提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


麦・大豆

麦編【6】 麦の収穫・乾燥・調製

2008年3月25日

 暖地の九州は、5月下旬に早生小麦やビール大麦、はだか麦の成熟期を迎えます。関東は6月上旬以降になります。

 梅雨入り直前の時期で雨が多くなり、気温も高くなるため、適正な収穫期を失すると穂発芽や褪色粒が発生し、品質が低下します。収穫適期を見極め、適正に乾燥・調製することが肝心です。


1.収穫・・・適期に収穫して被害粒の発生を抑える

(1)成熟期の目安は、全体の80%以上の穂首が黄色くなってツヤが無くなり、穂首が曲がった時期で、小麦は出穂後45日前後、大麦は40日前後頃です。
(2)成熟期の穀粒水分は30%以上と高く、収穫には早すぎます。穀粒水分が高いと、充実不良(細麦)や砕粒、剥皮粒が発生しやすく、ビール大麦では発芽率が低下します。
(3)収穫適期は、成熟期約3~4日後で穀粒水分が30%以下になった時期ですが、ビール大麦では発芽率の低下を防ぐため、25%程度を目安とします。


(写真 :普通型コンバインによる効率的な収穫)
普通型コンバインによる効率的な収穫


2.乾燥・・・収穫後すみやかに乾燥し、温度管理に注意する

(1)収穫後の麦をそのまま長時間放置すると熱損粒や異臭麦が発生し、また、ビール大麦の発芽率を低下させます。収穫後3~4時間以内に乾燥を開始します。
(2)乾燥温度は、ビール大麦では穀粒温度40℃以下、小麦等では45℃以下とします。
(3)ビール大麦では剥皮が生じないよう、長時間の乾燥は避けます。


3.調製・・・適切な調製で高品位の麦に仕上げる

(1)麦の検査等級・ランク区分を下げる原因に、被害粒(発芽粒、病害粒、褪色粒、砕粒等)や異種穀粒、細麦等の混入過多があります。
(2)品質向上のために、小麦でも2.3~2.4mmのふるいで調製している場合が多くなっています。また、赤かび病の被害粒は、健全粒に比べて小さく、軽いため、丁寧に調製することで除去できます。


写真 :赤かび病の被害粒 (上段:被害小穂、中段:被害粒、下段:健全粒)
出所 :宮城県病害虫防除所ホームページ
赤かび病の被害粒


執筆者
田谷省三
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 フェロー

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◆麦編
 ●【1】 麦作のための土作りと播種前の準備作業
 ●【2】 麦の播種と基肥 
 ●【3】 麦の踏圧(麦踏み)と追肥・土入れ
 ●【4】 麦の追肥(穂肥)と土入れ
 ●【5】 麦の赤かび病の防除と実肥


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