提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


野菜

ニンニク栽培の作業体系

2008年3月25日

圃場準備

「排水性改良」(使用機械:トラクタ、サブソイラ、プラソイラ、溝掘機等) 

●肥沃で保水・排水性が良好な圃場を選定します。
●水田転換畑が適地ですが、排水性が悪いと生育が抑えられ病害発生につながるので、排水不良地では暗きょや明きょを施工します。


溝掘機

「土壌改良・砕土」(使用機械:トラクタ、マニュアスプレッダ、ブロードキャスタ、バーチカルハロー、ロータリ等) 

●圃場に応じた良質堆肥、石灰分、りん酸分を施用します。 
●酸性をきらい、りん酸施用効果が高い。
 ※PH(H20)の目標値は、6.0~6.5です。 
●植付け2~3カ月前に緑肥(スダックスなど)を播種し、植付け20日前にすき込みます。


 :プラソイラ /  :バーチカルハロー

【バーチカルハローの特徴】
・プラウ等の作業後、耕起された表層は凸凹している。この凸凹を砕土・整地・鎮圧して、各播種・移植の床づくりの前準備ができます。 
・通常のロータリを使用すれば、鋤込んだ有機物を掻き出すことになりますが、バーチカルハローはブレードが縦軸回転のため、鋤込んだ有機物を表面に掻き出すことがありません。
・鎮圧用のスパイラルローラは、適度に表層を締めるため、蒸散防止と適度な土壌水分が保持できます。これにより発芽率向上が期待できます。
 

植付け準備

「種子準備」(使用機械:種子分割機、種子選別機、簡易ミキサー(種子消毒湿粉衣処理用))
●種子りん片重は10~15g。これより大きめの種子は、肥大は良いが品質が落ちる傾向にあり、小さめのものは肥大が劣ります。10a当たり種子量は約250kg用意します。
●種球をりん片に分割し、大小に選別して、チューリップサビダニ、黒腐菌核病、イモグサレセンチュウ対策の種子消毒を行います。

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「基肥施用、畝づくり」(使用機械:トラクタ、ブロードキャスタ、ロータリ、平高畦マルチロータリRT-112、種子供給機、マルチ同時除草剤散布機) 

●マルチ栽培の全量基肥体系が主体で、基肥は緩効性肥料を主体としたものを施用します。
●マルチの色は、透明、グリーン、黒などがあり、地域や雑草等の状況に応じて選択します。
●早めにマルチを張り、地温を上げておきます。マルチ前に処理可能な除草剤があるので利用すると良い。
●畝幅:160cm(通路込み)、株間:15cm、条間:25cm(4条植)、16,667株/10a。 

■青森県 ニンニク施肥基準
注)追肥時期
●マルチ栽培
1回目 :4月下旬
2回目 :
 透明マルチ :りん片分化期後10日頃
 黒マルチ  :りん片分化期~同後10日頃
●露地栽培
1回目 :4月上旬
2回目 :5月上旬 

植付け

(使用機械:ニンニク植付機)
【覆土の作業工程】
マルチング
→植え付け
→通路から管理機でマルチ上に土をとばす
→トンボでマルチ上の土を適度にならす

●青森県での植付適期は、9月下旬から10月上旬です。
●種子りん片の発根部を下にして、逆や横向きにならないように差し込み、覆土します。種子りん片の最上部から5~7cm程度覆土されるように差し込みます。

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種子の分配機


植付け機

植付け後の管理

追肥
生育状況に応じてりん片分化期頃(青森県では4月末)頃に追肥を行います。 
除けつ
大きい種子を植えると2芽以上萌芽してくる場合があるため、りん片分化期以降に1本を残してかき取ります。
とう摘み
6月以降抽台してくるため、随時とうを摘み取ります。残すと肥大が劣ります。 

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わか芽かき

【穴あきマルチの施肥】
・ 前提条件として緩効性肥料を基肥に用い、基本的に全量基肥タイプが多い。それでも追肥を行いたいときは、上記の施肥基準を目安に追肥しています。
・追肥方法は、昔は固形肥料を4株に1カ所穴を開けて投入したり、液肥のかん注施用も一時期一部ありましたが、現在はほとんどが速効性の粒状肥料をマルチの上にバラバラと散布しているのが現状です。施肥効率は劣ますが、生産者は作業の簡便化を優先しています。

防除

(使用機械:動力噴霧器MS413B、ラジコン動噴MSA413R3-M/K、乗用・自走式ブームスプレーヤなど)

●春腐病、さび病、ネギコガ等の発生に注意し、予防を主体に計画的に防除します。
●茎葉に薬剤が付着しにくいので、浸達性のよい展着剤を使用します。 


 :自走式ブームスプレーヤ/  :乗用ブームスプレーヤ

収穫・乾燥

(使用機械:トラクタ、茎葉刈払機、マルチ巻取機、収穫機、整列茎根切機、乾燥機)

収穫時期の判断
葉が30~50%黄変し、球の盤茎部とりん片の尻部がほぼ水平になった時期。青森県では6月末~7月初旬頃。

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収穫方法
茎葉を刈り取り、マルチを剥いで、手作業か収穫機を利用して掘り取ります。掘り取った株は、茎を10cm付けて根を切り取って、コンテナ詰めにします。 

茎葉刈払機 
 :茎葉刈払機 /  :茎葉刈払機+マルチ巻取機  

  
 :収穫機 /  :整列茎根切機 

  
収穫機

乾燥方法
生で出荷するもの以外は乾燥させます。軒下などに吊す自然乾燥と、35℃の温風乾燥があります。腐敗等の心配から、ほとんどが温風乾燥となっています。温風乾燥は小屋やハウス内でコンテナをシートでくるむ方法と棚を組んで行う方法があります。
 
コンテナ  
 :コンテナ /  :シート乾燥(送風型)
 
乾燥終了判断
乾燥直前の球重量に対し30~35%減量した時点で、盤茎部に爪が立たない状態で乾燥終了とします。建築用水分計を活用すると、乾燥終了の判断の参考にできます。乾燥期間は概ね2~3週間程度かかります。

出荷・調製

(使用機械:簡易皮むき機+コンプレッサー、茎盤調製機) 

●茎を1.5cm以内に切断し、表皮を1~2枚剥いで根を完全に除去します。出荷規格に従い、1kgネット詰めか小袋詰めとします。
 

 :簡易皮むき /   :茎盤調製機

貯蔵

(施設:-2℃冷蔵施設、乾熱処理施設)

●農家保管で萌芽や発根を抑えられる限界は一般に10月位まで。出荷はそれまでに行います。
●11月以降長期保管しながら出荷していく場合は、JA等の-2℃冷蔵庫に乾燥終了後直ちに保管します。この場合、2月出庫までが目安となります。
●3月以降まで出荷を行いたい場合は、-2℃冷蔵庫から出庫後、熱処理を行う産地が多いです。熱処理は冷蔵よりさらに萌芽発根を抑える効果がありますが、処理温度や処理時間によっては障害が発生する場合があるため、指導機関に相談します。

(※画像にマウスポインターを置くと、説明文が表示されます。また、クリックすると大きく表示されます)

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