提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜

露地スイカ栽培の作業体系

2013年9月 2日

圃場準備

●耕土が深く、通気性が良く、地下水位の低い圃場を選びます。
●土壌pHは、リン酸質資材や有機質を投入して5.5~6.5に矯正し、できるだけ深耕します。
●施肥量は10aあたり窒素10~15kg、リン酸20~25kg、カリ10~15kgを標準とし、このうちリン酸の全量と窒素、カリの半分を基肥とします。
●とくに窒素の施用量は、着果や果実肥大に影響するので、土壌診断に基づいて適正量を施用します。
●施肥後は土壌水分が十分ある状態で耕うんし、植え付けの2週間前までにはポリマルチを張って、地温は15℃以上を確保します。

播種・接ぎ木・育苗

●床土には保水性、排水性、通気性がよく、無病のものを用います。必要な床土の量は栽培面積10aあたり1㎥です。
●床土㎥当たりの施肥量は窒素100g、リン酸150~300g、カリ100gを目安とし、pHは6.0~6.5に矯正します。
●播種量は植え付け予定本数の1.5倍とし、播種箱に条間5cm、種子間2cm程度にすじまきします。
●台木にユウガオを用いる場合は、台木を穂木より0~3日程度早く播種します。
●発芽までの床温は28~30℃とし、発芽後は覆いを除去し光を当て、かん水も控えめにして徒長を防ぎます。温度管理は最高28℃、最低17℃を目安とします。
●接ぎ木の主な目的はつる割れ病の回避と低温伸長性の確保で、「断根挿し接ぎ」がポピュラーな接ぎ木方法です。
●接ぎ木の適期は、ユウガオ台、穂木とも発芽10日前後で本葉が見え始めた頃です。
●接ぎ木前には5~9cmのポリポットに土詰めして十分かん水し、28℃前後に保温しておきます。
●接ぎ木の方法は以下の図を参照ください。

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作成:松本農業改良普及センター 渡邊奈央
(クリックすると拡大します)

●接ぎ木当日から3日目まではトンネル密閉して遮光資材で覆い、28℃前後に保ちます。
●3日経過後に朝夕遮光資材のみはずして、弱い光に当てます。
●その後ようすを見ながら、しおれない程度に換気を行い、徐々にならします。
●5日目頃には台木の発根が確認でき、10日前後で順化が完了します。
●その後は徒長を防ぐため、ポットの間隔を広げ、十分に光を当て、しおれない程度にかん水します。
●子づる4本仕立ての場合は、本葉5~6枚を残して摘心します。

定植

●地温が15~18℃になった頃が定植時期の目安です。
●子づる4本仕立ての栽植密度は、畦幅250~300cm、株間70~80cmです。
●定植までに十分な地温を確保するため、圃場準備、マルチ張り、トンネル張りは早めに行います。
●マルチ幅(=トンネル幅)は150cm、トンネルの高さは50cmが標準的です。
●定植後のトンネル内の気温は、15~35℃を目標に保温や換気を行います。

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左から上から トンネル内の定植直後のようす / つる先をそろえて一方向へ伸ばしている

整枝

●育苗時に摘心し、子づるを4本のばす仕立て方が一般的です。
●1回目 :子づるが60cm前後に伸びた頃に、揃った子づるを4本残して、つる先を一方向へそろえます。子づるの側枝はすべてかき取ります。
●2回目 :残した子づるがトンネルにつかえる頃に、発生している側枝をすべて除去します。
●3回目 :目標着果位置に雌花が確認できた時期に、その雌花がトンネル内で開花できるような位置までつるを引きます。同時に着果節位までの側枝を除去します。

着果とその後の管理

●原則として1~3番花は除去し、4番花(24節前後)に着果させます。ただし、樹勢に応じて順番は前後します。
●人工交配を行います。人工交配には雌花雄花とも当日開花した花を用います。雌花1花に雄花1花を用いて柱頭に均一に花粉をつけます。開花日の午後になると花粉の受精能力が低下するので、午前10時までに行います。
●果実が鶏卵大~ソフトボール大となったら、原則として1株で2果残して、他は摘果します。
●果皮にブルームが発生する頃に「玉直し」と「底敷」を行います。
●干ばつ時にはかん水を行います。
●収穫1週間前から「玉回し」を行い、果実の尻部の着色を促します。

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左から上から 交配のようす / 受精後のようす

病害虫防除

●土壌病害ではつる割れ病、地上部病害では炭疽病、つる枯れ病、うどんこ病などが問題となります。
●害虫では高温期を中心にアブラムシ類、アザミウマ類、ハダニ類などが発生しやすくなります。
●土壌病害については接ぎ木利用や土壌消毒、地上部病害については予防~初発、害虫については発生初期のタイミングを逃さないことが防除の上で重要です。
●地域の農業指導機関やJAでも主要病害虫の発生情報を提供しているので、それらの情報も防除に有効活用します。

収穫

●収穫適期は品種や作型によって異なりますが、交配後45~50日前後が目安となります。
●必ず試し切りを行い、糖度、熟度、品質などを確認してから収穫します。
●近年は高温傾向にあることから、短期間で成熟することもあるので、早めに収穫適期の確認を行います。

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左から上から 収穫期を迎えた果実 / 収穫作業のようす

執筆者
長野県松本農業改良普及センター
樫山岳彦

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