提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜・果樹

イチゴ施設栽培の作業体系

2018年4月 4日

親株管理

●親株床の面積は、本ぽ10aに対して、3~4a程度必要となります。
●親株の必要な株数の目安は下記のとおりです。
 ・10a当たりの定植本数 7,000~7,500株
 ・予備苗         1,500株
●親株1株から本葉2~4枚の子苗が約20~25本採苗できると試算すると、本ぽ10a当たりの必要親株数は、340~360株程度となります。

「土耕栽培」
●温度と土壌水分を確保することが大切です。

「空中採苗」
●空中採苗では、不時出蕾が発生しやすくなりますので、生育の停滞が起きないよう、培地内EC、pHを定期的にチェックし、親株の栄養状態を維持します。また、培地内の過湿にも注意してください。

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土耕栽培(左)と空中採苗(右)

育苗

●ある程度まとまった数を採苗して一度に仮植します。採苗した苗は、次の日まで置かず、その日のうちに仮植できる数量を考えて採苗します。
●仮植方法は、クラウン部を地表に出し、深植えとならないようにします。深植えして生長点が埋まってしまうと、新葉が展開せず、芽枯れを助長しますので注意しましょう。
●小苗では、着花数の減少、収量の低下を招き、極端に肥切れをすると、定植後の初期生育が抑制され、心止まり株(芽なし)の発生につながります。定植時のクラウン径は、ポット育苗で10~11mm、セル育苗でも8mmを目標にします。

本ぽの準備

●前作の作付終了後、湛水除塩等による土壌管理を行い、土壌消毒を徹底します。
●その後、堆肥等の土壌改良材を投入し、土壌診断結果に基づき基肥を施用します。

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湛水処理(左)と薬剤による土壌消毒(右)

・定植床は畝幅110~120cmの高畝とし、畝上げ後は、適期に定植できるよう、古ビニールなどで被覆しておきます。

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畝上げ

定植

「適期定植」
●花芽分化確認後速やかに定植します。定植が遅れると株の充実が悪く、頂花房の花数の確保ができなくなり、生育も遅れて初期生育、総収量の低下につながりますので注意します。
●定植は根が土とよく密着するように根を広げて植付け、クラウン部からの1次根の発生を良くするため、やや深植えとします。
●株間は24cm程度が目安となります。株間を狭めると単位あたりの収量は多くなる傾向がありますが、果実の肥大が劣り、上位等級の発生も少なくなります。

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定植された苗

定植後の管理

「活着促進」
●活着の遅れは、定植の遅れと同様に生育遅れや減収につながります。定植後のかん水には特に注意し、クラウン付近が乾かないように一日数回こまめにかん水し、活着を促進します。

「生育初期の株づくり」
●生育初期に株を充実させないと収量増加につながりません。定植後から土壌水分の安定供給と適正な温度管理を行い、収穫始期の草丈は24~25cmを目安に管理します。

「保温開始」
●保温開始は、収穫の連続性を考慮し、一次腋花房の花芽分化確認後に行います。
●保温直後は外気温が高いため、温度やかん水に留意しながら草勢を管理します。

「温度管理」
●収量と品質の面から昼温25℃、夜温8℃を目安に管理します。日中の高温管理は果実が軟らかくなり、傷み果発生の原因となりますので注意が必要です。
●11月までは、日中の高温に注意し、厳寒期は二次腋花房の受精促進と草勢維持のため、特に夜温の確保に努めます。

病害虫防除

●ミツバチ導入後は防除が困難になりますので、開花期までに薬剤散布による防除を徹底します。
●耐性菌や抵抗性の発現を防ぐため、各病害虫とも同一系統薬剤の使用を避け、ローテーション散布を行います。
●ハダニ類やアザミウマ類に対する天敵の導入は年々増加傾向にあります。しかし、その効果は放飼時期やほ場環境により差が見られます。天敵を導入しているからと過信するのではなく、害虫の発生が多く見られる場合には、天敵への農薬の影響日数を考慮しながら速やかに防除しましょう。

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ミツバチによる受粉(左)と薬剤散布(右)

収穫

●果実の温度が上昇する前の収穫を心がけ、速やかに予冷庫に搬入し鮮度の保持に努めます。

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収穫作業(左)と収穫期のイチゴ(右)

執筆者
栃木県農政部経営技術課
粂川 郁男