提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


麦・大豆

麦編 ランク区分 オオムギ

2011年1月14日

はじめに

●オオムギに求められる品質は、用途別に異なります。
●オオムギのランク区分は、
 (1)六条オオムギおよびハダカムギ(麦茶用以外)、
 (2)二条オオムギ(麦茶用以外)、
 (3)麦茶用二条オオムギ六条オオムギおよびハダカムギ の3種類があります。
●麦茶用以外の用途は、主食用(麦飯用)、焼酎用、味噌原料用などです。
●搗精(とうせい)してから加工利用されるため、精麦適性が高いことが求められます。

「ランクの付け方」 
●それぞれに4つの評価項目があり、基準値と許容値が設定されています。
●評価項目4つのうち、3つの評価項目の値が基準値内に入っていればAランク、2つが基準値内であればBランク、1つであればCランク、0であればDランクになります。
●3つの評価項目の値が基準値内であっても、残りの一つが許容値内に入らないと、Cランクに格下げになります。

六条オオムギおよびハダカムギ(麦茶用以外)の評価項目

「容積重」 
●容積重は、ブラウェル穀粒計、または電気式穀粒計で測定します。
●容積重が高いと、精麦歩留(精原麦に対する精麦の重量比)も高くなります。
●播種の遅れや湿害、高温登熟の発生によって、容積重は下がるので注意します。

「細麦率」 
●細麦率が低いほど評価が高くなります。
●大麦の芒(ボウ)やはだか麦の頴(エイ)を取り除いて、基準の縦目篩(たてめふるい)を使って測定します。
●全重に対する篩(ふるい)を通過した麦の重量比で、求めます。
●穂数が多すぎた場合や倒伏した場合に、細麦率が増加します。


細麦率の調査 (左 :2.2mm篩上 /右 :2.2mm篩下)
2.2mm篩下の麦が細麦となる


「白度」 
●基準の歩留まりまで搗精して、白度計で測定します。
●白い粒が好まれるため、白度が高いほど高品質と判断されます。
●硝子率(後述)が高くなると、白度の低下につながります。


白度の違い (左 :白度38.8  / 右 :白度46.4)
*55%搗精をした六条大麦


「硝子率」
●麦粒を切断し、切断面を観察することで判定します。
●半透明で硝子状の部分が切断面の70%を超える粒を硝子質粒、30%以上70%以下の粒を半硝子質粒、30%を下回る粒は粉状質粒、とします。
●子実タンパク質含有率が高いと、硝子率が高くなる傾向があります。
●子実タンパク質含有率が高くならないように、止葉抽出期以降の遅い窒素追肥は避けるようにします。


硝子質粒と粉状質粒の違い
  *六条オオムギの断面
 左 :断面の70%以上が半透明で硝子状なので硝子質粒
 右 :断面の70%以上が白く粉状なので粉状質粒


表1 六条オオムギ及びハダカムギ(麦茶用以外)の評価基準
六条大麦及びはだか麦(麦茶用以外)の評価基準

二条オオムギ(麦茶用以外)の評価項目

「容積重」「細麦率」および「白度」は、前項の六条オオムギおよびハダカムギ(麦茶用以外)と共通の評価項目になりますが、基準値は異なります(表2参照)。

「正常粒率」 
●歩留まり65%まで搗精して、1.8mm以上の縦目篩に残った粒の重量比で、求めます。この時、砕けた粒は除きます。
●搗精した時の製品歩留まりに関係するため、正常粒率は高いことが望ましいです。

表2 二条オオムギ(麦茶用以外)の評価基準
二条オオムギ(麦茶用以外)の評価基準

麦茶用二条オオムギ、六条オオムギおよびハダカムギの評価項目

ランク区分は、たんぱくと細麦率によって決定されます。

「たんぱく」 
●子実たんぱく質含有率のことです。
●たんぱくIでは基準値を1つ達成、たんぱくIIでは2つ達成、たんぱくIIIでは3つ達成と見なされます(表3)
●子実中のたんぱく質含有量が高いと、麦茶の味や香気、色が良くなるので、高い方が高品質となります。 

「細麦率」 
●細麦率が低いほど評価が高くなります。
●大麦の芒(ボウ)やはだか麦の頴(エイ)を取り除いて、基準の縦目篩(たてめふるい)を使って測定します。
●全重に対する篩(ふるい)を通過した麦の重量比で、求めます。
●穂数が多すぎた場合や倒伏した場合に、細麦率が増加します。

表3 麦茶用二条オオムギ、六条オオムギ及びハダカムギの評価基準
麦茶用二条オオムギ、六条オオムギ及びハダカムギの評価基準

ビールオオムギの評価項目

●ビールオオムギは契約栽培であり、ランク区分による品質評価は利用されていません。
●大麦を発芽させて麦芽を製造するため、発芽が斉一で発芽率が高いことが求められます。
●均一性が求められるため、整粒歩合(2.5mm篩で残る粒の重量割合)が高い方が高品質です。
●子実たんぱく質含有率は、10~11%の範囲が適正とされます。

執筆者 
池永幸子
中央農業総合研究センター北陸研究センター 北陸水田輪作研究チーム
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