提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


信州発 “農”と言える日本人 【10】

2010年01月26日

『Dreams come true』

         高見澤勇太


 南牧村から2人目のオリンピック選手が誕生した。カナダのバンクーバーで開催される2010年冬季オリンピックに出場する、吉沢純平選手(24)である。

 純平選手がエントリーするのは、スピードスケートのショートトラック(※)という種目。3歳からスケートを始め、山梨学院大学付属高校・同大学とスケートを続けた。

 社会人になってからも、オリンピックを目指してがんばるために就職活動をしたが、40社近く受けたものの就職できなかった。悩んだ末、「とらふぐ亭」に勤務する兄に相談した。社長に話を通してもらい、同社に就職が決まった。配送などの仕事と両立しながらがんばった。しかし、良い成績は残せなかった。


「このままではダメだ」と自腹で150万円をかけて、海外で練習した。日本へ帰ってからも、有名なコーチの下で“足前”を磨いた。その成果が出て、9月の全日本距離別500メートルに優勝するなど、急成長を遂げた。

 12月の全日本選手権では、奇跡が起きた。2回も転倒しながら、最後まであきらめずにゴール。失格した選手が出て、繰り上げで3位になり、五輪への切符を手にした。
 これはただの“運”だけではないと思う。あきらめずに努力したからこそ、純平選手に神様がくれたチャンスだろう。

 
 農業だって同じだ。あきらめずに自分の目標に向かってがんばれば、きっとチャンスは訪れるはずだ。
農業で転ぶ(失敗する)のは2回や3回じゃない。多分、失敗の連続だと思う。だが失敗の回数が多い人ほど、本物に近づいて行く。

 「奇跡のリンゴ」で有名な青森の木村秋則さんは、リンゴの無農薬栽培を始めて6年間失敗し続けて、9年目でやっとリンゴの木に花が咲いた。失敗が成功の土台になったことは、誰にでも分かるはずだ。


 さあ、農業で夢見るみなさん、成功するために失敗しましょう。きっと自分の中の『Myオリンピック』はあなたを待っているはずです・・・。


(※) ショートトラック競技は、1周約111メートルの小さなリンクを、4~6人で滑る。接触・転倒することが多く「氷上の競輪」とも呼ばれる。

たかみざわ ゆうた

1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」