提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


促成イチゴ栽培の育苗期における天敵を活用したIPM実証調査(千葉県山武市成東地区)

2018年07月02日

 千葉県東部に位置する山武地域は県内有数のイチゴの産地であり、観光摘み取り園や直売が大半を占めている。そのため、化学農薬の散布回数の削減や軽労化等を図る上で、難防除害虫であるハダニ類の防除に天敵の導入が進んでいる。しかし、ハダニ類の薬剤感受性の低下等の問題から、天敵を効果的に用いる上で、より安定した防除技術が求められている。

 そこで、山武地域を所管する千葉県山武農業事務所改良普及課では、平成28年度から全国農業システム化研究会の実証事業を活用し、山武市成東地区に実証圃を設け、育苗期の親株管理時から本圃での収穫終了までの全期間における病害虫の総合的防除体系の確立に取り組んでいる。


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左 :育苗圃(600㎡)に設けられた試験区
右 :防水カバーに包んで設置されたスパイカルプラス


 まず本圃へのハダニ類の持ち込みを防ぐため、育苗期における天敵カブリダニ放飼によるハダニ類防除効果の実証調査がはじまった。
 3年目となる今年は、育苗圃に天敵ミヤコカブリダニとチリカブリダニを組み合わせた試験区、ミタコカブリダニのみの試験区を設け、いずれも4月17日に放飼した。
 ミヤコカブリダニは定着性に優れる一方、チリカブリダニは捕食力が高いことから、同時放飼することで、より安定した効果が期待される。なお、ミヤコカブリダニは、パック製剤「商品名:スパイカルプラス」を専用防水カバーで覆い、親株の株元に割り箸で固定して放飼。チリカブリダニは、ボトル製剤「商品名:スパイデックス」を葉上放飼した。


 6月19日には、山武農業事務所改良普及課の武内普及指導員が、千葉県農林水産部担い手支援課の伊藤主任上席普及指導員と連携して、天敵の定着状況及びハダニ類等の微小害虫の発生調査を行った。ハダニの発生もほとんど見られず、順調に生育が進んでいた。


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左 :調査を行う武内普及指導員(奥)と伊藤主任上席普及指導員(手前)
右 :チェックシートを用いて調査結果を記録


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メーカー担当者及び事業担当者を交えて、今後の方針を確認


 山武地域のイチゴ安定生産に向けて、実証調査の成果を期待したい。(みんなの農業広場事務局)