種のひとつだ。ただし、耐病性が弱いなど栽培が難しく、収穫量も少ないため、生産量は減り続け、数年前までは、ほとんどが自家用か、島内消費に限られていたらしい。まさか、こんなにブレイクするとは、地元のひとたちも考えていなかったに違いない。

　紫芋ブームから数年たつが、日本には、広域流通や大量流通に適さないために休眠させられてしまった品種が、サツマイモに限らず、まだまだ埋もれているのではなかろうか。もしかしたら、それは、その地域にとって１００年に１度の宝物となるような資源かもしれない。
　安納芋をいただきながら、そんなことを考えて、ちょっとワクワクした。


<font color="#000099">写真　上から順番に
●種子島港
日本で屈指の風の強さを誇る種子島。「だから、サーファーが魅せられるようないい波が来る」と地元の人は言う

●安納芋の生芋
見た目は素朴なのだが…

●焼いた安納芋
蜜がじんわり、中身はトロリ。鮮やかな黄金色にビックリ
</font>

（文中の画像をクリックすると大きく表示されます）
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/cat51/2010/03/09/093000.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/cat51/2010/03/09/093000.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">さかきだ　みどり</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 09 Mar 2010 09:30:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>青虫の足あと【３２】</title>
         <description><![CDATA[<b>冬を食らう</b>

　　　　山田早織



南紀白浜、熊野古道、伊勢、鳥羽・・・
旅に出た。
前回書いた、みかんジュースの話もあり、ドキドキした気持ちで和歌山に行くと・・・
ありました～！！　みかんジュースいろいろ。さすが産地！

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-23_006.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-23_006.html','popup','width=240,height=320,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-23_006-thumb.jpg" width="120" height="160" alt=""  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10" /></a>
しかもいたるところに「じゃばらドリンク」のＰＯＰが。
サービスエリアのご飯やさんにも、宿のエレベーターにも、道の駅にも。。。
・・・じゃばら・・・？？びろんびろ～んってのびるやつ？！
旅先で出会う、初めてのヒビキ、初めてのもの。うーん、旅の醍醐味。
あまりにも、あちらこちらでＰＯＰを見るので、これはもう飲まなくては！！　という気になり、とある道の駅で購入。

味は・・・ぜひご自分の舌で確かめてもらいたい。

そうそう。産物っていうのはそうやって作っていくものだよね。
（帰ってから、みかん農家の嫁と熱く語る）


初めての土地。そこで出会った産物って、忘れられないものになる。
それは日々の生活にも影響する。
たとえばスーパー。
ここはもう、旅の思い出いっぱいスポット。
なると金時を見れば、徳島でみた渦潮を思い出し、淡路には玉ねぎがいっぱいあったな、と。
恥ずかしながら「若狭カレイ」の意味がわからなかった。でも、その土地に行ってみて初めてわかる。「若狭」って、ここのことだったんだ！！

野菜売り場や鮮魚売り場で旅先にトリップ。どうせ買うなら思い入れがあるところのものを・・・と手を伸ばす。


関係ないけど私は、海の近くに旅したときは必ず「塩」を買ってくる。
今私が使っているのは「なるとのうず潮」。なるとで買った。
その前は伊豆の戸田の塩。これは毎年買いに行く。
今回の旅では三重県尾鷲市の塩を買ってきた。
そうすれば、毎日の料理の中に旅の思い出を盛り込める。

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-13_0011.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-13_0011.html','popup','width=320,height=240,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-13_001-thumb.jpg" width="160" height="120" alt=""  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"" /></a>
さて。ヒマな主婦は子どもを抱えて、また旅に出る。
今度は友人と福井へ。カニを食しに・・・♪
カニは産地で食すべし！！　そして日本海の幸！！
実は私は、カニよりもノドグロとガサエビが本当の目的。（カニは好きだが、むくのが面倒）
地魚をたくさん食したい。
電車で駅弁を食べながら期待が高まる。
冬の日本海を部屋から眺めながらの海の幸・・・んもぅ、最高！！


期待まんまんで行ったそのお宿は、本っっ当にお料理が美味しかった。
こんなに美味しいとは！！
朝食のご飯は、かまどさんで炊いてくれている。お米がピカピカ光ってる。
いつまでもここにいたい・・・そんな気持ちになった。
（なんと宿では米まで売っていた）

宿の案内に、地産地消のパンフレットが入っていた。
手書きで作られた温かい字、へたくそな絵（すみません）。
それを見てなんだかうれしい気持ちになった。


翌日、まだまだ地魚を食べようと水産会社がやっている食事やさんへ。
そこにも宿と同じ地産地消のパンフレットが・・・！！

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-13_003.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-13_003.html','popup','width=320,height=240,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-13_003-thumb.jpg" width="160" height="120" alt=""  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"" /></a>
・・・そっか～。
なんだか、この旅が一連のものになった気がする喜び。
うれしい気持ちで、ガサエビの刺身をツルツルと飽きるほど食べる。
ここに来なければ食べられない。そう思うといくらでも食べられる気がする。
（そのお店も美味しかった！！）

この地産地消パンフレットを目にした人が、このお店には何人いるのか。
意識してみているのは、そのうちのどのくらいの割合なのか。。。
今までなら、そんなことを考えて、難しくつまらない気持ちになっていたかもしれない。
でも今回は、どちらも本当に美味しくて、しかもたくさんのお客さんがきている。
本当はこういうことかもしれないなぁ・・・
パンフレットは意識されなくても、ここに来て、ここでしか食べられないものを美味しく食べたい。そんな思いが、本当の地産地消につながるのも・・・


そういう意味でも、やっぱり特産物のＰＲって大切だなぁ・・・。スーパーで手にした思い出の品々も、特産物やその土地ブランドだからこそ、そこにあり、また、買わせる力がある。
でもその産物にそんなパワーを与えられるのは、地元の人々！！
<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-23_002.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-23_002.html','popup','width=320,height=240,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/10-02-23_002-thumb.jpg" width="160" height="120" alt=""  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"" /></a>やっぱり自分たちで地元の食材を盛り上げていくしかないんだ～～～！！！
改めて実感。
意識改革と再確認。本当に美味しい旅でした。


（「おいてけぼりの夫にも食べさせてあげたい」と、子どもと大量の荷物と越前ガニとオニエビ、へしこの入った発泡スチロールの箱を抱え、必死で帰路につきました。・・・いい妻アピール）


]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/yamada-saori/2010/03/02/091836.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/yamada-saori/2010/03/02/091836.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">やまだ　さおり</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 02 Mar 2010 09:18:36 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>信州発　“農”と言える日本人　【１１】</title>
         <description><![CDATA[<b>「理事の選出」と「農家の生き残り」</b>

　　　　　　　　　高見澤勇太


　相撲界では、貴乃花親方の理事選立候補が、マスコミをにぎわせた。無謀とも思われる立候補であったが、貴乃花親方はみごと当選した。

　相撲協会の理事選は、５つある各一門内で、候補者を調整するのが慣例である。貴乃花親方は、改革を訴えて一門を離脱し、立候補した。旧態依然の体質が残る相撲協会に、新しい風を吹き込むことができるのか？　見守りたい。


<img alt="takamizawa11_image1.jpg" src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/takamizawa11_image1.jpg" width="180" height="120"  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　さて、長野八ヶ岳農協の理事改選も３月にある。偶然、相撲界と同じ５つある支所から、２３名の理事が選出される。
　各支所に割り当てられた理事の人数は、組合員数で決められている。選出される候補者は、農家・農協や役場の退職者が一般的である。農業や組合の運営・地域の事情などに、精通している方が多い。
　しかし、現在の世の中の流れを読んでマーケットに仕掛けたり、斬新なアイデアの提案や、野菜を売り込むための戦略的手法を展開することは、苦手としているのが歯がゆい。


　先日、（有）トップリバー<font color="red">（※）</font>代表取締役の嶋崎秀樹氏の講演会に参加した。
　その嶋崎氏の持論である“儲かる農業”を実現する上での考え方を１つ紹介したい。それは、「３００点の理論」である。


　農業は３００点で評価される。生産が１００点で、マネジメントが２００点。既存の農家・農協は、生産の段階では１００点を取るが、それを売りさばく段階では、２００点中７０点しか取れない。少なくとも２００点以上は欲しいのに、１７０点しか取れない。これでは野菜を適正価格では売れない。

　トップリバーでは、農業歴１年～５年程の“ど素人”が野菜栽培をするが、地元農家のアドバイスやコンピューターのデータなどを駆使して、７０点以上の生産ができる。マネジメントでは、持ち前の営業力で１６０点以上をかせげるという。足して２３０点以上は必ず出す。こうして安定した収入を確保できる。


<img alt="takamizawa11_image2.jpg" src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/takamizawa11_image2.jpg" width="127" height="190"  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>　この２００点を占めるマネジメントを高得点にする秘訣は、農業界では軽視されてきたことばかりである。

（１）自動車業界の大企業経営にたとえると、ネジ１本の単価まで考えるコスト計算をする。▼今までの農家はどんぶり勘定である。
（２）契約栽培を多くして、直接スーパーになどに納める。それも前年の１２月には次年度の数量を決定して、計画的な販売をする。▼今までの農家はお天道様任せで、細かな出荷の予測はしない。また、契約数量を守れない。
（３）農業のみならず、政治や経済のきめ細かい情報収集を行い、相手の担当に価格を操縦させない。▼今までの農家は市場任せである。


　あきらめる訳にはいかない。こんな状況の中でも、生き残る方法はあるはずだ。先見の明とリーダーシップを持ったカリスマ理事の誕生と、農家は「素直」に「感謝」の気持ちを持って、お客さんの立場に立った野菜作りをすれば、きっと持続可能な農業ができると信じたい。


<font color="red">※</font><font color="#000099">（有）トップリバー　代表取締役　嶋崎秀樹　
プロフィール
１９５９年長野県生まれ。サラリーマンで営業をしていたが退社。２０００年に農業生産法人トップリバーを設立。９年で年商１０億円の企業に育て上げる。
２００９年にトップリバー設立から現在に至るまでの経緯と農業経営の基本理念を著した『もうかる農業「ど素人集団」の革命』（嶋崎秀樹著　竹書房）を出版した。</font>

]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/cat68/2010/02/24/091855.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/cat68/2010/02/24/091855.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">たかみざわ　ゆうた</category>
        
        
         <pubDate>Wed, 24 Feb 2010 09:18:55 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ぐるり農政【３２】</title>
         <description><![CDATA[<b>戸別所得補償は作らせる「生産調整」</b>

　　　　　明治大学客員教授　村田　泰夫


　「作らせないことを支援する農政から、作ることを支援する農政への転換」。民主党政権の戸別所得補償制度について、赤松広隆農水相らは「作らせる農業」を盛んに強調する。その一方で、主食用米の作付けを制限する「生産数量目標」を、農家に求める。生産数量目標とは、要するに生産調整である。

<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/murata_colum32_1.jpg" width="180" height="139" class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/>
　すると、民主党主導の農政転換は「作らせる生産調整」を求めていることになる。この言葉は言語矛盾である。「生産調整」とは、農村では減反と呼ばれるように、作付面積を減らすこと、つまり「作らせない」ことを意味する。なのに「作らせる」とは、どういうことなのか。今回の農政転換の表現として、この「作らせる生産調整」といういい方は、実はいい得て妙なのである。

　２０１０（平成２２）年度に、モデル的に実施される戸別所得補償制度は、１０ａにつき１万５千円の交付金が支払われる「米戸別所得補償モデル事業」と、麦・大豆や米粉用米などの生産に助成金が支払われる「水田利活用自給力向上事業」の二本立てからなっている。１万５千円の交付金は、生産数量目標に沿って生産する農家、すなわち生産調整に協力する農家に支払われ、水田に主食用米以外の作物を作付けた場合に支払われる助成金は、前年までの「産地確立交付金」であり、いわゆる転作助成金のことである。

　民主党政権の農政転換は、形の上では「生産調整が継続される」うえ「転作助成金が支払われる」点では、これまでの政権の「米政策」と変わらないことになる。だが、似ているようでいて、実は大違いなのである。


　これまでの「生産調整」は、主食用米を「作らせない」ことに主眼があった。ところが、新政権の農政改革では、生産数量目標を定めて、そこまで主食用米を「作らせる」建前をとっている。目標数量を超える生産を奨励しないことでは、これまでの生産調整と同じだ。しかし、一定数量以上はペナルティーを課してまで主食用米を「作らせない」これまでの政策と、一定数量までは１０ａ＝１万５千円のメリット措置を講じてでも「作らせる」政策との違いは、わずかなようでいて明らかなのである。


<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/murata_colum32_2.jpg" width="180" height="134" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/>　また、「転作作物」という言葉も、基本的には使わなくなった。これまでの生産調整重視農政では、麦や大豆は、主食用米に代わる「転作作物」との位置づけだったが、新政権の農政転換では、「戦略作物」と位置づけられるようになった。戦略作物とは、麦、大豆、飼料作物、米粉用米、飼料用米、バイオ燃料用米、ホールクロップサイレージ（ＷＣＳ＝稲発酵粗飼料）用稲、そば、なたね、加工用米をさす。主食用米の代わりに作付ける、代替作物という位置付けではなく、自給率を向上させるために、むしろ積極的に生産量を増やす戦略作物として「増産政策」を打ち出した点で、これまでの政策と大きく異なる。転作ではなく「本作」化といってもいいかもしれない。


　これまで、生産調整に参加しない農家には、麦・大豆を作付けても助成金は支払われず、麦・大豆の増産そのものに主眼が置かれていなかった。農政転換後は、生産調整に参加しない農家にも、戦略作物を作付けさえすれば、助成金を支払うことに変えた。「作る」ことにこだわる、新政権の農政転換の姿勢が反映されている。


　戸別所得補償モデル事業の骨子が固まった２００９年１２月、赤松農水相は「農業の立て直しと食と地域の再生に向けて」と題する談話の中で、こう語っている。

　「過去４０年間にわたって農村を疲弊させ、閉塞感を与えてきた生産調整政策について、大転換がはかられます。これまでの米の生産調整は、生産調整達成者のみに麦・大豆等の助成金を交付する、いわば、麦・大豆等の生産規制をおこなうという手法で進められてきました。一方で、それだけでは十分な効果が得られないために、生産調整に参加しない方に対して、さまざまな形で差別的な扱い、ペナルティー的な扱いがおこなわれてきました。今後は、米の需給調整は米のメリット措置により実効を期し、麦・大豆等の生産は規制から解放されることになります。４０年ぶりの農政の大転換がおこなわれるわけです」

　要するに、「作らせないことを支援する農業から、作ることを支援する農業への大転換」なのである。（２０１０年２月１６ 日）
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/murata-yasuo/2010/02/17/092935.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/murata-yasuo/2010/02/17/092935.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">むらた　やすお</category>
        
        
         <pubDate>Wed, 17 Feb 2010 09:29:35 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ヒゲおやじが語る天敵の話【１５】</title>
         <description><![CDATA[<b>有色粘着板～害虫に一番合う色を選ぼう
</b>

　　　　　山中　聡


　害虫も含めて昆虫は、種類によって、色調、匂い、光、温度などに対し、特定のものを好むことが分かっています。この性質を利用しているのが粘着板です。施設の外から飛来する成虫の侵入を防ぎ、誘殺できれば、施設内での害虫の増加を抑えることができます。

　天敵利用の施設内で、かなり普及が進んでいる粘着板ですが、害虫と粘着板の色の関係を知らない生産者や試験研究機関の方が少なくないようです。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/yamanaka_15_image11.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/02/yamanaka_15_image11.html','popup','width=488,height=300,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/yamanaka_15_image1-thumb.jpg" width="180" height="110" alt="" alt="粘着板を利用した施設" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>　　コナジラミ類を含むカメムシ目、ハモグリバエなどを含むハエ・カ目などは、ヒトの目で黄色と認識される波長を好みます。しかし、ヒトにとって「黄色」に見える範囲は、厳密には「濃い山吹色」から「薄いレモン色」まで幅広いため、黄色い有色粘着板として、色合いが異なった黄色の製品があります。
<font color="#000099">左　：粘着板を利用した施設</font>


　ミカンキイロアザミウマ、ミナミキイロアザミウマは、青色の波長に誘引されますが、青でも濃い青色の波長に引き寄せられます。チャノキイロアザミウマ、ネギアザミウマは、青色よりも黄色に誘引されます。したがって、発生している種類を確認し、最適な色の粘着板を使うことが大切です。アザミウマ成虫は、特に春先施設に飛び込むと、その後の密度増加が著しいので、粘着板の設置が重要な防除手段となっています。


　また、科学的に裏付けられた研究をもとに製品化されているもの（ホリバーや金竜など）と、そうではない製品を比較すると、一定期間におけるコナジラミの誘引数は、５～１０倍の差があることもわかっています。天敵利用の目安として、黄色粘着板でコナジラミをモニタリングする方法もありますが、誘引性の低いトラップを用いてしまうと、害虫発生を的確に判断することができません。青色についても、同じような研究がなされています。

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/yamanaka_15_image2.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/02/yamanaka_15_image2.html','popup','width=559,height=220,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/02/yamanaka_15_image2-thumb.jpg" width="180" height="71" alt="スリットが入った有色粘着板"  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>
　最近、有色粘着板にスリットが設けられ、片手でも吊り下げ作業ができるようになりました。
　このスリットには工夫があり、風による揺れに対しても、はずれにくい構造となっています。ぜひ一度利用されてみてはいかがでしょうか。
<font color="#000099">右　：スリットが入った有色粘着板</font>
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/yamanaka-satoshi/2010/02/15/091952.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/yamanaka-satoshi/2010/02/15/091952.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">やまなか　さとし</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 15 Feb 2010 09:19:52 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>青虫の足あと【３１】</title>
         <description><![CDATA[<b>お土産って何だろう・・・</b>

　　　　山田早織



浜松、浜名湖、舘山寺温泉。　家の近所にある観光地。
しばらく旅行してないな～なんて時には、近場の観光地のドライブインや、日帰り入浴ができる温泉宿などを利用して、ちょっとした観光客気分を味わうのが好き。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/10-01-25_004.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/10-01-25_004.html','popup','width=240,height=320,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/10-01-25_004-thumb.jpg" width="150" height="200" alt=""  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>しかも私、近場の旅館やホテルにけっこう泊まっていたりもする・・・
自分が住んでいる浜松市内で、すでに十軒ほどに宿泊している。
（田舎だから軒数も多くない・笑）
なんか地元を愛してる・・・って感じ。
よっぽどヒマ人なのか、もしくはよっぽど忙しいのか・・・
もちろん私は前者で～あります！！

でも、地元だから面白いってのもある。　・・・・近すぎますよ、お客さ～～ん！！
（ちなみに私が一番すばらしいと思う旅館って、地元の人が泊まりたくなるような旅館だと、秘かに思っている。私が女将なら、それをコンセプトにするのにな。誰か私を雇って・笑）


～そんなことで先日、友人と暇つぶしに、もとい、地元の特産品の偵察に近くのドライブインへ。そこは始めての場所。地元なのに、見たこともないお土産がズラリ・・・
もちろん定番物もあるけど。
へ～～！！　会社が違うとこんなに品揃えが違うんだ！　とひとしきり感心。
冷蔵庫を見ると、オシャレなビンのみかんジュースが。
（ここはみかんの産地ですもの）


――以前　愛媛に行ったとき、いろいろな種類のみかんジュースがあって驚いた。
みかんの産地からみかんの産地へと旅行した私でさえ、その安くないジュースに手をだしたほど。しかも何本も。
考えてみたら、みかんジュースなら地元にもあるし、しかも家では、もらったみかんを自分で搾っているじゃん。
なんてアホな！　でも、静岡にはこんなにオシャレなみかんジュース、あんまりないなぁ・・・

ここは一軒丸ごとみかんジュースのお店。
種類も豊富で、ついついあれこれ選んで手に取りたくなる。
選べるとうれしくて、いろいろ欲しくなる。
見事なまでに私の心をぎゅっっっとつかんだそのみかんジュースたち。

もったいない！　静岡はなんてもったいないことを・・・もっとみかんジュースを！！
――・・・と思っていたことがあった。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/10-01-25_002.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/10-01-25_002.html','popup','width=320,height=240,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/10-01-25_002-thumb.jpg" width="200" height="150" alt=""  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>そうか、ついにこんなオシャレなビンに入ったやつが登場したか・・・♪
うれしくなって手を伸ばしたそのとき、目に飛び込んできたのは<strong>「和歌山の」</strong>という文字。

・・・そうです。
和歌山のみかんジュースです。
そうよね～、そこも産地ですものね～。

友人と二人、突っ込む気力もなく「なんで和歌山かね～」とむなしく言葉を交わし、帰ってきました。・・・・淋しい。


ショックな体験。
でも、お土産にはよくある話じゃないですか？

私の父は、グアムに行って「メイド　イン　ジャパン」のお土産を買ってきた。
・・・逆輸入？！

な～んて私も、伊豆で買った入浴剤は「製造元　袋井市ほにゃららうにゃ番地」。
ちなみに私、高校はその「袋井市」（笑）

お菓子だって、全然違う土地で作られていることもよくあるし。
な～んかお土産って面白い。
いろんなものがいろんな所へ旅してて、いろんなとこから来た旅人が、またそれらをどこぞへともって行く・・・


そもそも　<strong>「お土産」</strong>ってなんなんだ！！
その土地の産物じゃないんかい！！　お土産産業も、いろいろあるんだねぇ。

来月私は南紀～熊野方面への旅行を計画しているけど、お土産選びは慎重にしよっと♪
やっぱり梅かな？！　ビバ！　定番土産！！

（でも、本当は無事の帰宅と、気持ちがこもったものが一番のお土産だよね。）
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/yamada-saori/2010/02/02/091800.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/yamada-saori/2010/02/02/091800.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">やまだ　さおり</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 02 Feb 2010 09:18:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>信州発　“農”と言える日本人　【１０】</title>
         <description><![CDATA[<b>『Dreams come true』</b>

　　　　　　　　　高見澤勇太


　南牧村から２人目のオリンピック選手が誕生した。カナダのバンクーバーで開催される２０１０年冬季オリンピックに出場する、吉沢純平選手（２４）である。

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/takamizawa10_image3.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/takamizawa10_image3.html','popup','width=600,height=434,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/takamizawa10_image3-thumb.jpg" width="190" height="137" alt=""  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　純平選手がエントリーするのは、スピードスケートのショートトラック<font color="red">（※）</font>という種目。３歳からスケートを始め、山梨学院大学付属高校・同大学とスケートを続けた。

　社会人になってからも、オリンピックを目指してがんばるために就職活動をしたが、４０社近く受けたものの就職できなかった。悩んだ末、「とらふぐ亭」に勤務する兄に相談した。社長に話を通してもらい、同社に就職が決まった。配送などの仕事と両立しながらがんばった。しかし、良い成績は残せなかった。


  「このままではダメだ」と自腹で１５０万円をかけて、海外で練習した。日本へ帰ってからも、有名なコーチの下で“足前”を磨いた。その成果が出て、９月の全日本距離別５００メートルに優勝するなど、急成長を遂げた。

　１２月の全日本選手権では、奇跡が起きた。２回も転倒しながら、最後まであきらめずにゴール。失格した選手が出て、繰り上げで３位になり、五輪への切符を手にした。
　これはただの“運”だけではないと思う。あきらめずに努力したからこそ、純平選手に神様がくれたチャンスだろう。

　
<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/takamizawa10_image2.jpg" width="180" height="128" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/>　農業だって同じだ。あきらめずに自分の目標に向かってがんばれば、きっとチャンスは訪れるはずだ。
農業で転ぶ（失敗する）のは２回や３回じゃない。多分、失敗の連続だと思う。だが失敗の回数が多い人ほど、本物に近づいて行く。

　「奇跡のリンゴ」で有名な青森の木村秋則さんは、リンゴの無農薬栽培を始めて６年間失敗し続けて、９年目でやっとリンゴの木に花が咲いた。失敗が成功の土台になったことは、誰にでも分かるはずだ。


　さあ、農業で夢見るみなさん、成功するために失敗しましょう。きっと自分の中の『Ｍｙオリンピック』はあなたを待っているはずです・・・。


<font color="red">（※）</font> ショートトラック競技は、１周約１１１メートルの小さなリンクを、４～６人で滑る。接触・転倒することが多く「氷上の競輪」とも呼ばれる。
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/cat68/2010/01/26/092128.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/cat68/2010/01/26/092128.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">たかみざわ　ゆうた</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 26 Jan 2010 09:21:28 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>みどりの食べ歩き・出会い旅　【１３】</title>
         <description><![CDATA[<b>昔、コウノトリは“鶴”と呼ばれていた！</b>

　　　　　　　　　榊田　みどり


　新年にあたって、おめでたい鶴の話をひとつ。いや、“鶴”といっても、実は、コウノトリのこと。昨秋、「コウノトリの郷」として知られる兵庫県豊岡市で、農業関係者の長老から、こんな話を聞いて驚いた。
<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image21.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image21.html','popup','width=800,height=555,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image2-thumb.jpg" width="180" height="124" alt="ハチゴロウの戸島湿地" class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　「このあたりでは、昔は、コウノトリを“鶴”と呼んでいた。“松に鶴”がモチーフの日本画があるけれど、あれも本当はコウノトリですよ。コウノトリは松の木に巣を作る。鶴は平地に巣を作るんです」


　豊岡市で、日本最後の野生のコウノトリが姿を消したのは、１９７１年のこと。その後、ロシアから野生のコウノトリの幼鳥をもらって繁殖への挑戦が始まり、８９年、初めて２羽の繁殖に成功。２００３年には、「コウノトリ野生復帰推進計画」が立てられた。０５年、秋篠宮ご夫妻も参加しての初めてのコウノトリ放鳥シーンは、マスコミでも大々的に取り上げられたので、覚えているひとも多いと思う。

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image1.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image1.html','popup','width=600,height=800,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image1-thumb.jpg" width="135" height="180" alt="私が初めて遭遇したコウノトリ。「ハチゴロウの戸島湿地」の巣に舞い降りた" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>　それから４年。自然復帰したコウノトリは、現在、４０羽近くになった。コウノトリのエサとなる生物との共生を重視した「コウノトリ育む農法」に取り組む水田も、０３年の０．７ｈａから、但馬地方全体で約２８０ｈａまで広がっていた。「コウノトリ育むお米」の販売、旅行会社と連携してのコウノトリ・ツーリズムなど、今や豊岡市にとって、コウノトリは地域活性化の大きな武器になっている。


　幸運なことに、一泊二日の旅の間に、私は２度もコウノトリと出会った。白いからだに黒い羽先、赤い隈取りをした目に赤い足。羽を広げると２ｍ近くもある、ダイナミックで美しい姿は、なるほど、タンチョウ鶴と似ていた。実は、似ているのは外見だけらしく、生態は、サギやトキに近いという。

　しかも、エサをとる姿を写真で見ると、案外、どう猛な雰囲気が漂っている。なにしろ、肉食獣だ。バッタなどの昆虫から、フナやカエル、ドジョウ、さらには１ｍを超すヘビなどまで、パクッとくわえて飲み込んでしまうらしい。一日に５００ｇは食べるというから、そうとうな大食漢だ。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image41.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image41.html','popup','width=800,height=545,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image4-thumb.jpg" width="176" height="120" alt="戸島湿地には、川から魚が遡上できるように魚道も設けられた" class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　意外なことに、戦前までコウノトリは“害鳥”と思われていた。肉食だから稲を食い荒らすわけではない。水田に舞い降りて、エサを探すだけなのだが、なにしろ図体がでかいので、稲を踏み倒して歩いているように見える。実際には、ほとんど稲を踏むことはなかったのだそうだが、稲作農家にすれば、気が気ではなかったのだろう。そのため、明治時代以降は乱獲の対象になった。食用にもされたし、姿の美しさから、剥製用としても人気があったらしい。
　ただし、豊岡市では、高齢者が昔を振り返って、「竹の棒や泥だんごで追い払った」と話しているというから、その住民のおおらかさが、日本で最後までコウノトリが生息できた理由のひとつかもしれない。



<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image3.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image3.html','popup','width=800,height=536,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image3-thumb.jpg" width="180" height="120" alt="豊岡市のパンフレット" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>第二次大戦中の木材需要で、コウノトリが好んで巣を作る松の木が伐採され、戦後の農業近代化で湿田が乾田になり、さらに、川と用水路が遮断されて、コウノトリのエサとなる魚が水田に遡上できなくなった。農薬の使用がコウノトリのエサを奪い、コウノトリ自身の繁殖機能も失わせたともいわれている。
　「水銀剤が原因のひとつなのは、まちがいない。…でも、農薬だけが一方的に悪者にされるのは、正直なところ、面白くないんです」
冒頭の長老が、ポツリとそうつぶやいた。農業の技術指導者だったひとである。戦後の食糧難の時代、米の増産は、国からの至上命令だった。湿度の高い豊岡盆地では、イモチ病も多発し、それを抑えてくれたのが水銀剤だった。

　「私の後輩も、農薬散布で死んでいます。今では使用禁止になりましたが、ホリドールやパラチオン…、強毒性の農薬を使ってでも、当時は日本人の食糧確保が大前提だった。コウノトリ育む農法は、食糧が豊かな今だからできること、でもあるんです」


　農薬を批判する消費者は多いし、環境に負荷をかけない農業のほうが、もちろんいいに決まっている。しかし、そうせざるをえない時代があったことも、私たちは、心に刻んだ上で、未来に向かって進まなければならない。自分の生命や食糧よりもコウノトリを優先する人間は、今だって、たぶんいない。
　そんなことを考えながら、自宅に戻り、購入した新米の「コウノトリ育むお米」を炊いて、いただいた。ふっくらと優しい味がするコシヒカリだった。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image5.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image5.html','popup','width=536,height=800,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image5-thumb.jpg" width="120" height="180" alt="「コシヒカリ育むお米」" /></a>　　<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image6.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image6.html','popup','width=800,height=536,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/sakakida_13_image6-thumb.jpg" width="180" height="120" alt="炊きたてのご飯" /></a>


　コウノトリを野生に戻す作業は、逆にいえば、人間や産業が、コウノトリと共生できるような地域づくりを目指す作業でもある。豊岡市のパンフレットには、「環境と経済が共鳴するまち」をめざすと書かれていた。自然環境の保全と経済の発展は両立できる。豊岡市が、それを実証する先進都市になる日を期待して待ちたい。


<font color="#000099">写真　上から順番に

●ハチゴロウの戸島湿地
もともとは土地改良事業による乾田化を待つ水田だったが、コウノトリが頻繁に舞い降りたことがきっかけになり、地域住民が合議の末、市に土地を提供。湿地として残す決断をしたというエピソードを持つ

●私が初めて遭遇したコウノトリ
「ハチゴロウの戸島湿地」の巣に舞い降りた

●豊岡市のパンフレットの写真
もっとちゃんとコウノトリの姿を見たい方のために、豊岡市のパンフレットの写真を。右端は、コウノトリがエサを捕獲するシーンの写真を集めたシート。迫力満点！ぜひ拡大してご覧ください

●戸島湿地の魚道
川から魚が遡上できるように設けられた

●「コウノトリ育むお米」
無農薬栽培と減農薬栽培がある

●炊きたてのご飯
「コウノトリ育むお米」は、今は生協や一部スーパーなど、販路が広がっている

　</font>

（文中の画像をクリックすると大きく表示されます）
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/cat51/2010/01/18/091802.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/cat51/2010/01/18/091802.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">さかきだ　みどり</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 18 Jan 2010 09:18:02 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ぐるり農政【３１】</title>
         <description><![CDATA[<b>がっぽり減らされた農業土木予算</b>

　　　　　明治大学客員教授　村田　泰夫


　農道や農業用水路の建設・修理、水田の大区画化など農業基盤整備に充てられる農業土木予算が、来年度（２０１０年度）がっぽり減らされることになった。農業だけでなく、林業や水産関係の公共事業費も減らされ、１０年度予算案によると、農林水産関係の公共事業費は６５６３億円と、前年度予算（９９５２億円）より３４．１％も減った。農水省の予算総額に占める公共事業予算の割合も２６．８％と、前年度の３８．９％より大幅に小さくなった<font color="#000099">（右下グラフ参照）</font>。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/murata_colum31_1.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2010/01/murata_colum31_1.html','popup','width=263,height=317,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/murata_colum31_1-thumb.jpg" width="207" height="250" alt="" class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"　/></a>　なぜ、農業土木予算が激減したのか。表向きは、「一点突破型で何としても成功させなければならない」と民主党政権が力を入れる、戸別所得補償制度のモデル事業に必要な財源、５６１８億円をひねり出すためである。

　これまでの米の生産調整（減反）に支出していた２０００億円余りをモデル事業に回したのは当然だが、それだけでは足りない。そこで、農水省予算の中で「時代遅れ」と指摘されることもある、農業土木予算に切り込んだわけである。


　しかし、民主党農政は農業関係の基盤整備事業のすべてを否定したわけではない。農水省の公共事業予算の中でも、特に農業農村整備予算は２１２９億円と、前年度より３６４３億円、実に６４．１％も減らしたが、一方で「自治体が農山漁村地域のニーズにあった計画をみずから策定し、農業農村、森林、水産各分野における公共事業を自由に選択し、総合的、一体的な整備を支援するため」として、来年度予算案で新たに「農山漁村地域整備交付金」を創設、１５００億円を計上した。


　この交付金は、国が都道府県に直接交付し、都道府県は、みずからの裁量で市町村に配分することができる。使途は、農地・農業用水などの農業農村基盤の整備など、これまで国（農水省）が主導してきた事業。つまり、今後は地域の特性に応じて、県や市町村などの自治体が、みずから事業計画を策定し、創意工夫を凝らして実施してほしいというメッセージを発信したのである。


<img alt="murata_colum31_2.jpg" src="http://www.jeinou.com/photo/2010/01/murata_colum31_2.jpg" width="120" height="180" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/>　公共事業予算を全体として削ったうえ、その執行も国から地方に移したといえば格好がいいが、理由はそれだけではない。民主党による自民党の票田つぶしの一環であるといわれている。

　農業土木予算の受け皿である土地改良区の全国団体、全国土地改良事業団体連合会（全土連）の政治団体は、これまで参院選で自民党から公認候補を出していて、今年夏の参院選でも元農水官僚を候補者として擁立、選挙準備を始めようとしていた。民主党の選挙を仕切る小沢一郎幹事長が「自民党を公然と支持する団体」に不快な思いを抱いたとしても不思議ではない。そこで、農業農村整備予算は６割カットということになったといわれている。


　鳩山由紀夫首相は、来年度予算の編成に当たって「コンクリートから人へ」をスローガンに掲げた。国土交通省の公共事業費を減らす半面、子ども手当や高校授業料の実質無料化など、個人のふところを潤す政策をとっている。国民の生活が苦しくなってきており、家計を救済することで個人消費が増えて景気対策にもなるという触れ込みである。農政予算の配分においても「コンクリート（農業公共事業）から人（農家所得）へ」の政策が貫かれたといえよう。（２０１０年１月１２日）
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/murata-yasuo/2010/01/14/091811.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/murata-yasuo/2010/01/14/091811.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">むらた　やすお</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 14 Jan 2010 09:18:11 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>日本の「食」は安すぎる　【６】</title>
         <description><![CDATA[　<a href="http://www.jeinou.com/column/yamamoto-kenji/2009/12/11/091825.html"target=_blank>先回</a>の終わりにエシカルソーシングという話を書いたが、これは単なる「青臭い話」じゃあない。すでに日本においても、エシカルな買い方をする消費者層が生まれていると実感することが多々あるのだ。それは「高くても佳いものを買う人たち」が増えていることに顕著に表れている。


　デフレ宣言が出され、ものの価値が不当に低く評価されている今の時代に、「少々高くても、佳いものであれば」という購買活動を行う人がいる。しかも、バッグや車、マイホームにではなく、自分の食行動にはお金を惜しまない、という人が増えているのだ。

「そんなばかな、野菜も加工食品も空前の安さなのに」
と驚かれるだろう。もちろん全ての人がそういうわけじゃない。けれども、７０～８０年代の環境問題に対する関心が高まりをみせた時期に「意識の高い層」と言われた、先鋭的な意識を持つ一部の人たちとは明らかに違う気がする。言ってみれば、一般的な趣味嗜好をもつが、こと食にはお金をかけますという人が多いように、僕には感じられる。

　たとえば今、有機農産物の購買に関する大規模な調査が実施されている。途中経過をみてみると、消費者が有機農産物を購入する場所は、圧倒的に一般のスーパーとなっているそうだ。一部のコアな有機宅配システムではなく、スーパーなのである。これには驚いた。スーパーは売れにくいものを並べることはあまりしない。だから、有機農産物をスーパーで買う一般層が増えていると考えられる。そんな時代なのだ。

　だから、今こそ「高いけれども、内実がある佳いもの」を訴えかけていくことが、食に関わる人たちにとって、重要なのではないかと思う。


<b>■高くて佳いものを消費者に直接訴求する方法</b>
<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image4.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image4.html','popup','width=466,height=700,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image4-thumb.jpg" width="113" height="170" alt=""  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>○2000円でも売れる飯尾醸造の「富士酢」

　実例を出してみよう。あなたは、いくらくらいならお酢にお金を払いますか？　大手メーカーが販売しているお酢はだいたい９００ｍｌで５００円程度だろうか。「まあそんなものかな」と思われたあなたは、同じ容量で２，５００円のお酢があったら、買おうという気になるだろうか。
　結論を出す前にお酢とはどんなものなのか、を識っておくべきだろう。


　よく「お酒の栓を抜いて放っておくと、お酢になっちゃうよ」というように、お酢はアルコールから作られる。酢酸菌を添加すると、菌がアルコールを酢に変えてくれるのだ。世界を見回すと、どの国でも、もっとも安価に多量にとれるアルコールでお酢を作っている。ビールやウイスキーなどの麦関連アルコールの多い国ではモルトビネガーだし、フランスやイタリアでは問答無用でワインビネガーだ。アメリカではアップルビネガーも人気。

　では日本は？　そう、米から作った日本酒を原料とした米酢が主流だ。しかし、こんにちの米酢は、米からのみ出来ているわけではない。「ん？どうして？」と思われるかもしれないが、日本農林規格においては１リットルの米酢を作る際に、４０ｇの米を使っていればいいとされる。しかし、１リットルのお酢を作るに足るアルコールは、米４０ｇからはとうていできないそうだ。そこで、でん粉などを原料としたアルコールなどを添加して作ることが許されている。

　「え？　米酢って米からだけ作られているわけじゃないの？」
と驚かれるかもしれないが、物資が乏しかった時代にできた農林規格がそのまま使われているからだろうか、日本のお酢に関する基準は「厳しい」とは思えない。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image91.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image91.html','popup','width=700,height=466,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image9-thumb.jpg" width="180" height="119" alt=""  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>　しかも、安く販売されているお酢のほとんどは、速醸法で醸造されている。アルコールに酢酸菌を添加したら、空気をぶくぶくと対流させて発酵を促し、なんと一日から二日間でお酢を作ってしまうという。この速醸法は醤油の製造でも行われているもので、大量に調味料を製造する基本的な技術とされている。しかし、一日から二日で作られるものは、当然それなりの味だ。大手メーカーの安いお酢は、口に含むとビッと酸味が効くが、その後すぐに刺激が減退し、旨みもほとんど感じられないものが多い（最近ではアミノ酸を添加して旨みを補っている製品がとても多い）。これがお酢の現状だ。


　一方で、愚直なまでに昔ながらの造り方を守っているメーカーがある。京都の丹後にある、天橋立で有名な宮津市。ここに飯尾醸造という、江戸時代から続くお酢屋さんがある。

　この蔵では、お酢作りをするための米を完全な無農薬で生産する。契約している生産農家は宮津近郊に限られ、一俵あたりの買い取り価格は驚くほどに高い。そして、蔵人達自身も棚田を借り受け、田植えや草取り、稲刈りを行う。昨年、こうして栽培した米を飯米として販売したのだが、有名な米穀小売店で食味検査をしたところ、特Ａ米レベルの非常に高い評価を得ていた。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image5.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image5.html','popup','width=700,height=466,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image5-thumb.jpg" width="180" height="119" alt="" /></a>　　<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image6.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image6.html','popup','width=700,height=466,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image6-thumb.jpg" width="180" height="119" alt="" /></a>


　それほど美味しい米を、まずは日本酒にする。なんと蔵にはきちんとした杜氏が居て、お酢に向く具合に酒を醸す。そうしてできた日本酒は、酒として飲まれることはなく、蔵のタンクに入れられ、酢酸菌の膜を移植される。その後はひたすら寝かせるだけである。その期間は１年～２年。大手メーカーが一日から二日なのと対照的だ。そうしてできるお酢は、酸味だけではなく、旨みがじわーっと口の中に余韻を引いていく。複数メーカーのお酢を並べてなめ分けてみれば、その違いは明白だ。

　ちなみに大手メーカーのお酢が１リットルで４０ｇしか使っていないものが多いのに対して、飯尾醸造の「純米富士酢」は５倍の２００ｇを投入している。もちろん米以外のアルコールは添加していない。
　この富士酢を上回るものすごい商品が昨年、飯尾醸造から満を持して発売された。その名も「富士酢プレミアム」。なんと１リットルのお酢を作るのに、米を３２０ｇも投入しているのだ！　できあがった酢は、２００ｇの米を使った「純米富士酢」よりも香気が強く甘やかな味わいがあり、そして、旨み成分の多さは圧倒的だ。舐めてみれば一目瞭然。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image7.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image7.html','popup','width=466,height=700,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image7-thumb.jpg" width="119" height="180" alt=""class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　ただし、、、　この富士酢プレミアム、小売価格が２，０５８円もする（０９年１２月現在）のだ。これは、大手メーカーの米酢５００円から比べると４倍もの価格差。そんな値段のお酢、売れないんじゃないだろうか？　通常はそう思うだろう。ところがどっこい、この富士酢プレミアムがバンバン売れているというのだ。

「この商品はスーパーなどにはあまり置いておらず、百貨店さんとうちのホームページで販売しているくらいなのですが、、、驚くほどにホームページからお買い求めいただくお客さんが多いんです。高額な富士酢プレミアムがここまで売れるとは思っていませんでした。」


　通常、調味料の世界では、プレミア商品は、利益を出すために作るものではなくて、メーカーのプライドのためにちょっとだけ造って販売するものだ。しかし飯尾醸造では、このプレミア商品が売れ筋になっているというのだ。

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image8.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image8.html','popup','width=700,height=466,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image8-thumb.jpg" width="180" height="119" alt="" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>「予想していなかったことなのですが、全販売量の１割は超えています。この商品は、きちんと利益もいただける価格設定をしているので、私たち蔵人にとってはありがたいことです。」

　そう、安めの価格設定で、卸経由の取引をベースにするレギュラー品を薄利多売で売るよりも、プレミア商品が一定量売れる方が、メーカーとしては息をつくことができる。飯尾醸造ではそれが実現しているのである。


<b>■「わかる人」を相手にしよう</b>

　飯尾醸造という一つの事例で恐縮だが、４倍の価格差があっても、佳いものを買うという層がいることは確かだ。それにこうした話は、他にも多々あるのである。不況だ、不景気だと連呼されているけれども、ちょっとマスコミが騒ぎすぎているように感じられる。実体経済も冷え込んではいるが、それだけで語れるほどに経済は単純ではないと思う。特に食に関しては、徹底して安値を志向する層もいる一方で、徹底して高い質を求める層も出てきている。それも、ハイソサエティではなく、ごく一般の層にだ。これから食の世界が相手にしていかなければならないのは、そうした人たちなのではないだろうか。

　伊藤忠ファッションシステムというシンクタンクが昨年調査した結果によると、消費者の食生活を高関心・中関心・低関心に分けると、高い関心を持つ層は４１．５％だそうだ。


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image101.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image101.html','popup','width=554,height=334,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamaken_0912_image10-thumb.jpg" width="480" height="289" alt="" /></a>


　この４１．５％の中には、佳い食に対しては、相応のお金を払ってよいと考える人が相応に含まれていると考えることができる。これから食の担い手が考えていくべきは、何を言ってもなびかない中関心・低関心な人たちを振り向かせることではなくて、高関心な人たちに対して、正しい情報を正しい形で届けることだろう。そこにはマーケティングの考え方が必要になる。ただし、もちろんマーケティング以前に、佳い商品を持っていることがより重要になる。
　いまを「不況だ」と嘆くより、「いい時代だ」と捉えて、積極的に勝負に出てもいいのかもしれない。（了）

]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/yamamoto-kenji/2010/01/12/091800.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/yamamoto-kenji/2010/01/12/091800.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">やまもと　けんじ</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 12 Jan 2010 09:18:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>信州発　“農”と言える日本人　【９】</title>
         <description><![CDATA[<b>「農協」と「ＪＡ」　～来年度の基本方針に物申す～</b>

　　　　　　　　　高見澤勇太


　私の所属するＪＡ長野八ヶ岳は、平成１３年度に発足した。南佐久郡南部にある５町村の農協が１つになった、合併農協である。

　先日、そのＪＡ長野八ヶ岳 南牧支所の支部懇談会があった。その際のプログラムである。


<img alt="takamizawa9_image2.jpg" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa9_image2.jpg" width="180" height="120"  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>１） ２１年度野菜生産販売の総括、及び２２年度の基本方針（案）
２） ２２年度生産技術方針の説明（新品種の栽培技術指導、新資材の使用に関する注意点など）
３） ２２年度農業資材注文書について（資材価格・助成金など）
４） その他

　どれをとっても、ＪＡの内容説明に対して、物申したいことばかりだった。全部を書いたらコラム１年分でも足りないので、そのほんの一部をここで述べたい。


<b>■南牧支所の売上げは、前年対比１０％減である</b>
　売り上げが前年の９０％に落ちた。市場外流通が増えたことが、原因のひとつである。スーパー・量販店・外食産業などは、野菜の調達を市場から独自のルートにシフトしている。自社農場での栽培、特定の契約農家やＪＡから直接仕入れる、こだわり野菜の生産者と直取引、などだ。
　その結果、市場流通の割合が減って取扱量が減少、おまけにＪＡは市場依存度が高いので、品薄にならない限り、価格もいつでも安値のままだ。どういう手を打つのか、ＪＡには考えてほしい。


<b>■大義名分はいらない！</b>
　２２年度基本方針には、「そ菜生産の作柄安定と計画生産、計画出荷を推進し、消費者ニーズに沿う信頼される正直な産地として安心且つ･･･」
　この後も大義名分が続くので省略する。美しい文章で飾られたこの基本方針には、“百姓の心意気”とでもいうような熱いものは全く感じられない。これでは、「絵に描いた餅」そのものだ。


<img alt="takamizawa9_image1.jpg" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa9_image1.jpg" width="180" height="120"  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a><b>■巨大化したＪＡは誰のためのものか</b>
　小さい農協では資金繰りなどの面で先行きが危ぶまれるといい、合併がどんどん進んだが、ＪＡは巨大化し過ぎている。発足当時の協同の理念は、どこかへ行ってしまった。
　大きなＪＡ（ＪＡ長野八ヶ岳は農産物年間総売上高２００億円以上、預金総額５００億円超である）は、農家のための農協ではなく、ＪＡ自体が独り歩きした一民間会社にすぎなくなったのではないだろうか。農家の実情は二の次で、組合を存続させることが第一目的、そんな現実が見え隠れする。


　農家のＩさんがこう訴えた。
　『農家のための農協なのに、農家が赤字でも農協職員の給料は減るわけではなく、農家の買う資材も安くはならない・・・』と。

　同感である。
　もしＪＡが農家のためのＪＡならば、稼ぎの多い年には農協職員・役員の給与も増えて赤字の年には少なくなる。そんな過激で大胆な農協があってもいいんじゃないか！！！？？？　民間企業では、赤字なら役員報酬・従業員給与の削減・ボーナスカットは当たり前だ！


　これをやらない、できない「ＪＡ全農グループ」は、テレビの時代劇によくある光景にたとえるならば、こうであろうか。「農民が凶作で苦しんでいても年貢を取り立てる、悪代官がＪＡ」で「グループ企業の資材を高く売るのが、悪徳商人の越後屋」
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/cat68/2010/01/05/091800.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/cat68/2010/01/05/091800.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">たかみざわ　ゆうた</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 05 Jan 2010 09:18:00 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>青虫の足あと【３０】</title>
         <description><![CDATA[<b>さらば？！うんこ座り</b>

　　　　山田早織


ちょっと前にテレビで養老先生が「トイレが日本人をだめにする」という話をしているのを見た。水洗トイレが進化していくことと日本人がダメになっていくことの関係を聞いて、ふむふむ・・・なるほど！！　と感心し、その後モヤモヤ考えた。

養老先生の話は、大きく分けると「排泄物がさ～～っと流れていく水洗トイレ」についてと、和式から洋式に変わったことについて。


<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamada_30_1.jpg" width="141" height="142"  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/>びっくりした。
子どもの頃から洋式のトイレを使っている「イマドキ」の子どもたちは、「うまくしゃがめない」というのだ。
子どもたちがしゃがむテストを受けている映像が流れる・・・

ホントだっ！！

私たちには当たり前にできる「しゃがむ」動作。
ペタンとおしりを床につけてしまう子、腰が浮いたままの子、なんともショッキングな・・・

つまり、「うんこ座り」と呼ばれる座り方が世の中から消えてしまうということか！！
そりゃ大変だ！　　・・・でも確かに我が家も洋式のトイレだ・・・


子どもの頃、父に叱られている間は正座だった。（私はよく叱られた・・・涙）
足がしびれたのを通りこして、ひざを伸ばすのもまた曲げるのもどうしようもなく痛い。
やっとお説教が終わり、我慢していたトイレに駆け込み、和式のトイレに「うんこ座り」する・・・のが痛くてつらくて。
まさに二重苦、三重苦！！
でも、「なにくそ～～～！！ちくしょ～～！！」という気持ちは高まる（単純）

そういうのって、ないんだ。
今は洋式便座が、やさしく温かくしょんぼりとしたおしりを包み込んでくれる。


妊婦のときは確かに和式のトイレを使うのが大変だったけれど、「妊婦体操の一種だ～」
なーんて思いながら使っていた。
「しゃがむ」って大切だよね。
剣道の試合も「そんきょ」から始まる。
（剣道部だったから）


<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/yamada_30_2.jpg" width="190" height="127"  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/>そこで考えた。
和式のトイレに変わるものを。
そしたら・・・あるじゃん、あるじゃん、いいものが！！
それはもちろん、「農作業」！！

草取りも、苗の植え付けも収穫も・・・しゃがみっぱなしじゃん！！

農業をやれば足腰も鍛えられるし、うんこ座りも楽々クリアーできるようになるはず♪
毎日少しずつの草取りとか・・・

学校の授業や日課に取り入れてはくれないものか・・・
養老先生～！！

・・でないとそのうち「草取りのためのしゃがみ方講座」を開かなくちゃいけなくなるよ。


うんこ座りは日本の宝だっっ！！
未来の子ども達にうんこ座りを残そうではありませんか！！
（うんこ、うんこ連発してすみません・・・）
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/yamada-saori/2009/12/25/091841.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/yamada-saori/2009/12/25/091841.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">やまだ　さおり</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 25 Dec 2009 09:18:41 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ぐるり農政【３０】</title>
         <description><![CDATA[<b>揺れる戸別所得補償事業の評価</b>

　　　　　明治大学客員教授　村田　泰夫

　
　民主党政権の農政の目玉である<b>「戸別所得補償制度」</b>は、財務省からの予算削減要求をはねのけ、農林水産省の要求通り実施されることになった。米を対象とした来年度のモデル事業は、総額５，６１８億円にのぼる。そのうち、生産コストと販売価格との差額を支給する「米戸別所得補償モデル事業」が３，３７１億円、これまでの転作助成金に相当する「水田利活用自給力向上事業」が２，１６７億円である。


<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/murata_colum30_3.jpg" width="180" height="128"  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/>　この戸別所得補償制度について、自民党は「政策目的がはっきりせず、現場の農家は混乱している」（宮腰光寛・農林部会長）と強く反対している。ところが、農協は微妙だ。これまで自民党政権下で、二人三脚で肩を組みながら農政を進めてきた全国農協中央会（全中）は、民主党政権の戸別所得補償制度について当初、批判色を強めていたが、ここにきて肯定的に受け止める見解も示し始めた。


　改めて、戸別所得補償制度の仕組みをおさらいしてみると──。来年度、米を対象に先行実施するモデル事業は、「全国一律」を原則としている。過去数年間の全国平均の販売価格から全国平均の生産コストを差し引き、赤字分を「定額」として販売農家に支給する。仮に来年度の販売価格がものすごく下がった場合には、その「差額」部分も上乗せして支払う。全国平均よりコストのかからない大規模経営や、全国平均より高く売れる銘柄米を作っている地域の農家にも、定額部分は一律に支給する。逆に、全国平均よりコストのかかる地域や、高く売れない米を作っている地域では、十分な補填を受けられない。


　この「全国一律」というのが、来年度のモデル事業の特徴だ。地域の特性に応じたきめ細かな制度設計が時間的に間に合わなかったということもあるが、もともと「仕組みはシンプルな方がいい」（山田正彦・農水副大臣）という民主党の考え方によるものだ。自民党は、地域や経営規模によって大きな不公平が出るとして反対しているのだが、与党を批判しないと独自色を出せないという事情の絡む「党利党略」的な反対でもある。


　農家のふところにかかわる農政の大転換だけに、自民党に付き合って「何でも反対」というわけにはいかないのが農協の立場である。農協も自民党と同じスタンスで一応「全国一律」を批判しているのだが、「それは来年度限りのモデル事業であり、問題点があれば再来年からの本格実施の際に手直しする」と政府にいわれてしまうと、「ごもっとも」と引き下がらざるを得ないのである。


<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/murata_colum30_1.jpg" width="131" height="180"  class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/>　全中の「政策提案」によると、モデル事業に対し「米の計画生産参加者への追加メリット対策と位置付ける」と一定の評価をしたうえ、さらに「全国統一単価による交付に加えて、地域・銘柄ごとに、どうしても生じかねない価格変動・収入下落に対して、担い手の所得が万全に確保される対策を別途措置すべきである」といっている。


　少しくだいていうと、

１．全販売農家を対象とした全国一律の定額交付金は、いわば稲作農家支援の「一階」部分であり、米価の下落傾向に対処した「岩盤対策」として高く評価できる 

２．しかし、「一階」部分だけでは担い手農家の経営は不安定なまま。価格変動に対応できるように、生産者から一部拠出金を得てもいいから、対象を担い手農家に絞った経営安定のための「二階」部分を設けるべきだ、　というのが全中の考え方なのである。　


　これは、民主党の現政権が考えていることと実はそっくりである。モデル事業では、全国統一の定額を交付することにとどめるが、再来年から取り組む本格実施では、地域の特殊事情、経営規模、品質、環境農法の採用など、政策さまざまな要因に配慮した「加算」措置を導入することにしている。農協は「来年度から実施せよ」と主張しているが、政府は制度設計に1年かかるとして「再来年から実施」といっているだけの違いである。　（２００９年１２月２１日）
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/murata-yasuo/2009/12/21/101341.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/murata-yasuo/2009/12/21/101341.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">むらた　やすお</category>
        
        
         <pubDate>Mon, 21 Dec 2009 10:13:41 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>日本の「食」は安すぎる　【５】</title>
         <description><![CDATA[<b>取引から取組へ</b>

　　　　　　　　　　　　　　　　農産物流通・ＩＴコンサルタント　山本謙治


　相変わらずスーパーなどの小売業界は、「消費者のために」という錦の御旗を掲げながら、第一次産業の産品を安く叩きまくっている。でも、産地の高齢化が進み耕作放棄が進む中で、そうした状況は変わっていくかもしれない。現に、スーパーのバイヤーも「いままでつきあってきた契約産地が、高齢化でもう出荷できないと伝えてきた」と慌てているという話は、半年前に掲載したコラムでも書いたとおりだ。

<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/11/yamaken_0912_image1.jpg" width="120" height="180" class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/>
　その状況は全く好転していない。ちまたでは農業ビジネスなどという、実体のないブームが取りざたされているけれども、既存農家が儲かっていないのに、農業のプロでもない彼らが何を持って成功できるというのか、皆目見当もつかない。ブームが去ると、「ん、こりゃどうやっても儲からんな」ということに気づいた新規参入組も、波が引くように撤退していくだろう。そうなると今後、レベルの高い農産物をある程度まとまった数量で供給できる産地は、発言力が上がっていくはずだ。


　先日、とある生産者組織の総会におじゃました。有機・特栽農産物を中心に宅配するグループの生産者の会で、その会長が壇上からこんな話をされていた。
「われわれは、もう「取引」はしない。「取組」をしてくれるところとしか付き合わない！」
おお！と身体が震えた。

　「取引」は、モノとカネの等価交換にすぎない。これこれこういうスペックの米を何トンでいくら、はい引き渡しましょうというものだ。でも、これだと、現物がないことにはモノもカネも動かない。

　しかし、だ。無農薬や有機といったものは、高温多湿の日本においては生産者に大きなリスクがかかる。最悪、全滅のおそれもあるわけだ。そのリスクをとるためには、「もし収穫量が減っても買う、最悪全滅したら補償する」という約束がなければ作ることができない。これは等価交換ではない。リスクをも持ち合うということであり、これこそ「がっぷり四つの取り組み」である。この生産者組織の会長はそういうことを言っているのだな、と感じたのだ。


<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/11/yamaken_0912_image3.jpg" width="120" height="180" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/>　そう、バブル後の日本は、不況を理由にして、取引一辺倒の世の中になっていた。でも「取引」中心の世界では、佳いものなんて生まれようがない。生産者だってリスクを冒せないから、スペックを満たすものをギリギリのコストで作るということしかできるわけがない。そこに追い打ちのように、さらなる価格引き下げの圧力がかかる。そりゃあ、ミートホープのように偽装しなきゃやっていけないと思う業者だって出てくるはずだ。そう、偽装を生み出しているのは、安いモノを求める消費者であり、小売をはじめとする販売業者なのだ。


　じゃあどうすればいいのか。販売業者の意向を変えることが出来るのは消費者だけだ。消費者が「うーん、少々高くても佳いものが欲しい」と意思表示しなければ、彼らだっておいそれと変わるわけにはいかないのだ。だから、やはり消費者の意識を変えていかなければならない。ま、これがいちばんの難物だ。しかし、流れはちょっとずつ変わってきていると思う。


　「エシカル・ソーシング」という言葉をご存じだろうか。エシカル（倫理的な）・ソーシング（調達・仕入）というのは、簡単に言ってしまえば、相手先を叩かない購買活動のことだ。開発途上国に森林伐採を強いるような買い方をしたり、枯渇しそうな水産資源を乱獲させるような購買をしてはいけない、などさまざまなエシカルソーシング議論がある。日本ではフェア・トレードという言葉の方が先行しているが、その文脈だといえばわかりやすいだろう。このエシカル・ソーシングという考え方が欧米では浸透してきているという。

<img alt="" src="http://www.jeinou.com/photo/2009/11/yamaken_0912_image2.jpg" width="180" height="120" class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/>　たとえば、アメリカではいま、安売りスーパーの王者であるウォルマートの企業行動を監視し、相手国を叩きまくるような購買行動や、従業員の労働環境が劣悪なことを告発するようなＮＰＯの活動があるという。告発されると企業としての信頼を損なうため、ウォルマートも企業方針などを変えるなど、効果が上がっているようだ。スターバックスのコーヒー豆調達に関しても、エシカルソーシングの文脈で批判された経緯があり、その後、調達方針が変わったという話もきく。


　この話は、しばらく前の環境問題に通じている。日本で１５年ほど前に環境問題が語られる時、ビジネスの中で真剣に議論される日が来ると思った人がどれほどいただろうか。今、ＣＯ２排出量に敏感でない一流企業は存在しないといっていい。エシカルソーシングの波も、浸透までに時間がかかるかもしれないが、きっと理解が拡がるだろう。現に消費者の動きは変わりつつある。（つづく）





]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/yamamoto-kenji/2009/12/11/091825.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/yamamoto-kenji/2009/12/11/091825.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">やまもと　けんじ</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 11 Dec 2009 09:18:25 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>信州発　“農”と言える日本人　【８】</title>
         <description><![CDATA[<b>「うさぎとカメ」は、「目標や夢を持つ大切さ」の話だった</b>

　　　　　　　　　高見澤勇太


　　♪もしもし　カメよ　カメさんよ♪～～でおなじみの「うさぎとカメ」のお話では、なぜうさぎがカメに負けてしまったのか。うさぎが途中で寝てしまったから･･･ではありませんよ。答えは、うさぎとカメの視点の違いです。“うさぎはカメを見ながら競争に臨んだ”一方、“カメは目的地点を見据えて競争に臨んだ”からです。

<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa8_image3.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa8_image3.html','popup','width=300,height=237,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa8_image3-thumb.jpg" width="180" height="142" alt="山本富士夫氏"  class="pict" align="right" hspace="10" vspace="10"/></a>　長野県農業士協会東信ブロック研修会で、こう若手農家に語りかけてくれたのは、北佐久園芸株式会社 代表取締役、山本富士夫氏。童話をそのまま今の農家の現状に当てはめて、話が続いた。


「皆さんは仕事をする時に、何を目標にしていますか？　大概の農家は、隣近所の農家を見て仕事をしています。『隣の家が大きいトラクターを買ったからうちも欲しい』『隣の家がレタスを播いたからうちも』『隣の家が･･･』と、視線の先はつねに“カメ”です。
しかし、本当の目標は隣の家ではないはずです。自分が追い求める目標や夢があるはずです。無かったら持ちましょう」


「人生・仕事の結果＝考え方×熱意×能力」
これは京セラの創業者、稲森和夫氏の考え方です、と次の話が始まった。

◎人生・仕事の成果＝
考え方（人間としての生きる姿勢）×熱意（やる気）×能力（頭脳・健康・運動神経）
（－１００～１００）　　　　　  ×（０～１００）　 ×　（０～１００）


<a href="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa8_image4.html" onclick="window.open('http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa8_image4.html','popup','width=821,height=500,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://www.jeinou.com/photo/2009/12/takamizawa8_image4-thumb.jpg" width="220" height="133" alt="" class="pict" align="left" hspace="10" vspace="10"/></a>　能力がたとえ２でも、熱意が１００あって考え方が５０なら、＝１００００である。ところが、能力が１００で熱意が１００であっても、考え方がマイナス思考（世の中をすね、恨み、まともな生き方を否定する）ならマイナスがかかる。人生や仕事の結果は、能力があればあるだけ、熱意が強ければ強いだけ、大きなマイナスになる。と説いたそうです。「農業青年のみなさん、素晴らしい考え方、人生哲学を持つことで、未来は大きく変わってきますよ」と、わかりやすく解説してくれた。


　その他にも山本氏ご自身の生い立ち、市場・仲買人の裏話、マーケティング等、興味深い話が続いたのであった。
　研修会終了後は場所を食事処に移し、山本氏、普及所職員、農家総勢約３０人で懇親会に突入した。酒が進むと、それぞれが今の思いや考え方をさらけ出し、熱い時間が過ぎていった。


◆◆◆


　講演を聴いて、昨今、栽培しやすく高く売れる品目を作ることに傾いて、本当に大切な、野菜を買って食べてくれる生活者のことをあまり考えていなかったことに気がついた。こんな野菜が食べたい。栽培方法は？　誰が作った野菜なの？　そんな生活者の声に耳を傾けていなかった気がする。


　「元々農家の方より、新たに農業分野に参入した人のほうがポイントを押さえている。根っからの百姓は、作るのは上手くても売るのは苦手で、商売上手な新興勢力に負けてしまうからである」これは、印象に残ったマーケティングの話。

　それでは、既存の農家が負けないためには、どうしたらよいのだろうか。それには、もっと生活者に接近して声を聞き、要望に応える、難しい注文や意見にも耳を傾けて、課題に取り組む、生活者と意見交換をして、農家の実情もわかってもらう。そのような地道で、カメの歩みのようなゆっくりとした改革でも、進むのを止めなければ、やがては目的地までたどり着けるのではないだろうか。


　農家のみなさん、あわてずに歩きましょう。そして生活者のみなさん、日本の明るい未来のためにも、国産の農産物を応援して下さい。よろしくお願いします。
]]></description>
         <link>http://www.jeinou.com/column/cat68/2009/12/08/091845.html</link>
         <guid>http://www.jeinou.com/column/cat68/2009/12/08/091845.html</guid>
                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">たかみざわ　ゆうた</category>
        
        
         <pubDate>Tue, 08 Dec 2009 09:18:45 +0900</pubDate>
      </item>
      
   </channel>
</rss>
