提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜

サヤインゲン栽培の作業体系のポイント

2009年1月 9日

圃場準備

●土壌病害が発生しやすくなるため、連作はできるだけ避けます。前年に土壌病害が発生した圃場に定植する場合は、必ず作付け前に土壌消毒をします。
●排水が良い圃場を選びます。
●完熟堆肥2t/10aを施用します。
●pH6.0~6.5を目標に、苦土石灰を10a当たり約100kg施用します。 
●基肥は、化成肥料をベット幅に散布し、十分に土壌混和します。施肥量は窒素、りん酸、加里とも、成分量で15~20kg/10a程度です。

播種

●市販の培養土などを詰めた16連結ポットや、10cm径ポットに2粒ずつ播種します。発芽2~3日後に間引いて、1本にします。50穴セルトレイを使用し、1か所に1粒播種する方法もあります(写真左)。 
●種子のへそ(写真右)近くの発芽孔から幼根が発芽するので、種子のへそを下に向け、押し込むように播種した後、1cmぐらい覆土をして軽く鎮圧します。 
●1~3月の寒い時期に播種する場合は、播種後ポットやセルトレイを、地中に電熱線を張った温床の上に置きます。 

   写真1 :50穴セルトレイに1粒ずつ播種したもの写真2 サヤインゲンの種子。種子のへそ(白矢印)近くに発芽孔があり、そこから幼根が発生する。左から「サクサク王子」、「ミニドカ」、「モロッコ」、「ビックリジャンボ」
左から上から
50穴セルトレイに1粒ずつ播種したもの /
サヤインゲンの種子。種子のへそ(白矢印)近くに発芽孔があり、そこから幼根が発生する。左から「サクサク王子」、「ミニドカ」、「モロッコ」、「ビックリジャンボ」

育苗管理

●播種後は、ポットやセルトレイを新聞紙等で覆い、土が乾燥しないようにします。
●発芽が少しでも確認できたら、早めに新聞紙を取り除きます。 
●温床を使用する際の地温は、発芽までは22~25℃、発芽後は18~20℃とし、日中の気温は30℃以上にならないように注意します。

定植方法

●ベット幅120cm、高さ15~25cmのベットを作ります。通路は70~100cmです。
●気温が低い時期にサヤインゲンが生育する半促成栽培では、地温確保のため、マルチを張ります。
●播種20~25日後の若苗(写真右)を株間30~45cm、2条植えで定植します。根鉢が十分に形成されて、つるが発生する前に定植するようにし、播種後25日以上経過した老化苗は、活着が悪くなるので注意します。
●地際と初生葉までの節間が6cm以内で、本葉1枚目のがっちりした苗(写真)を定植します。
●定植直後に十分かん水します。

写真3 定植適期の苗。50穴セルトレイで育苗したもの。
定植適期の苗。50穴セルトレイで育苗したもの

誘引・ネット張り

つる性品種、半つる性品種
●つるが伸長する前にネット張りの作業をします。支柱を1.8m間隔に立て、幅180cm、18cm目のキュウリネットを張ります。 
●つる性品種や半つる性品種の誘引では、キュウリネットを縦に張ります。

つる性品種や半つる性品種の誘引 
つる性品種や半つる性品種の誘引 

わい性品種
●フラワーネットを張る方法(写真左)や、株をはさむように支柱を立てた後に、紐を横に通す方法(写真右)があります。小面積の場合は、1株ずつ支柱を立てて、枝を誘引してもかまいません。
●わい性品種の誘引では、フラワーネットを横に張ります。 
●わい性品種の場合、紐を横に通す方法もあります。

わい性品種の誘引(フラワーネットを横張り) わい性品種の誘引(紐を横に通す方法)
左から上から
わい性品種の誘引(フラワーネットを横張り) / わい性品種の誘引(紐を横に通す) 

かん水

●苗が活着するまでは、かん水はやや多めに、活着後は、過繁茂を防ぐため、控えめにします。開花期以降は乾燥させないように、やや多めにかん水をします。

摘心

●つるがある程度伸びてきたら、摘心作業を行います。 
●摘心とは、つるの先端を1cmくらい取り除く(白い矢印から上の部分を指先で摘み取る)作業のことです。摘心により、側枝の発生が旺盛となります(写真)

摘心する場所は蔓の先端1cmぐらいの部分
摘心する場所は蔓(つる)の先端1cmくらいの部分 

●つる性品種(「鴨川グリーン」など)の場合は、本葉4~5葉時に最初の摘心を行い、つるがネットの上部に達した時に、再度摘心します。
●半つる性品種(「スーパーステイヤー」など)の場合は、つるがネットの上部に達した時に摘心を行います。

追肥

●着莢を確認したら、1回目の追肥を行います。マルチをはがし、窒素成分量で2~3kg/10aの化成肥料を畦の肩部に施用します。
●2回目の追肥は、収穫盛期に通路に施用します。 
●液肥をかん水と同時に与えてもかまいません。

防除

●アブラムシは、吸汁害以外にウイルス病を媒介することがあるので、防除を徹底します。
●菌核病、白絹病を発生させないために、夏期に湛水処理を行うか、冬期に菌核を土中深く埋没して死滅させます。
●根腐病に対しては、夏期に太陽熱消毒を行います。
●灰色かび病を予防するために、発病初期に薬剤散布をします。
●ハモグリバエ類による被害葉が発生したら、それを取り除きます。
●蛾の幼虫は、見つけ次第捕殺します。
●その他の害虫は適期に薬剤散布して防除します (各地域の防除暦に従って行ってください)。
●老化葉、病葉、黄化葉は取り除き、日当たり、通気性を良くすることで病害虫の発生が減少します。

サヤインゲンの主要病害の発生時期
サヤインゲンの主要病害の発生時期

サヤインゲンの主な病害虫 
sayaingen_image11.jpg

※農薬使用に関しては、もよりの農業改良普及センターや農協などにお問い合わせください

収穫・調製

●収穫の間隔が2日以上になるとLサイズの莢が多くなり、樹に負担がかかるため、Mサイズの段階で収穫します。 

写真8 Mサイズを中心に収穫して、箱に並べたもの
Mサイズを中心に収穫して、箱に並べたもの
 

執筆者
香川 晴彦
千葉県農林総合研究センター 暖地園芸研究所 野菜・メロン研究室

(文中の画像をクリックすると大きく表示されます)

◆野菜編 もくじはこちら