提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


麦・大豆

麦編【3】 麦の踏圧(麦踏み)と追肥・土入れ

2008年2月21日

 冬季は、麦の収穫量を大きく左右する分げつ期・幼穂形成期にあたります。分げつ数や幼穂形成を適正に制御するのは、踏圧(麦踏み)や追肥・土入れの作業で、以下のように行います。


1.踏圧(麦踏み)・・・徒長生育を抑え、耐寒力を強くし、分げつを促進する

(1)冬季の気温が高かったり播種量が多すぎると、麦は徒長気味に生育して耐寒力が低下し、分げつ数が減ります。
(2)踏圧は、関東や九州地域では年内に1回、年明け以降に2~3回程度実施しますが、出芽数が不足気味であったり、過繁茂気味の場合は回数を増やします。
(3)麦が小さい時期の踏圧は軽めとし、麦が大きくなるとともに強くします。
(4)3月に入ると麦の茎が伸び始め(茎立ち)ます。茎立ち後の踏圧は茎を折ったり、幼穂を傷つけるため避けます。

(写真の下段:後輪がクローラタイプのトラクターによる踏圧と弾丸暗渠の同時作業)


2.追肥・・・適正な分げつ数の確保と幼穂の健全な発育を図る

(1)追肥は、麦体内の汁液濃度を高めて分げつを促進し、穂数を増やすとともに、幼穂の発育を旺盛にして穂を大きくするため、収穫量を増やします。
(2)第1回目の追肥は、関東や九州地域では1月下旬~2月上中旬を目安とし、NK化成や硫安を基肥の半量程度施用します。
(3)第2回の追肥は2月下旬~3月上旬とし、施肥量は原則として基肥の半量としますが、葉色が濃い場合や生育が旺盛な場合は減量し、逆の場合は増量します。


3.土入れ・・・無効分げつを抑制して遅れ穂の発生を抑え、粒の品質を高める

(1)土入れは、無効分げつを抑えて遅れ穂の発生を防ぐ効果があり、出穂・成熟が斉一になるため粒の品質を向上させます。また、倒伏防止の効果もあります。
(2)土入れの時期は追肥後とし、最低2回実施しますが、1回目は少なめに、2回目以降は多めにします。土入れによって排水溝が深くなるため、湿害の防止にも役立ちます。

(写真:後輪がクローラタイプのトラクターによる効率的な土入れ作業)


執筆者 
田谷 省三
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 フェロー

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

◆麦編
 ●【1】 麦作のための土作りと播種前の準備作業
 ●【2】 麦の播種と基肥 
 ●【4】 麦の追肥(穂肥)と土入れ
 ●【5】 麦の赤かび病の防除と実肥
 ●【6】 麦の収穫・乾燥・調製


◆麦・大豆編 もくじはこちら