飼料作・畜産編【3】 イネWCS(イネ発酵粗飼料)
2008年05月15日
●稲発酵粗飼料(=イネWCS/ホールクロップサイレージ)とは、イネの子実が完熟する前に茎葉と同時に収穫し、サイレージ化した粗飼料です。
●本田に基肥として家畜ふん堆肥を2~4t/10a程度、均一に散布します。
●耕起、入水後に代かきし、飼料用イネの専用品種を移植、もしくは直播きします。
次のような多収品種があります。
・べこごのみ (東北中北部、北陸および関東向き)
・夢あおば (東北中南部、北陸および関東向き)
・べこあおば (東北中南部・北陸・中部向き)
・ホシアオバ (東北中南部~九州向き)
・クサホナミ (関東~中国・四国向き)
・リーフスター (関東~中国・四国向き)
・クサノホシ (関東~中国・四国向き)
・タチアオバ (九州向き)
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写真 左 :べこあおば / 中 :リーフスター /右 :タチアオバ
●肥培管理は食用イネの1.5~2倍程度の多肥栽培し、専用品種の能力を活かすことが大切です。
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写真 左:完熟堆肥の施肥 / 中 :直播機による播種 / 右 :動噴機による直播
●穂重~極穂重型の品種では、分けつ期の追肥が茎数確保に有効です。出穂前30~40日ごろに葉色が急激に低下する場合は、窒素追肥を行います。
●農薬は「稲発酵粗飼料生産・給与マニュアル」において推奨する薬剤を使用します。
●刈り取り適期となる黄熟期は、早生で出穂後25~30日、中生や晩生で30~40日前後です。この時、乳牛向けではやや早めに、肥育牛向けではやや遅めに収穫します。
●極多肥栽培で栽培することによって、10a当たりの乾物収量は1.5t以上が期待できます。
●収穫は専用収穫機によるダイレクトカット収穫、牧草収穫体系ではモーア刈り、集草、ロールベーラによる梱包後、ベールラッパでラップサイレージを作ります。サイレージの品質を高めたい場合は、乳酸菌を添加します。
写真 左:飼料イネ専用品種は生産力が高い / 右 :専用機による収穫作業
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写真 左:ベールラッパによる密封作業 / 右 :黒毛和牛への給与
●密封後、3~4週間すると乳酸発酵が安定化し、芳香を伴った良質なサイレージができ上がり、家畜に給与することができます。
●イネWCSは乾物中に粗蛋白質が約7%、NDFが約50%、TDNが約55%含まれています。乳用牛、肥育牛、繁殖牛には各家畜の飼料計算に基づいて給与します。
執筆者
吉田 宣夫
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
飼料調製給与チーム上席研究員
※畜産草地研究所 飼料イネ技術開発情報ページはこちら
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