提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


麦・大豆

麦編【1】 麦作のための土作りと播種前の準備作業

2008年2月21日

 わが国の麦作では、土壌が硬くなって通気性や通水性が悪くなるための生育不良や湿害の発生、火山灰土壌でのリン酸欠乏や酸性土壌での生育不良が問題になります。

これらの問題解決のための土作り等は、以下のように行います。


1.堆厩肥の施用と湿害対策・・・土壌の物理性を改良し、根の伸長を促す

(1)堆厩肥等の有機物の施用は、土壌の通気性や透水性を改良して根の伸長を促し、麦の健全な発育を進めます。堆厩肥が手に入りにくい場合は、稲わらでも効果があります。

(2)堆厩肥や稲わらはプラウで深耕し、深く鋤込む方が効果的です。深耕によって作土層直下の耕盤層が破砕されるため透水性や通気性が良くなり、湿害も抑えられます。

(3)湿害対策には、弾丸暗渠の施工やサブソイラーによる心土破砕も非常に効果的です。


2.火山灰土壌でのリン酸肥料の施用・・・リン酸欠乏による生育不良を抑える

(1)火山灰土壌の麦作地帯では、リン酸欠乏によって生育不良となり、収量が著しく低下することがあります。また、蛋白質含量が高くなりすぎ、特にビール麦では品質を著しく低下させます。

(2)溶リンや重焼リン等の施用によってリン酸欠乏を抑えます。


3.土壌の酸度調整・・・土壌酸度を調整し、健全な生育を図る

(1)麦は酸性土壌に弱く、生育障害や極端な場合は発芽障害を起こします。

(2)適正な土壌酸度は小麦でph6.0~7.5、大麦でph6.5~8.0程度です。

(3)苦土石灰、消石灰、炭酸石灰等の石灰質肥料を施用し、酸度を調整します。

  


執筆者 
田谷 省三
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 フェロー

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◆麦編
 ●【2】 麦の播種と基肥 
 ●【3】 麦の踏圧(麦踏み)と追肥・土入れ
 ●【4】 麦の追肥(穂肥)と土入れ
 ●【5】 麦の赤かび病の防除と実肥
 ●【6】 麦の収穫・乾燥・調製


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