提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


土づくり

土づくり編(9) マルチ作業

2012年12月28日

マルチの効果

 稲や麦のわらで土壌表面を被覆することをマルチといいます。
 現在では、フィルムマルチが主流となっています。
 マルチの目的は地温の調節、雑草抑制が主ですが、そのほか土壌水分の保持、降雨時の土砂跳ね返りを防止して病害発生を抑制、畦内の肥料流亡を防止する等の効果があります。

マルチの種類

「素材、色」
 マルチフィルムは、素材や色等の違いにより、さまざまな種類があります。目的とする効果や使用時期によって使い分けます。
 使用例として、サツマイモでは3~4月は地温上昇のため透明ポリフィルムを使用し、5月以降の地温が上昇しやすい時期は、雑草抑制を主目的に、黒ポリフィルムを使用します。また、9月植付のソラマメでは、アルミ蒸着フィルムやポリエチレン不織布を用い、地温上昇を抑制します。
 主なマルチフィルムの種類は表のとおりですが、それ以外に、紙マルチや光崩壊農ポリなどもあります。




左から上から 透明ポリマルチ、歩行型畦立てマルチャ / 黒ポリマルチ、トラクタ用畦立てマルチャ


左から上から アルミ蒸着フィルム /  白ポリ不織布(タイベック)

  
左から上から 生分解性マルチ / 生分解性マルチの崩壊状況

「有孔フィルム」
 マルチフィルムにあらかじめ穴開け加工を施した、有孔フィルム(ホーリーシート等)があります。  穴の形状、大きさ、穴の間隔は、栽培する品目や播種方法によって使い分けます。
 ダイコン、ニンジン等を点播する場合やタマネギ等を植え付ける場合は、丸穴の2条~6条の有孔マルチを用います。
 シードテープを利用してゴボウ等を播種する場合は、どこから芽が出てもいいように、間隔の狭い長穴の有孔マルチを用います。
 その他、スリット入りのマルチフィルムもあります。


左から上から ニンジン用丸穴6条マルチフィルム / ゴボウ用長穴1条マルチフィルム

マルチのサイズ

 マルチのサイズ(幅)は、マルチ被覆を行う畦の大きさで選択します。
 一般的に、マルチ幅の規格は95cm、110cm、135cm、150cm、180cmとなっています。  被覆したときに、両端が5~10cmずつ余るような畦肩幅、畦高さに成型します。
 両端の余り幅が狭すぎると、両端が十分に土中に埋まらず、剥がれやすくなります。逆に幅が広すぎると両端が余り、覆土時に折り返されて剥がれやすくなったり、たるみが生じます。


マルチ作業機

 マルチ作業機には、畦立てと同時工程でマルチを被覆する畦立てマルチャと、あらかじめ成型した畦にマルチを被覆するけん引マルチャがありますが、現在では畦立てマルチャが主流です。


左から上から けん引マルチャ / 畦立てマルチャ

マルチ作業の留意点

 強風時はマルチがずれたり、畦とマルチの間に風が入り、たるみが発生します。
 たるみがないようにマルチを被覆するには、畦立てマルチャの十分な調整が必要です。
 主な調整ポイントは以下のとおりです。


●マルチフイルム取付部の締め込み
 緩い:マルチがたるむ
 強い:マルチの繰り出しが悪くなり、マルチが伸びる

●前方への付き出しロール
 弱い:マルチがたるむ、左右にずれやすくなる
 強い:マルチが伸びる

●鎮圧輪の押さえ
 弱い:マルチがたるむ、押さえが強い方にずれる

●鎮圧輪の位置
 内過ぎ:マルチの端を折り返し覆土不良となる
 外過ぎ:マルチの端を押さえられない

●覆土盤の位置、角度
 マルチの左右両端に同量の土がかぶるように調整する

●生分解性マルチ
 破れやすいので全てをやや弱めに調整する

 ●土づくり編(8) 畦の作り方 

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