提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜

エダマメの栽培体系

2010年2月 2日

圃場準備

●排水が悪い圃場で栽培を行う場合は、圃場周辺に排水溝を設置し、耕盤があればサブソイラ-等で心土破砕をします。


サブソイラ 

●堆肥・石灰資材は定植10日前までに施用し、土壌のpHを5.6~6.2程度に調整します。
●堆肥を施用したら、細かく砕土します。
●石灰資材は、苦土石灰等を100㎏/10a程度を標準とし、pHにより加減します。
●10a当たりの基肥の基準成分は、N:0~10kg、P:10~15kg、K:10~15kg程度です。
●N成分は、早晩生により加減します。10a当たり、極早生、早生品種では6~9㎏、中生品種では4~6㎏、晩生品種では1~3㎏を基準とします。
●有機質主体の基肥にすると、食味が向上します。

品種 

●エダマメの品種は、大豆の中から早晩性や食味、莢の外観、地域性等を考慮して選抜されたものに品種名をつけたもので、近年は特に香りや食味が重視されています。


エダマメの栽培風景

●大豆には、乾燥した時の果皮の色で、白豆、黄豆、茶豆、青豆、黒豆系統の区別がありますが、エダマメとして収穫する段階では、いずれの系統も鮮緑色です。
●品種により、播種から収穫までの日数や、温度、日長反応が異なるため、地域の作業体系や販売計画等を十分考慮して、品種を選択します。
●極早生、早生品種については、感温性が高く、地域ごとに播種から収穫までの日数が予想しやすいですが、中生品種は品種ごとに特性が多様であり、播種時期やその年の気象経過により、収穫時期が大きく変動します。このため、新しい品種を導入する場合は、2年程度試作するとよいでしょう。
●晩生品種は、日長に強く反応するため、収穫時期は地域でほぼ一定しています。早播しても、ほとんど前進しません。 

播種準備

●直播きと移植の2通りの栽培方法があります。
●いずれの方法をとるかは、機械化体系や発芽率、鳥害やネキリムシ等の被害の有無をふまえて、選択します。
●各地域ごとに、品種に適した播種時期を設定することが重要です。
●一般的に、早生種を遅播きすると短幹となり、収量が著しく低下します。
●晩生品種を早播きすると長幹となり、場合によっては蔓化することがあります。
●早生品種や中生品種までは、段播きすると収穫時期を調整することができますが、中晩生や晩生品種では、効果は限定的です。

播種(直播き体系) 

●一般的には、播種機を活用して省力的に作業します。
●欠株等を考慮して、1穴2粒播きを基本とします。
●播種は、やや深めが適します。
●播種機を用いて浅播きになった場合は、土寄せをします。


播種作業 (乗用管理機+播種アタッチメント)

●極早生、早生品種では、畦幅75cm、株間20cm程度の一条播きとし、必要に応じてマルチ栽培を行います。10a当たりの種子量は、7L程度です。
●中生品種は、品質、収量性からマルチを使わない土寄せ体系が適します。畦幅は80~100cm、株間3cmの一条播きとします。10a当たりの種子量は、5L程度です。
●中晩生、晩生品種は、土寄せの効果が特に高く、作業性や寄せる土の量を考慮して畦幅1m、株間40~45cmの一条播きとします。10a当たりの種子量は、3.5L程度です。
●生育は、直播きの方が旺盛で、移植よりも遅く播種できます。
●直播きでは、タネバエの被害を受けやすいので、未熟有機物を施用する場合は十分に注意します。

 

育苗(移植体系)

●ネキリムシや鳥害の発生しやすい地域では、移植体系が適します。
●地域在来系統などで発芽率が低い品種も、移植体系がよいでしょう。
●根の再生力が強いので、播種床にばら播きして初生葉が発生した頃に移植すると、容易に活着します。
●機械定植に対応するため、近年はセル育苗が増加しています。
●手植えによる定植は、約8h/10aかかっていましたが、定植機を使うと、1h/10aと大幅に省力化されます。
●移植体系の場合、10a当たりの必要種子量は、一本植えで早生品種では約3L、中生で2L、晩生では1.6L程度です。
●移植機を利用する場合は、活着をよくするため、本畑は特に細かく砕土します。

 

定植後の管理

●直根が土中深く伸張することから、乾燥には比較的強いですが、開花期に土壌が乾燥すると結実障害を起こしやすいので、注意します。
●過湿には弱く、圃場に水が停滞すると、葉が黄化して生育不良となります。
●雑草を防除し、また不定根を発生させて根量を増やし、生育を促すため、中生~晩生品種では、2~3回の中耕培土を行います。特に、晩生品種では土寄せの効果が高いです。
●1回目の中耕培土は本葉展開時に行いますが、除草を兼ねて子葉の上までとします。
●2回目は本葉3~4枚頃に、初生葉節位まで行います。
●最終土寄せは5~6葉期として、第1本葉下まで行います。
●晩生品種では、最終培土期が梅雨に当たり、培土作業が困難な場合があります。
●開花後の培土は根を切り、むしろ株に負担をかけるため、行いません。 


左から上から 中耕・培土(乗用管理機+カルチアタッチ) / 除草剤散布(ブームスプレーヤー)

主な病害虫

●病害は、べと病、ウイルス病(モザイク病、萎縮病)に注意します。
●べと病は、密植や降雨の続く年に多いので、密植を避けて発生初期の防除を徹底します。
●ウイルス病は、種子伝染やアブラムシによる媒介に注意します。2種類以上のウイルスが重複して感染することもあります。
●虫害では、アブラムシ類(マメアブラムシ、ダイズアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシ等)、ネキリム類(カブラヤガ、タマナヤガ)、タネバエ、フタスジヒメハムシに注意します。
●防除の際の農薬使用については、もよりの農業改良普及センターや農協などに問い合わせください。

収穫・調製

●品質低下を避けるため、品温の低い早朝に収穫します。 
●自走式枝豆ハーベスタによる莢収穫や、バインダー等により刈り取り収穫をし、別途、脱莢選別機にかけて脱莢します。


左から上から 自走型ハーベスタ / 乗用型ハーベスタ

●収穫、脱莢後は直ちに選別、水洗いし、脱水後はすぐに予冷庫に入れて、品温を下げます。
●その後、予冷庫から出して鮮度保持パックに入れ、箱詰めし、所定の集出荷場の予冷庫に搬入します。
●出荷調整一貫施設等では、選別、水洗い、脱水の後、直ちに鮮度保持パックに入れ、箱に詰めて予冷庫に搬入します。 


洗浄ライン


左から上から 選別(コンベア+選別機+人力) / 出荷

【エダマメの機械化一貫体系】  
播種(トラクターけん引播種機) → 中耕培土(トラクター中耕ローター) → 収穫(自走式枝豆ハーベスタ) → 選別包装(枝豆選別調整出荷施設)


edamame_zu1.jpg
機械化一貫体系に向けた整備計画

執筆者
大嶋 博之
山形県農林水産部生産技術課 技術調整専門員

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