提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


「野菜ソムリエ」の元気を作るおいしい食卓【11】

2014年11月20日

農園イベント「収穫体験&農家のおもてなしランチ」   

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター 田代由紀子   


 「野菜がどうやって作られるか、作るために農家がどのような工夫や苦労をしているのか、知っていますか? 普段食べている「野菜」は、農家の努力が実ったものです。野菜の育つようすや普段食べている野菜が「葉」「茎」「花」どの部分なのか、自分の目で確かめてみませんか?」

 そんな思いを込めたイベントが、先日小平市内の農園で「収穫体験&農家のおもてなしランチ」として開催されました。野菜愛に満ちた農園主ご夫妻の思いに共感した私も、微力ながらお手伝いをしました。参加者が集まるかとの当初の心配も杞憂で、定員を大幅に上回る方にご参加いただき、大盛況の会となりました。


 晴天のもと、長靴にはき替えた皆さんとともに畑へ。ゴボウ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーなどの畑を見ては「きゃー、わーい」の歓声とともに写真撮影。商品として売り場で見る野菜とは雲泥の差の色つや、みずみずしさに感激の声が、あちらこちらから聞こえてきました。このあたりの農家は、多品種の野菜を栽培しているのが特徴ですが、こちらの農園は特に多くの種類の野菜を育てているので、見学するだけでもワクワクします。


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左 :カブの収穫 / 右 :キャベツ


 最初の体験であるサトイモ畑へ。掘りやすいように地上の葉を刈り取った畑で、各自スコップを持ってチャレンジです。サトイモを傷つけぬようまわりの土をそっと取り除き、親イモの下にスコップを入れて、テコの原理を利用して一気に掘り起こします。女性には力のいる仕事ですが、掘り起こせた時には、なかなかの快感です。園主さんから親イモ、子イモ、孫イモについて特徴や調理のポイントなどのレクチャーもあり、今後のサトイモ選びに大いに役立ちます。


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サトイモの説明(左)と収穫(右)


 ブロッコリー畑では、「商品」としての収穫のコツを伝授。値札用に茎を長めに残すこと、コンテナなどに詰めたときに花蕾が傷つかぬよう、周りの茎も長めに残すことなど、プロならではの野菜への配慮を感じることができました。また、同行してくださった普及指導員の方からは、おいしいブロッコリー、品評会で入賞するブロッコリーの違いなど、興味深い話を聞くこともできました。


 カブやニンジンの収穫では、土の中から現れる野菜に一喜一憂し、ピーマンの木の前では、収穫を忘れ緑のピーマンと赤ピーマンの食べ比べをしたり、土とふれあい野菜との距離がぐっと縮んだようです。


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左 :ブロッコリー畑 / 右 :紫カリフラワー


 収穫体験を終えると、野菜づくしのランチが出迎えてくれました。つい先ほど自分で収穫した野菜が料理となって味わえる、ぜいたくな食事です。シンプルな調味料や調理法だからこそ味わえる、野菜本来のおいしさに参加者一同、満面の笑みがこぼれます。
 中でも野菜たっぷりの「煮だんご」は大人気。このあたりに古くから伝わる郷土食で、体の中からポカポカ温まります。サトイモ・ニンジン・ダイコン・ネギ・ゴボウなどたっぷりの根菜に、手作りコンニャクと鶏肉で作る醤油味のおつゆに、固めにこねた小麦粉のお団子を入れて煮込みます。自家製のゆず胡椒を加えると、また一味違った風味に。


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野菜づくしのランチ


 熱心に作り方をメモしたり、直売所で野菜を購入したり、それぞれのご自宅でも再現されることでしょう。
 野菜がご縁で知り合った皆さんとの新たな繋がりに感謝の1日でした。


たしろ ゆきこ

野菜ソムリエ・アスリートフードマイスター。「楽しく、美味しく、健康な生活を!」をコンセプトに野菜についてのコラム執筆、セミナー開催、レシピ考案などを行っている。ブログ「最近みつけた、美味しいコト。。。」で日々の食事メニューを発信中。