提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜・果樹

畑ワサビの作業体系(ハウス栽培)

2018年4月27日

作型・適地

●栽培適地は、標高300m以上で、夏期の平均気温25℃以下、冬期は3℃以上の地域です。
●パイプハウスを利用した畑ワサビの作型は、促成栽培と超促成栽培の2通りがあります。
●促成栽培は、二次育苗用の林間畑が必要です。
●超促成栽培は5月~8月まで幅広く播種が可能ですが、山口県農林総合技術センター研究成果より、6月上旬に播種することで花茎も安定して収穫できることが判明しています。

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播種・セルトレイ育苗

●水稲の育苗箱に育苗培地を詰め、播種します(育苗箱1枚で約1000粒)。
●発芽するまで乾燥させないように灌水します。
●子葉が展開し、本葉が見え始めたころに育苗培地を詰めた128穴セルトレイに移植します。

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本葉が見え始めた頃

●移植後2週間頃から、液肥により追肥します。底面給水の場合は、緩効性肥料(マイクロロングトータル280)を2.5~5.0g/L培地に施用します。
●促成栽培の場合は11月中旬~12月末に林間畑に移植して、10カ月程度二次育苗します。

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林間畑への移植

●超促成栽培の場合は、底面給水かけ流し法により6月上旬~9月下旬までセル育苗します。
 ⇒ 詳しくは「畑ワサビの超促成栽培法の開発」をご覧ください
●夏期は高温を避けるため、70~80%の遮光をします。

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底面給水かけ流し法によるセル育苗

圃場準備

●病害対策や雑草対策として、7月下旬~8月下旬に太陽熱消毒を行います。

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太陽熱消毒の様子

●堆肥2,000kg/10a、石灰資材は、苦土石灰等100kg/10a程度を標準とし、pHにより加減します。
●10a当たりの基肥成分は、窒素・リン酸・カリいずれも15kg程度です。

定植

●定植前~10月末頃まで50%程度の遮光をします。
●基本は畝幅150cm、株間25cmの3条植えを基本としますが、新葉や花茎収穫の作業性を優先する場合は、畝幅120cm、株間25~30cmの2条植えとします。

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定植後の様子

●促成栽培では10月下旬~11月上旬、超促成栽培では9月下旬~10月中旬に定植します。
●定植から活着までは、株元が乾燥しないようにていねいに灌水します。

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定植適期の林間畑苗(左)と定植適期のセル苗(右)

栽培管理

●定植後および3月以降は、特にアブラムシ、コナガ、白さび病、べと病などの発生に注意し、防除します。ただし、使用できる農薬が少ないため、銅剤やBT剤、気門封鎖剤を中心に対処します。
●12月頃まではハウスサイドを開放して低温に遭遇させ、その後は5℃以上を保つように保温し、3月以降はハウス温度が25℃を超えないように換気します。
●12月及び3月に、窒素成分で各5~10kgの追肥をします。

収穫

●新葉の収穫時期は12月中旬~3月中旬で、直径10~13cmで病害虫被害のない葉を収穫します。
●花茎の収穫時期は1月中旬~3月中旬で、花蕾が十分に発達し、開花していないものを収穫します。
●葉柄・根茎の収穫時期は4月下旬~6月中旬です。葉身を除去し、根茎部分の汚れをきれいに洗浄して出荷します。

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左から「新葉」、「花茎」、「葉柄・根茎」

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収穫時期の葉柄・根茎

執筆者
山口県農林総合技術センター園芸作物研究室
重藤 祐司