提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


麦・大豆

麦編 ムギ類の収穫

2011年2月 8日

はじめに

●ムギ類は、主にイネ・ムギ兼用の自脱コンバインで収穫されることが多いです。
●大豆などの転作作物が導入された地域では、普通型コンバイン(汎用コンバイン)で収穫されることがあります。
●ムギ類の収穫作業はコンバインを使い、その後の処理も水稲とほとんど同じ作業工程であるため、ムギ類特有の問題を忘れがちです。
●ムギ類は水稲と異なり刈り遅れによる胴割れなどの問題は生じにくいですが、収穫時期は梅雨時期と重なることが多く、雨害などによる品質低下を防ぐために、収穫適期以降に素早く収穫しなければなりません。

コムギの収穫

「収穫適期」 
●外観的には茎葉が完全に黄色くなり、穂軸から緑色が抜け、粒の緑色も抜けて爪跡がほとんど付かないようになった頃が、収穫適期です。


収穫適期のコムギ

「自脱型コンバインの機械収穫」 
●作業能率や品質からみて成熟期の2~3日後(穀粒水分28~30%以下)に収穫します。
●高水分(穀粒水分30%以上)の場合、損傷粒の発生による灰分の上昇が危惧されること、こぎ胴の回転数を10%程度落とすため作業能率が低下すること、夾雑物の混入も多くなるなどの問題が生じるため、収穫には注意が必要です。
●穀粒水分17~18%までに水分を低下させると、乾燥コストは低減されるものの、脱粒などのロスが多くなること、雨害にあわなくても日本のような高温多湿の条件では品質が悪くなる恐れがあることから、適期に収穫することが大切です。

「普通型コンバインの機械収穫」 
●構造上の特徴から、自脱型コンバインよりも高い穀粒水分での収穫が可能とされ、水稲に比べてムギへの収穫作業適応性は高くなっています。


 :汎用コンバイン(提供 :中央農業総合研究センター渡邊 好昭氏)
 :自脱型コンバイン

ビール用二条オオムギの収穫

●外観的には大部分(8割程度)の穂首が90度以上に曲がった頃が収穫適期です。
●ビール用二条オオムギでは、ビールの原料となる麦芽を作るため「発芽勢」が重視されます。
●「発芽勢」を低下させないため、穀粒水分が25%以下になった時が収穫の目安になっています。
●剥皮などの損傷が生じないように、試し扱きを行い、こき胴回転数を調整することが望ましいです。なお、こぎ胴の回転数は、通常の10%程度減が1つの目安となります。


収穫適期のビール用二条オオムギ (提供 :福岡県農業総合試験場)

種子用ムギの収穫

●発芽が重視されるので、ビール用二条大麦と同様にこぎ胴の回転数を10%程度落とす必要があります。
●掃除がしやすい構造の種子用コンバインを利用すると、異品種等の混入が防ぎやすくなります。

ムギ類収穫時の注意点

●コンバインは複数穀物の収穫に利用するため、異種穀粒が混入して検査等級が下がらないように、作業前に十分に清掃します。

執筆者 
関 正裕
中央農業総合研究センター北陸研究センター 北陸水田輪作研究チーム
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