稲編【19】農薬に頼らない雑草防除法
2008年08月27日
●一般的に、農薬に頼らない雑草防除法は、農薬を使う場合よりも労力がかかります。また、資材投入コストが必要となる場合があります。
農薬に頼らない雑草防除の注意点
●1つの方法で、全ての雑草を防除することができません。いくつかの方法を組み合わせて、防除します。
●雑草の種類によって、効果のある方法が異なります。雑草の種類にあわせて、有効な方法を選びます(表1)。
(表1)主な水田雑草に対する各種除草法の効果
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●1年目はうまくいっても、2年目、3年目と雑草が多くなり、防除が困難になることがしばしばあります。翌年に雑草が増えるのを防ぐために、残った雑草をできるかぎり手取りで除草し、種子や塊茎などの繁殖体を新たに増やさないようにします。
●有機JASマークの認定を得る場合は、農薬を使わないだけでなく、投入する資材にも注意が必要です。その場合、有機質肥料や米ぬか、再生紙などの投入資材について、登録認定機関に事前に確認して下さい。
耕種的防除法
「深水栽培」
●ノビエが多い水田では、深水栽培が有効です。
●水深20cm以上の水田では、ノビエがほとんど生育しません。15cm程度の水深でも、ノビエの数は少なくなります。
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写真 :ノビエ
「2回代かき」
●移植前に2回代かきをすると、雑草の発生数が減ります。
●1回目の代かきの後に、水田に水をためておき、1週間から1カ月後にもう一度代かきを行ってから、水稲を移植します。
●1回目の代かき後に発生した雑草を、2回目の代かきで土中に埋め込むようにします。
「秋期、冬期の耕起」
●水稲の刈り取り後に耕起することで、残草した多年生雑草が、新たに地下に繁殖体を作るのを防ぎます。
●冬期に耕起して、地中の多年生雑草の繁殖体を低温・乾燥にさらすと、繁殖体の死滅が促されます。
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写真 :クログワイ
「冬期湛水」
●冬の間も落水せずに、水をためたままにします。いくつかの雑草の数が減ります。
「田畑輪換栽培」
●水稲作の間に畑作を行います。
●水稲と麦や大豆などを交互に、あるいは数年ごとに作付けすることで、いくつかの水田雑草を減らすことができます。
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写真 :オモダカ
物理的防除法
「機械除草」
●手押しタイプの除草機のほか、乗用タイプの除草機など、多くの機械除草機が市販されています。
●水稲の条間に生える雑草については、よく除草できます。
●水稲を倒さないように操縦する必要があるため、水稲の近く、水稲の株と株の間には、雑草が残りやすくなります。
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写真 左:乗用田植機の後部に除草アタッチメントを取り付けた除草機 / 右:除草アタッチメントの除草の様子
「再生紙マルチ」
●移植時に再生紙を地面に貼り付け、その上から水稲を植え付けます。これによって、地面から発生する雑草を抑えることができます。
●再生紙を貼りながら移植する田植機も、市販されています。
●落水して紙をしっかりと貼り付けないと、紙が動いて苗を倒す場合があるので、注意が必要です。
「再生紙マルチ直播栽培、布マルチ直播栽培」
●水稲種子を固定した再生紙、または布を、水田に貼り付ける直播栽培です。
●水稲種子を固定した再生紙、または布が販売されています。
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写真 左:コナギ / 右:イヌホタルイ
「活性炭マルチ」
●液状の活性炭を水田に流して田面水を濁らせ、雑草の発生を抑えます。
●濁りの効果は一週間程度で、降雨やかんがい水の影響でさらに短くなる場合があります。
●効果を持続するために、一週間から10日おきに3回以上投入します。
内野 彰
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 上席研究員
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◆稲編
●【1】 栽培型の選定
●【2】 品種の選定
●【3】 育苗法のいろいろ
●【4】 苗作りの実際―箱育苗について
●【5】 本田の準備
●【6】 機械移植栽培
●【7】 機械移植作業の実際
●【8】 直播による水稲栽培
●【9】 水稲直播栽培の実際
●【10】水田除草剤と雑草防除
●【11】難防除雑草対策
●【13】稲作における水管理
●【14】良食味米の栽培法
●【15】稲の病害防除
●【16】稲の虫害防除
●【17】適期収穫
●【18】乾燥・調製
●【20】農薬を削減する病害防除法
●【21】農薬を削減する虫害防除法
●【22】米の貯蔵





