提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


果樹

ブルーベリー(ツツジ科)

2013年8月 9日

栽培のポイント

2013_benrikajyu_bb_bry.jpg●栽培種は、ノーザン・ハイブッシュ系、サザン・ハイブッシュ系、ラビットアイ系の3種です
●種によって樹の特性、果実の形質、根・土壌条件に特徴があり、栽培に適する条件は各々異なります
●種によって適する土壌酸性度は異なります
●水はけと通気性がよく、やや湿り気のある土を好みます
●同じ系統内の異なる品種を2品種以上植えます
●ブルーベリーの根は細根で、土壌表面近くに広く分布する傾向があるため土壌の乾燥を嫌います
●吸収する窒素成分としてアンモニア態窒素を好みます
右:ノーザン・ハイブッシュ系ブルーレイ

品種

2013_benrikajyu_bb_ssb.jpg ●ノーザン・ハイブッシュ系
品種の多くは寒冷地での栽培に適する。香りと風味、甘味と酸味の調和したすぐれた果実品質を持つ。
スパルタン、デューク、ブルークロップ、ブルーレイ、ダローなど

●サザン・ハイブッシュ系
暖地での栽培に適するハイブッシュ系統。果実品質は優れている。
エメラルド、ジョージアジェム、シャープブルー(右写真)、スターなど

●ラビットアイ系
暖地での栽培に適する。土壌適応性、耐暑性、耐寒性に優れ、樹勢強く豊産な品種が多い。
オースチン、バルドウィン、ティフブルー、クライマックス、ブライトブルーなど

栽培歴

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植え穴の準備

・植え付けは、11月から12月(温暖地)、もしくは、3月萌芽前(寒冷地)に行います。
・植え穴は直径40~50cm、深さは30~40cmとします。
・ハイブッシュ系ではpH4.3~4.8の土壌が生育に適するため、酸性用土資材のピートモスを掘り上げた土と同量に混合して、土壌改良する必要があります。
・ラビットアイ系の場合、pH4.5~5.5の土壌が生育に適するため、掘り上げた土と同量の腐葉土を混合します。

植え付け

2013_benrikajyu_bb_1.jpg

・混合用土は植穴にすべて埋め戻し、盛り土状になった中央に再度、苗の根の容積に合わせて植え穴を掘り、浅植えになるよう植え付けます。
・植え付けの際には、同じ系統内の異なる品種を2品種以上植えます。
・ブルーベリーは、いずれの系統も他家受粉によって結実数、果実品質が向上します。その際、同じ系統内の異なる品種間での交配が必要です。これは、異なる系統間、例えば、ハイブッシュとラビットアイの品種間では十分な結実が得られないためです。

マルチ

・マルチは、夏季高温期の土壌乾燥の防止、雑草発生の抑制、冬季の地温低下による寒害防止の効果がありますが、環境によって方法と時期を変える必要があります。
・日照量の少ない場所では、植え付け直後のマルチングによって日射による地温上昇を妨げるため、3月の植え付け直後は3~4cm程度の厚さにし、5月上旬以降に10cm程度にします。
・傾斜地の場合、平地よりも土壌が乾燥しやすいため、なるべく梅雨明け直後に行い、通常(10㎝程度)よりも厚めに資材を敷くことが必要です。

病害虫防除

・特に問題となる病害虫はありませんが、イラガ、ミノガの発生を見ることがあります。

施肥

●ブルーベリー1本あたりの施肥量(g)
2013_benrikajyu_bb_hyo1.jpg
 N-P-K = 窒素-リン酸-カリ

・ブルーベリーの根は細根であり、土壌表面近くに広く分布する傾向があるため、肥料は土壌中に混入させるのではなく、土壌表面に広く散布する方法が適切です。
・また、アンモニア態窒素を好むため、硝酸態窒素を多く含む通常の化成肥料だけでは、生育不良になります。
・年間の施肥量に対して2分の1から3分の1量のアンモニア態窒素(硫安など)を与える必要があります。

剪定

・株仕立てが基本樹形なので、主軸枝の配置は重要です。
・切り返した新梢の先端の芽が4月に伸長して新梢となり、株の中心から外に向かって将来伸びて行くようにします。
・枝の伸びていく方向で他の枝と重なることがないように気をつけます。
・1株当たり、主軸枝を5~8本に仕立てる樹形にします。
・主軸枝単位の収穫量は5年生までは増加しますが、それ以降は徐々に減少するため、5年生以降の主軸枝は、新梢の発生している基部に近い部分で切り返して更新します。
・株を構成する主軸枝を、ロープなどで誘引することで樹形づくりを行う方法も適宜行います。

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収穫

2013_benrikajyu_bb_bcrop.jpg ・果皮全体が着色した果実から収穫していきます。
・果柄周辺が赤いものは酸味が強いです。
右:ノーザン・ハイブッシュ系ブルークロップ

執筆者 
小林幹夫
恵泉女学園大学 人間社会学部教授

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