提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


信州発 "農"と言える日本人 【45】

2012年12月28日

戦力外通告

                              高見澤勇太


先日テレビで、プロ野球選手の戦力外通告の番組を見た。
20代~30代前半の若者たちが職業を奪われてしまう。
非情で過酷な現実だが、
プロの世界、結果がすべての世界では受け入れるしかない。


takamizawa45_1.jpg農業の場合はどうだろうか?
プロスポーツ選手のように急にクビになるのとは正反対で、
じわじわと真綿で首を絞められるように廃業になる場合が多い。

農業は自給できる食料が多く、自分や家族に給料を支払わないことが可能だ。
農業経営で赤字になっても、数年は食い繋ぐことができるからだろうか。
当事者は「自分の経営方針に間違いはない」と自負していても、
周囲から見ると明らかに無茶な栽培計画、過剰投資などの実態がある。

農業には定年退職というシステムがない。
気力・体力・財力がある限り、死ぬまで全うできる職業だ。
その反面、辞める潮時は難しい。


自分の場合はどうだろうか。
この先どんな人生を送りたいのだろうか。


takamizawa45_2.jpg想像と妄想をした。


...想像1...
息子が大学を卒業して、すぐ就農。
もしくは、社会人を経験してから就農する。
それから5年で農業に関するすべてを習得して、自立。
自分は趣味に没頭する。
年齢的には58歳、第二の人生が楽しみ。


...想像2...
子供たちが農業を継がず、それぞれの職業に付き自立。
夫婦二人の生活に必要な分だけ働く。
理想は自給自足の方向に進む。
静かな余生を送る。


...妄想3...
TPP導入により地域農業が壊滅的な状況になる。
しかし、小さい農家が小異を捨てて大同団結。
新たな農業スタイルが確立される!
農業がメジャーな職業になり、若者たちが地元に帰る!


takamizawa45_3.jpg 世の中の流れが早く、
今までは「10年ひと昔」といわれたが、
現在では「3年ひと昔」くらいであろう。

短期間で劇的に変化する時代に、自分は
『変化には変化で対応』するのか!! それとも、
『変わらないことで、時代が自分に近づく』のか!!
どちらにも行ききれず、そんな狭間でもがき苦しんで行くのだろうか。
戦力外通告を自分で感じ取る、その日まで・・・。

たかみざわ ゆうた

1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」