提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


雑穀・山菜・その他

山ウド栽培

2016年11月16日

由来と特徴

●ウド(独活)は、ウコギ科タラノキ属に分類される大形の多年草です。
●軟白栽培により、野菜として利用されています。また、若芽も食されます。
●ウドの品種は、休眠がほとんどなく萌芽しやすい寒ウドと、休眠のある春ウドに大別されます。
●ウドの休眠は低温に遭遇することにより覚醒されます。休眠期間は品種間で異なります。
●収量、品質の良い春ウドがおもに栽培されています。
●ウドの栽培には、ビニールハウス内の開放型の床などで栽培する山ウド(緑化ウド)と室(むろ)の中の暗黒下で栽培する軟化ウドがあります。
●生育温度は15~25℃、適温は17~18℃です。

根株養成

「圃場準備」
●日当たり、排水性、保水性の良い圃場を準備します。
●施肥は10a当たりに窒素成分10kg、リン酸、カリ成分それぞれ20~30kgを目安に施用します。
●萎凋病の発生が心配な圃場では、土壌消毒を行います。

「種株調整」
●ノコギリや押し切りで、根株を1芽ずつ分割します。
●1芽に10~20cmの根を1本付けて、種株とします。
●できるだけ大きい芽を選びます。

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右 :ウドの根株 / 左 :調整した種株

「植え付け」
●4月下旬~5月上旬を中心に植え付けます。晩霜のおそれのある場合は、早植えを避けます。
●芽を上に向けて、浅植えにします。
●畦幅120~150cm、株間50~60cmとします。

「植え付け後の管理」
●裸地栽培では、6~7月にかけて除草や追肥を兼ねて2~3回中耕、土寄せをします。
●追肥は葉色、草勢に応じて、数回に分け、NK化成を窒素成分で合計10a当たり6~7kg施用します。
●倒伏防止のため、草丈1m程度で摘心します。

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株養成中の夏期の地上部

「掘り取り」
●降霜後、茎葉が枯れたら地上部を刈り、掘り取り機で根ごと掘り起こします。
●掘り取った根株は屋根のあるところに積み、凍結や乾燥を避けるため、保温マットやコモ等で被覆しておき、早めに伏せ込みます。
●次作用の種株として、無病の根株を保存しておきます。

伏せ込み

「床の準備」
●伏せ込み床をビニールハウス内に作ります。圃場10a当たりに50~60㎡必要になります。

「伏せ込み作業」
●春ウド品種では、休眠打破のために、登録内容に従ってジベレリン処理します。
●伏せ込み床に、芽の高さが揃うように根株を並べ、一列ごとに土を詰めます。
●並べ終わったら株の間に水を流し込み、必要に応じて土を補給して、石づき(芽の付け根)まで土を入れます。
●土の表面が乾いたら、軟白資材(モミガラ等)を入れます。厚さは萌芽前に10~15cm、萌芽後に15~20cm追加します(合計30cm程度、収穫時の軟白茎の長さを目安)。

「床の管理」
・萌芽までは芽の付近を17~20℃、萌芽後は15~17℃で管理します。
・床のトンネル内の気温は5~25℃とし、トンネル被覆、空中ケーブルでの加温や換気を行います。
・気温が低いと茎の伸長が抑制され、また、葉柄等の赤みが強くなるので注意します。
・床の内部に光が入ると茎の赤みが強くなるので、床内に隙間ができないように、遮光や軟白資材を押さえるなどします。

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伏せ込み床

収穫

●伏せ込みし、加温後およそ40日で収穫期となります。
●成長点が軟白資材を突き抜けたら、弱い光を当て、葉を緑化させます。光が強すぎると葉が展開し、緑が強くなりすぎるので注意します。
●緑化後、石づきから切り取って収穫します。
●ハウス内を遮光し、直射日光が当たらないように収穫します。収穫したウドに直射日光が当たると、変色やしなび等を起こしやすくなります。
●収穫した茎に付着した土や軟白資材(モミガラ等)は払い落としますが、茎の表面を強く擦ると変色するので、ていねいに扱います。

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収穫期の伏せ込み床

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収穫されたウド

病害虫

●萎凋病、菌核病、センノカミキリ、ダニ類やアブラムシ類等が問題になるので、適用薬剤の使用や輪作、無病の種株および根株の利用等により防除対策を行います。


参考文献
2007年発行『群馬の野菜栽培指針』(群馬県農業局)

執筆者
宮本雅章
群馬県農業技術センター 中山間地園芸研究センター
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