提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


雑穀・山菜・その他

「コゴミ」栽培の作業体系

2011年11月17日

概要

●シダの仲間「クサソテツ」の若芽で、北海道から九州に分布します。 
●谷沿いなどの土壌水分が多い半日陰地に自生し、乾燥には強くありません。
●アクが無く、おひたし、和え物、天ぷら等で食される山菜です。
●食用以外に、庭植えやグランドカバー、生け花等に用いられます。

栽培1 -元株養成-

●棚田とその周辺、谷沿いの畑、北斜面の山林や石垣陰地などが栽培に適しています。
●乾燥地で日当たりが良い場所では、灌水と遮光が必要です。
●優良系統の組織培養苗か地下茎を用い、計画的な自家増殖を行いましょう。
●組織培養苗は大量に均一な個体が確保でき、生育旺盛です。


遊休棚田の利用

「定植」 
●必要苗数は、元株養成圃場10a当たり約5千本。
●適期は春の萌芽前です(徳島県の場合3月)。
●条間80~100cm、株間20~30cmに植え付けます。
●子株は深植えにならないよう、クラウン部分は地上に出るように植えます。
●ランナーは15cm程度に切断し、3~5cm深さで水平に植え付けます。


組織培養苗

「定植後の栽培管理」 
●N-P-K各成分10kg程度の緩効性肥料を、萌芽前に圃場全面に散布します。
●特に植え付け直後と繁茂最盛期に多目に灌水します。
●5~10月の遮光率は60%程度としますが、低標高、乾燥土壌、幼苗時等の条件では強遮光とします。
●葉が茂るまでは雑草を抜き取ります。

「病害虫」 
●白絹病の予防には、無病の土地と苗を用い、過乾燥を避けます。
●ヨトウガ、タマナギンウワバは、捕殺や発生初期のBT水和剤散布等で防除します。

「株更新」 
●成株を順次掘り上げることによって子苗が育ち、自動的に更新されます。

「株の採取」 
●定植後2~3年でコゴミが収穫できる株(概ね直径50mm以上)を、スコップや鋸鎌で掘り取ります。






株の掘り取り器具(徳島県立農林水産総合技術支援センター農業研究所の試作品)

●株が十分寒さに遭遇し、自発休眠から覚醒した時期に採取します。(徳島では1月以降)
●定植後3年以降の元株収量は、10,000株/10aを目標とします。

栽培2 -ふかし栽培-

●日当たりの良いビニルハウス内に、ふかし床とトンネルを作ります。

「栽培環境」 
●床には、断熱マット、不織布シート、電熱線(200~250W/3.3㎡)などを使用します。
●トンネルには、支柱、保温フィルム(0.1mm厚程度のビニル)、遮光フィルム(98%以上)などを使用します。
●もみがら、おがくず等、手近に入手できるものを培地に使用します。
●一般の地床方式に比べ、コンテナ方式は移動が容易です。


コンテナ方式 

「伏せ込み」 
●株の葉柄は、若芽収穫時に邪魔になるので除去しておきます。
●時期は、自発休眠から覚醒した1月以降がよいでしょう(7.2℃以下の低温に約600~700時間遭遇する必要があるため)。
●栽植密度は100株/㎡程度とし、収穫しやすいように株の高さと列を揃え、株が埋まらない程度に培地を充填します。

「栽培管理」 
●培地が乾燥しない程度に灌水します。
●コゴミの萌芽前に、遮光率98%以上になるように、トンネルに遮光フィルムを張ります。
●トンネル内の気温は、最高30℃を目安に換気します。

「収穫」 
●平均気温22℃で管理した場合、自発休眠から覚醒した直後の株であれば、コゴミの初収穫までの日数は、伏せ込みから26日程度です(有効積算温度556℃)。
●芽の長さが15cm以上に伸びたら、はさみ等で根元から切り取ります。
●70g/株を目標とします。


 :収穫適期  /  :出荷パック

執筆者 
髙木 一文
徳島県立農林水産総合技術支援センター農業研究所中山間担当
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