提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


雑穀・山菜・その他

キビ

2008年8月20日

概要

「由来と特徴」 
●キビは、イネ科、キビ属に分類される一年生草本作物です。
●栽培キビは、穂の形態上の違いから、散穂型キビ、片穂型キビ、および密植型キビにわけられます。
●実の色の黄実(キミ)が、キビの語源になったと言われています。
●品種によって白、黄や褐色のものもあります。

キビの実 (提供 :日本雑穀協会)
キビの実 (提供 :日本雑穀協会)

●栽培キビの原産地は、中央~東アジアの温帯地域と推定されています。
●日本へは、華北から朝鮮を経て伝わったと推定されています。
●続日本紀(715年)の五穀には、ヒエ、アワがでてきますが、キビは、200年後の倭名類聚抄に初めて登場します。
●すなわち、コメ、ムギ、アワ、ヒエよりも遅れて伝来したか、あるいは重要度が低かったようです。

「栽培状況と利用法」 
●明治時代こそ2~3万haの栽培があったものの、その後作付面積は減少し続けました。
●現在にいたっては、栽培面積は全国でわずか250haです。
●主産地は、全国の生産量の約半分を占める沖縄県のほか、岩手県、長野県の3県です。
●日本では現在、伝統的なハレ食の餅や団子に加工するためキビ栽培が残っており、そのほとんどがモチ性品種です。
●ヨーロッパや中央アジア、西南アジアなどのユーラシア大陸中西部のキビのほとんどは、ウルチ性品種です。

成熟期のキビ
成熟期のキビ

主な品種と種子の入手方法

●モチ性では、精白粒が黄色のキビ信濃1号(長野)、精白粒が白色のキビ信濃2号(長野)、釜石16(岩手)があります。
●ウルチ性では、田老系(岩手)などが知られています。(以上、代表的なもの)
●沖縄県では波照間島在来種のほかに、子黍(コキビ)などがあります。
●種子は種苗会社で販売していないので、最寄りの農協や農家から分けてもらうか、インターネットなどで検索し入手するしかありません。

栽培

「播種前の準備」 
●雑草防除のためには、プラウ耕により深く耕すことをすすめます。
●プラウが無い場合は、ロータリー耕あるいは鍬で土を細かく砕いておくと、出芽率が良くなります。
●キビは多湿をきらうので、水はけの良い畑を選ぶと、生育が良くなります。
●施肥は、堆厩肥を10aあたり4t程度、施します。
●酸性の強い畑では、石灰質資材を施して、pH6.0前後に酸度を矯正します。
●堆厩肥が入手できない場合は、化学肥料(窒素、リン酸、カリ)をそれぞれ10aあたり5kg程度、元肥で施します。

「播種」 
●播種は、関東の場合、5月上旬から6月下旬まで可能です。

モチキビの播種(提供 :日本雑穀協会)
モチキビの播種 (提供 :日本雑穀協会)

●10aあたり600g~1kgの種子を準備し、畦幅50~60cm程度で、点播か条播します。
●点播の場合は、株間15cmで、1株あたり5粒程度播種します。
●条播の場合は、播き幅10cm以内で播種します。
●播種深度は1cm程度とし、深くならないように注意します。
●出芽揃い後2週間頃と、さらに2週間後の2回に分けて、間引きます。
●間引きの目安は、畦1mに30株程度残すようにします。

「除草と土寄せ」 
●生育初期には雑草負けするので、株元を念入りに除草します。
●節間伸長が始まる播種後50日くらいまでは、2週間ごとに除草し、土寄せしましょう。

中耕除草
中耕除草

●約2カ月で出穂し、さらに30日程度で登熟します。
●穂が黄化し登熟したら、収穫可能です。
●収穫は、バインダーまたは手刈りでおこないます。
●結束して1週間程度、天日または通風乾燥します。
●栽培規模が大きければ、汎用コンバインが利用できます。
●脱穀には、イネ用の脱穀機を代用できます。
●ゴミなどを取り除くためにふるいにかけ、風選します。

「病害虫と鳥獣害対策」 
●病害虫はほとんど気にしなくても良いのですが、特に鳥害を受けやすいので、防鳥網などで対処すれば、減収を抑えることができます。
●キビは熟すと脱粒しやすく、スズメなどの鳥害も激しいので、早めに収穫することが肝要です。
●収穫期は、東北地方で9月上中旬、関東地方で9月中旬~10月上旬、暖地の夏作で8月、秋作で11月頃です。

点播したキビの出穂期
点播したキビの出穂期

執筆者 
倉内伸幸
日本大学生物資源科学部准教授
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